
デザインモチーフはハンマーヘッドシャーク…
らしいんですが、ツートンじゃないとよく分からないかも。
ボンネットからライトユニット周りの塗り分けがそんな感じになってますけどね。ちょっと手法が単純。
コーダトロンカ→砲弾シェイプだよ、とボンネットからルーフに砲弾を描いてしまった4500GT…
を何故か思い出してしまいます。
走らせると、21インチホイールのイナーシャがちょっと気になります。
懸命に消し込んだのは分かります。今回から40カ国に出すワールドカーになるわけで、広範な地域にマッチする躾に苦心したでしょうが。
私が大嫌いなTHSの悪癖…エンジンON⇆OFFのトルクの段付きや安っぽいエンジン音、パワートレインの揺動、カコカコと制動感が変化するお節介なブレーキ制御、そもそも非力過ぎるエンジン…などのネガはとにかく消しまくった。走る機械としては頑張って作ったのはわかります。
クラウンらしい静粛性を保ちつつ、いまいち舵の座らない直進性や腰のないロール感などを捨て去った、らしからぬ(?)走りっぷりはなかなかいいと思います。
ただ、「日本人のためのクラウン」の痕跡もあります。
前席の「鴨居」は低いまま。座高の高い私には、特に乗り込む際のアタマの運びは気を遣わされます。大径ホイールのマス感にロワーボディを張って、
キャビンの量感が過大にならないよう配慮したんでしょうが、クーペライクなルーフラインにこだわった副作用かなぁ。後席のヘッドルームも従来型より僅かとはいえ、絞られています。
ただ、ラゲッジはあくまで「トランク」でワゴンボディにはなってません。クラウンの名を掲げる以上、フォーマルユースを捨てるわけにはいかないので、別にエステートボディを用意するんでしょうが…ちょっと狙いどころが中途半端かな。
あと、自動車市場の本丸たる北米で〜フォードが「クラウン・ビクトリア」を終売したとは言え〜…トヨタから「クラウン」を出してうまくいくのか。かつてクラウンを出せずに、「クラウン=王冠→冠→カンムリ→カムリ💧」を出して量販車に育ててみせたトヨタですが。
脱セダン、クロスオーバーを謳う新クラウンはシビアに言えば、SUVとしてはクーペルック故に室内空間・ユーティリティともイマイチで、身内にはレクサスRXやRAV4などもあり、セダン寄りに見れば金看板のカムリがいる。
クラウンの脱皮に伴って、セダンの王道=牙城を捨てたと同時に「どこを攻めてどこを守るのか」が見えにくくなってしまった。フルラインメーカー・トヨタが隙間なく製品をラインナップしてきたが故に、いざ路線変更を思い立ったときに「どっちを向いても身内にぶつかる」ジレンマの地雷を踏んでしまう。
エクステリア以上に、インテリアは方向性を掴めていない感があります。部品構成を見ると、インパネ周りの原価はカムリと大差ないのでは。
日産がノート系列やエクストレイルでファブリックを張り込んだり、木目やヘアラインをあしらったりと見た目品質の向上に躍起ですが、4車型の工数が圧迫して力が抜けてしまったか。
そのくらい「らしさ」が見えない。素気ない。クリーンで嫌味がないといえばそうもなりますが。
若年ユーザーの獲得に失敗し続けてきたが、クラウンを捨てるわけには行かない、ブランド存続のためには生産ボリュームを保つ必要がある、では世界進出だ。スポーツ、クロスオーバーで若返りだ。
それは、製造事業者であるトヨタの都合。
今のコト消費の時代、700万円を車に使うってある意味…とんでもない話なんですね。100万円あったらドイツ5泊7日で、各地を回った上にNBR体験走行までできてお釣りが来るんです。
さあ、どうなりますやら。
Posted at 2022/10/11 09:30:41 | |
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