
乗り鉄止めようか、と思ったらやっぱり後がこう続くんですなぁ。
9年前だか、オリジナルの3400形他、旧型鋼製車を東急のステンレス車に入れ替えたのが話題になりましたが、その当時で既に
「沿線の高校生700人・年間50万人の通学需要」
の為に存続が決まったとかで。これをバス転換すると車両6台に乗務員6名が必要なのに対し、鉄道ではワンマン列車2両編成×2本に乗務員2名で済み、冬場の定時運行なども含めて鉄道のメリットが大と。
鉄道の経営としたらこの時点で相当ギリギリ、薄氷を踏むような話ですが、それで安泰ならどこの地方民鉄も苦労しない。
その、生命線の高校生も減る一方でかつ、東北新幹線の七戸十和田駅開業で旅客流動線も変わり、鉄道部門の年間収入が1億円を切る見通しになったと。
長野電鉄屋代線に続き、恐らく決定打でしょう。
15キロ足らずの小私鉄、脆弱な経営環境で度々強化される安全基準について行くには限度がある。02年に東急の中古車を導入するにも、自社では費用を負担しきれない為、国/県/三沢・十和田・六戸の2市1町で全額補助した経緯があります。
自治体としても、この先経営改善の見込みのない鉄道の為に出せるお金は無いはずで、継続的な設備投資の必要を考えれば「ここらで潮時」という判断が妥当でしょう。
大体、公営のバスだって経営上まともな数字が上がっているトコなんか極少数なんだから。
ワタクシが公共の利益を考える立場にあるとしたら、税収対負担であまりにも右側が重すぎる。どうぞバス転換を、と言わざるを得ない。
昭和ノスタルジーを商材にして成功したいすみ鉄道のような存在は、本当に希有なのです。それだけ鉄道経営=安全維持はカネがかかる。逆に言えば、本当に鉄道が好きで、模型感覚で遊んじゃえ!的な視点の経営でもないと人を呼べない。
もう、地方の在来鉄道は実用品じゃない。エアコン完備・固定窓で快適かつ高効率、低燃費なハイテク車より、車齢45年近い副室式の、ガラガラ煩く燃費も悪い旧型ディーゼルカーをトコトコ走らせる方がはるかに人を集められる。皮肉ですがそれが現実。大糸線も、3両のキハ52と糸魚川駅のレンガ車庫が無くなってからすっかり人が寄り付かなくなったとか。
かと言って、旧式車を入れれば良いってわけではないのが話を難しくするんですね。整備や部品確保、安全基準の問題、バリアフリー法適合化等々、頭の痛い課題だらけ。
地方鉄道には試練の時代。諦めるべきは諦める、そういう判断も辞さない覚悟が必要でしょうし、地域も「使わないなら求めない」自制があってしかるべきです。
Posted at 2011/08/25 20:54:39 | |
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