
第2章
静電気放電、電気の導通改善の実践
第1章で、静電気・電気の流れがどういう物かご理解頂けましたでしょうか?
この第2章では、静電気放電と電気の導通改善を確実なものにする実践的なお話をさせて頂きます。
1.目的を持った静電気放電策
先ずはご自分がどこをどうしたいのか、決めてから施工される事をおすすめ致します。
というのも、パーツ交換等の変化に対し静電気放電策は、変化が小さい場合もあります。それを検証する際に、こういう変化が起きそうと思って意識しながら検証した方がより違いを理解しやすくなります。
これは人間の持つ五感が研ぎ澄まされ感じやすくなります。
このようなお話をすると、やっぱりオカルトかと思われるかもしれません。しかし良い部分・悪い部分を識別しやすくもなります。
世の中の車の種類も多く、メーカーもたくさんあります。メーカーさん毎に設計思想が違う場合もありますし、車種によっても変化が違う場合もあります。
一概にここをこうすれば、必ず効くという訳ではなく、理論と実際が異なる場合もありますので、それを先ずご承知おきください。
それでは、ひとつの目安として分類分けをして話を進めて参ります。
①パワーアップさせるには
ポイントはやはり動力系の3つになります。
a.エアークリーナー/インテークホース/インテークマニホールド/エンジン本体/エキゾーストパイプ/マフラー/ラジエーター
b.燃料系
給油口/燃料パイプ/燃料タンク/燃料ポンプ
C.駆動系
ミッション/ドライブシャフト/ホイール/タイヤ/ブレーキキャリパー
②操縦性・乗り心地を向上させるには
a.シャーシ(ボディフレーム)
b.サスペンション
③燃費を向上させるには
a.バンパー
b.ボディパネル
C.フロントガラス
D.タイヤ回り
なお、③の燃費向上は①の施工が上手く行くと関連付ける事も出来ます。
2.1項で分類分けしましたが、各々の具体的施工を御紹介しながら、ポイントをお話しさせて頂きます。
①パワーアップ編
a-1.エアークリーナー

これはトヨタさんのエアクリーナーの除電資料ですが、基本ボックスの上下の枠にアルミテープを貼り付けると記載があります。

それをより確実な物にする為に、私の場合は、フィルターの縁にも貼りボックスのテープを貼った場所と接触するようにしてあります。これでフィルターを通過して静電気を帯びた空気の除電をして空気中に逃がす様にしています。
尚、アフターパーツのエアーフィルターは素材が帯電しにくい物が使われていますので、フィルター自身必要ないかもですね。
a-2.インテークホース
エアクリーナーで取り除けなかった静電気をホースに巻き付けたテープにより除電し、インテーク内を流れるエアをスムースに流します。
よりスムースにエアーを流すには、ホース円周全体を均一に放電させるところがポイントになります。またゴム製の場合、テープが貼り付きにくいので、ホームセンター等で売っているホースバンドを使ってアルミテープを巻き付けると安定した固定・効果が出ると思います。
a-3.インテークマニホールド
ここもエアクリーナー同様、かなり重要なポイントです。ここのエンジン直前のパイプが樹脂場合は特に必要となります。
エンジンからの静電気を樹脂製のパイプにアルミテープを貼る事で除電し、スムースな吸気効率を上げます。これも出来るだけ円周をカバー出来る用に使う貼った方が、効果的と考えます。
a-3.エアフローセンサー
本体/コネクター/ケーブルにアルミテープを貼り付け、静電気によるノイズをカットします。アルミは静電気を放電させるだけでなくシールド効果もあります。外来ノイズをカットしてくれます。これで正確な信号が伝わり出力向上・燃費向上が可能となります。
a-4.エンジン本体
ここで重要なポイントはイグニッションとインジェクター。
イグニッションはプラグを点火させる為の電気が流れますが、エンジンからの静電気により完璧な点火の邪魔をしたりします。
そこで、プラグコネクト部やコイル本体にアルミテープを貼り除電してあげると点火効率も良くなります。

取付けボルトに余計な物が付いてますが無視してください(笑)
コイルに接続するコネクターも帯電してますので、テープを貼る事をお薦めします。
次にインジェクターは静電気によりスムースに流れない燃料から除電して本来の燃料噴射させる為に、インジェクション本体と燃料パイプにアルミテープを貼り付ける事で、スムースな燃料供給が可能となります。
それと激しく動くピストンとシリンダーを保護するエンジンオイル。これも静電気により粘度に変化が出ます。
これの静電気を取り除く為に、オイルキャップ・オイルパン・オイルフィルターにアルミテープを貼りつけ除電します。それによりエンジン音に変化が現れ、滑らかさを感じ取る事が出来ると思います。添加剤を注入した時の変化に類似しています。
a-5.エキゾーストパイプ・マフラー
ここは最高で数百度の温度になる部分ですので、アルミテープによる除電は難しいです。ここについては次の第3章で説明致します。
a-6.ラジエーター
ここは御存知だと思いますが熱くなったエンジンを冷やす機構を持っています。
中を循環する冷却水も帯電します。
その静電気を放電させる為に、ラジエーター本体とホースにアルミテープを貼りつけ除電させます。
またラジエーターファンも回転することにより、各所が帯電します。
より効率良く回転させる為に、下画像の様にアルミテープを貼りつけ除電させます。
a-7.その他
あとは、CPUからの信号ラインやホース類にアルミテープを巻き付ける事で本来の信号や油脂類がスムースに流れパワーアップします。
これについては、エンジンの種類によっても違いがありますので、ご自分で判断して巻いてみてください。効かない事はあっても悪にはなりません。
あちこち巻き付けると、こんな感じになります。
b.燃料系
燃料も流体帯電という静電気が溜まりやすいもの。
まして給油口~インジェクターまで数メートルに及ぶ流れがあるので、施工すべきポイントはたくさんあります。
b-1.給油口
人が帯電して触ると危険という事で、給油時に放電させてから触りますが、実はここも帯電しています。
燃料が帯電しているので、気化ガスも帯電することになります。
対策としてはキャプ・給油口の回り・蓋に施工します。
ここは車種によって構造が違うので、良く構造を見て、アルミテープ等を貼りやすいところを選んでください。
画像はキャップがカーボン柄になっていますが、銅テープ+アルミテープを貼り付け目隠しにカーボンシートを貼っています。輪郭の部分が露出していれば問題無しです。
b-2.燃料パイプ
給油口からタンクまでの中間、タンクからエンジンまでのパイプに施工します。
b-3.燃料タンク
常に燃料が蓄えられている場所ですので、ガッツリ帯電しています。
これはボディの真下にあるため、施工も大変ですが、タンクの下側にアルミテープを貼ったりします。私の場合は、タンクの取り付けボルトにスタティックディスチャージャーを取り付けました。(詳細は第3章で)
b-4.燃料ポンプ
これもエンジンから戻りの燃料が通過するので、溜まる場所。しかしながらこれにたどり着くには、ばらしたりしないとお目にかかれないので、ちょっと難しいです。
施工出来ない場合は、エンジンのインジェクター手前のパイプにアルミテープを巻けば、効果は出ます。
燃料系の施工は、除電出来るとエンジンのトルクアップを体感出来るようになります。是非ともやっておきたいところです。
C.駆動系
駆動系の静電気除電は、パワーロスを出来るだけ抑える事を目的とします。
C-1.ミッション
ここはパワーアップというよりは、パワーロスを少なくする事を目的とします。
ただ、高熱を伴う場所ですので、アルミテープを貼れるところは、オイルパンくらいでしょうか。
他にも手はありますが、少々高度な施工になるので、次の章でお話させて頂きます。
帯電したミッションオイルを滑らかになり、エンジンへの負荷を減少しギアチェンジロスを少なくします。
C-2.ドライブシャフト
ここもエンジンからのパワーを出来るだけダイレクトにタイヤに伝える事を目的とします。
この様にシャフトにアルミテープを巻き付け静電気を飛ばしてあげます。
これを施工することによって、アクセルオフ時の空走距離が格段に伸び、燃費向上にも寄与するようになります。
C-3.タイヤ・ホイール
走行系で一番肝になります。当然車を支えて走る源ですから、走りの部分・燃費・乗り心地と影響を及ぼすところです。

トヨタさんの静電気特許資料では、上図の12が放電器具になります。しかしながら、タイヤにアルミテープは剥がれる可能性が高いのでオススメはしません。
アルミテープで対応出来るのは、ホイール・ナット・ローターになります。
・ホイール
裏面のスポークやリムにアルミテープを貼り巡らします。
・ローター
ハブにぐるりとアルミテープを巻き付けます。
・ナット
ナットの頭にパンチで抜いたアルミテープを貼ります。
・キャリパー部
キャリパーの貼れそうなところにペタリと貼ります。あとローターのバックプレートも貼ります。これでタイヤの回転により発生する静電気を抑える事が出来るようになります。
これらの施工により、アクセルオフ時の空走距離が伸びたら効果ありという事になります。
②操縦性、乗り心地を向上させるには
走行性能を向上させるには、ボディフレームやサスペンション回りの施工が有効になります。
・ボディフレーム
車の骨格は金属ですが、放電アンテナが無いと、金属内を静電気が浮遊します。それを放電してあげるとフレーム本来の固さが出て来ます。
これについては、車種によって異なりますので、好みに応じてアルミテープを貼られる事をオススメします。
たった数センチのテープを貼るだけで、ガラッと変わります。
・サスペンション
これも車体を支える重要な部分。純正、アフターパーツに関係なく本来の性能を引き出す為の施工となります。

トヨタさんの特許資料にも貼る場所が数ヶ所出て来ます。これもご自分の好みにセッティングする事が可能です。
とりあえず、こんな感じで貼ってみましょう。そのあとはサスペンションをボディに固定している部分に貼っても有効です。
③燃費を向上させるには
燃費を向上させるには、走行時の風をどう流すか、転がり抵抗を下げるかが鍵となります。
この図はトヨタさんがボディ回りの静電気対策ポイントを示したものです。
あちこちで見かけた方も多いと思います。
ここで注目して頂きたいのは、●のポイントが前方に集中している事。
つまり、走行時にボディに当たる風がキーとなります。
この風をボディから剥離させることなく綺麗に流せれば占めたものとなります。
と言うことは、
a.フロントバンパー~ボンネット~フロントガラス~ルーフのライン
b.フロントバンパー~フェンダー(フロントタイヤハウス)~ドアパネル(ドアミラー)のライン
C.フロントバンパー~アンダーカバー
この3つのラインから、静電気を取り除けば、綺麗に流れる様になります。
もちろんアルミテープの貼り方としては、裏側・隠れる場所が基本となります。
これを参考にして頂き、施工してもらえたらと思います。
あとは、①パワーアップさせるにはで紹介したタイヤ、ホイールの施工もこれに貢献してくれます。
これで、あとは実践あるのみ❗️
施工自体はアルミテープを貼るだけです。
トライ&エラーの連続となると思いますが、ベストなセッティングを見つけてください。
2.理想の電気の流れを作るには?
良くあちこちから引き回したケーブルをバッテリーのマイナス端子に繋げ、電気の流れを良くしたと言う話を見聞きします。
見た目は確かにやってる感満載です。
しかしながら、本当に効果が出ているのでしょうか?
20年前の車ならともかく、最近の車はバッテリーの受け止められる電流値は充電制御によって決まっており、それ以上の電流は元に戻ったりアースラインを右往左往したりしてしまいます。
理想的なアーシングというものは、あくまでも電気的抵抗を持っているところをダイレクトに繋ぎ、完全導通させる事。
一般的な電気回路の基本は回路をアースラインで囲む事で、電気的ノイズの抑制及びショックノイズからのシールド(防御)をさせる事を目的としています。
下図は基板の基本形ですが、幅が広くなっている部分がアースラインとなります。
それを車に置き換えると下記の様なアーシングが理想的なものと言えると思います。
・エンジンのアーシングの取り方
ヘッドブロック⇒ボディ
シリンダーブロック⇒ボディ
ミッションブロック⇒ボディ
基本、ミッションのスターター付近にバッテリーへのケーブルが付いていますが、それと合わせてエンジンを囲むアースラインを作る事がベストと考えます。
それとアーシングに使用するケーブルですが、太い方が電流を流しやすくなりますが、何も20sq以上あるケーブルに変えなくても問題ありません。大切なのは、第1章で説明させて頂きましたが電気的導通を繋ぐ端子部の導通精度が高ければ、純正レベルのケーブルでも能力を発揮しやすくなります。
これまで、最初に載せた一般的な追加ケーブルを多用したアーシングをされていた方が、私の推奨するアーシングに変更したらとてもエンジンが元気になったと言うお話も頂戴しております。
詳細は下記サイトに載せてありますので、ご覧ください。
「アーシング」
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/43972935/
いかがでしょうか?
これを施工することで、エンジンスタートが一発でかかりエンジンの動きが元気になります。またオーディオの音もよりダイナミックレンジ(音の大小、奥行き感)の広がった音源を再現出来る様になります。
あともうひとつ大切な事があります。1台の車には数十個に及ぶヒューズが使われております。過剰電流が流れない限り断線しませんが、長年使っていると導通部の焼けや導通抵抗値の低下が出て来ます。一応目安として5~10年経過しているものは交換されるとより流れやすくなります。
セットで購入すると二千円程度で手に入ります。
またヒューズ交換の際、ヒューズの端子にナノカーボンペン等の導通改善剤を塗布してあげると完璧です。
オイル交換程度の出費でリフレッシュ出来ます。お試しを🤗
電気の導通改善については、以上で終わりになります。
このあと第3章ではアルミテープだけでは対応しきれない静電気の放電を最大限活かす方法(真の変態弄り)をご案内して参ります。ご興味のある方は近日公開しますので、是非ご覧になってください。
written by koppepapa