新商品

クラウンHIBRID。

親切で御節介な装備満載。お客様には非常な好反応であるものの、走り屋としては看過し難い、うーん…「普通に走る分には」と但し書きを挟むにもためらわれる、悪癖を持ったクルマであります。

500万円級のクルマと考えると、些か中高速の安定感に欠ける。とにかく路面状態にナーバスな反応を

「上屋が」

示すのは本当に閉口もの。

のべつ幕なしに路面変化を拾っては、上屋が細かく揺すられる。このモデルは、DWBのロアアームに曲げ／捻れの弾性変化幅を持たせた「いなしサス」とかいう仕掛けがしてあるが、

〜プジョーが406で類似の弾性アームを使っていた記憶があるので、決して突飛なアイディアではない〜

いなしたつもりの入力がいなしきれずに反発方向へ散ってるんじゃなかろか？と思うほど、腰の座りが良くない。荒れ気味なコンディションの横羽線など走ると本当に気を使う。

微細な波のピッチング運動で、ヨーイング方向の乱れに繋がるまでの癖でないのが多少は救いだが、上級サルーンに不可欠な「矢のように路面をトレースする直進性」は備わっていない。

一方、トヨタ自身が「サスセッティングより操安に効く」と

⭕️豪語
❓妄言

する空力設計にはかなりな成果を感じる。湾岸線や大宮線のような高速区間でも、横風で舵が乱されるような場面にはまだ出くわしていない。

が、そんなことを言えるほど、トヨタはサスをやり尽くしたのかどうか。水野和敏氏に指摘されるように、NBRテストの洗礼を回避するようになったスバルも、

〜WRX系はリアサスの硬直ぶりからタイヤ選定の誤りまで見透かされる有様、「これで後ろを固めたと思ってはいけない＝謳い文句に騙されてはいけない」〜

同じ轍を踏む危惧は大きい。