今月のMAG-Xを身読すべし。
ま、とある評論家の独り言をもっともらしく対談風に再構成した「総括」は相変わらず全くのフィクション。読み飛ばしていいけど。
しかしかつて、実名のライターや評論家連にここまで酷評されたレガシィがあったろうか?
「レガシィはフラッグシップというが…」
「北米ではカムリ、アコード、ソナタあたりと同じ土俵」
「そういうクルマにデザインなど求めない(爆笑)」
「でも、走ったら何のストレスもない!」
「アメリカの田舎に住んでてクルマに関心のない人には、すごくいい」
要は、私はツーリングカーのベンチマークとして、
レガシィは日本のゴルフになるべきだ、と
考えてきたのに、ものの見事に経営至上の戦略商品に成り下がり、
欧州志向を捨て去り凡作に落ちぶれたヴィッツと同じ轍を踏む
という愚策に流れたワケです。
「レヴォーグやS4もちゃんと造られたクルマじゃない。インプレッサの格好だけ変えたみたいな…」
実際、ボディ外寸を基準に旧来のレガシィを引き継ぐと、インプレベースで造ればいいとなってWRX/レヴォーグが仕立てられたのに=それも社長の吉永氏から出たコメントなのに、
「今回は専用ボディになっていい事づくめ」
いつからスバル開発陣は、こういう方便をうならかすようになっちゃったのやら。
レヴォーグの販売が既に失速気味と言われるのもさもありなん。ヴィッツベースのカローラほど酷くはないにしても、
ベーシックレンジの商品を厚化粧したミディアムクラス
の出自は如何ともしがたく、以前に「レヴォーグはディテールが子供っぽい」とは書きましたがね、もっと決定的なのはフォルムの悪さ。インプレッサでは、今更ながらにキャビンフォワードをこなしてきたと思ったものですが、それがリアを伸ばしたワゴンボディになると途端に副作用を来たしてしまう。
ホイールベースに対して前後に長いキャビンの量感が過大な上、やたらと線や面を交錯させたフロントオーバーハングのボテつきぶりが相まって
動物に例えるならアルマジロみたい
に見える訳で(買った人ごめんね)。
初めて17インチ45を履いたBGもやはりビッグキャビンのBDをベースにしながら、スリークなラインと前後ブリスターフェンダー間をやや削いだ面構成で、ワゴンでありながら「悍馬」の凛々しさを醸し出していたのとは全く対象的。
もっと対象的というか、明暗がくっきりするのは
SKYACTIVを押し立てて驀進するマツダ。
先代アテンザの発売時、当時開発統括役員だった金井誠太さんがこんなコメントを残している。
大メーカーが何球も放れる所に、ウチは一球しか投げられない。だからその一球きりのストレートを思い切り投げ込む。ウチにとっては目一杯の豪速球。それに磨きをかけるんです。
造り手の我々も、買い手のお客様も胸を張れる、そういうモノづくりを愚直にやる。とにかく、「いいクルマ」を造るんです。
その渾身の一球がSKYACTIV。そしてアテンザの販売現場では、比較車種に3シリーズやA4などのドイツ車銘を挙げるユーザーが増えている〜すなわち、かつてのレガシィの立ち位置を、国内市場でさらったのはS4/レヴォーグではなくアテンザなのだ。
マツダ以上に球数が少ないスバルが、モノづくりを売り上げ至上でやったらどうなるかがここに現れている…その危機感が恵比寿にあるだろうか。
Posted at 2015/02/28 20:13:47 | |
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