
※タイトル画はwikiから引っ張ってきた海自機です。
空自のYS11が「やっと」退役するらしいですね。
ひょっとすると、この駄ブログにお越しの方の中には、搭乗された経験がおありの方もいらっしゃるかと思いますが。
「とにかくパワーの無さに驚いた」
「操縦系統が油圧化されてなく、オートパイロットも無くパイロットに優しくない」
「上昇力もないが降下のレスポンスも遅い」
「パイロット仲間でこの機種に思い入れのある人を知らない」
「一般には評価が高い機材だが、全く同意しかねる」
まあそりゃそうでしょうね。戦後の航空再参入に際して、通産省がかき集めた技術陣は
三菱 堀越二郎(零戦 雷電)
中島 太田稔(隼)
川西 菊川静男(紫電 紫電改 二式大艇)
川崎 土井武夫(飛燕 五式戦)
帝大 木村秀政(航研機)
…基礎設計までの関与に止まったとはいえ、まともな接客設備を持った旅客機など、誰もやってなかった。そりゃ製品もスパルタンになる訳です。
プロジェクト全体も、行政の旗振りで航空業界各社の協業体制は組んだものの、責任の所在が曖昧だの原価管理の杜撰さだの、アフターの軽視で信頼性が確立できなかったのと、寄り合い所帯のダメな所ばかり満載で、製造会社がパンクして終わる黒歴史ぶり。
まあ戦後初の国産旅客機…というか、日本が自力開発した初の旅客機ではありますけど、製品としては決して出来の良いものではなく、電子機器やエンジンは欧米製品に頼ったためコスト競争力に劣り、個人的にはさっさと代替せえよ…と思わざるを得ないもんでした。
もっとも、出来のいい軍用機って長寿になりがちでして、最近では空自F-4ファントムの引退記念飛行に海外からファンが多数来日したとかね。アメリカではB-52を延命改造してあと30年?飛ばすとか、話題になりました。
しかしYSはね。国の主導で作ってかえって損失を出した手前、持たせるだけ持たせて禊にするような物になってしまいましたから。
「低速で旋回するには、ワイヤを心配するほどの力をホイールにかけて目一杯引かないと回りません」
現場隊員もさぞかし安堵してるでしょう。
Posted at 2021/03/17 21:20:57 | |
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