
22年の夏にもてぎで積車のお世話になって以来、色々と考えて、
22年10月の投稿を経て、実はもう少し対策していたのですが、その後燃料ポンプのリコールも終わり、また自分なりの結論(
前回の投稿)にも達して、興味も薄れていたので放置していたのですが、現在になってもまだ熱対策パーツの人気は高いようなので、一応まとめておこうと思います。まずはフロント(ラジエタ周り)から。
22年10月の投稿では、ラジエタの熱害は、商品説明にあるように
ラジエーター排熱風がフロントフード内に侵入
するのではなく、ラジエタの輻射熱がフロントフード内のパーツに伝わるためではないか、という推測をしていました。
そこでも書いていたのですが、燃料の温度を測定するために購入した遠隔で温度を測定する子機がまだあったので、ちょうど良いタイミングでディーラで開催されたENGINE誌主催のトークショー(11/3)にフロントトランクに温度計を設置して臨みました。(設置場所はフロントトランクの後方壁)
同じく商品説明には
ラジエーター排熱温度は夏でも冬でも大差がないため通年を通して効果を発揮
とあったので、温度は上昇するかと思いましたが、それに反し記録した温度が20度を超えたことはなかったように記憶しています。11月という季節を考えると、気温プラスアルファ、という感じですね。
これによって輻射熱説の可能性が大きくなったと判断し、10月の投稿でも触れていたアルミ素材によるフロントトランクシールドを実践しました。
ただ、この時はまだリコールも確定しておらず、再び燃料ポンプ周りのトラブルが生じた時に、この作業が原因と指摘されることを避けるため、写真にもあるようにトランクの前半分(作業効率も考え固定足よりも前方)のみをカバーすることとしました。
この後3月に再びもてぎのハンドリングクラブに参加するわけですが、効果はてきめんでした。
通常、走行後はフロントトランク(トランクマットは走行時は外しています)は手を触れられないほど熱くなるのですが、アルミホイルを貼った前半部は触れても'暖かいな'と感じるぐらいですみました。(後半部は変わらず手を触れられません)
空気(の熱)によって直接加熱されるのであれば、アルミホイルだけで断熱材は使っていないので同じように温度は上昇したはずです。輻射熱は反射材で反射され影響を受けないので、この結果を説明できます。
ということで、実はラジエタへの開口部を塞ぐことの効果は、熱(を帯びた空気の)上昇を防いだためというよりも、輻射熱が伝わることを防いだことによるのではないかと結論付けられます。
(効果があることには変わりないですが)
その後23年の秋になって、新しいことが分かります。
アルピーヌ、標準ではラジエタグリルの格子が荒いので吸い込んだ枯れ葉などが(斜めになった)ラジエタ上部に溜まり、それをどう処理すればよいかというグループの掲示板での質問でした。
フロントトランク下にはラジエタをカバーするパーツが見え、これを外せばアクセスできるのではないかと考えたのですが、実はこのパーツはかなり大きく、外すにはバンパーから脱着しないといけないということをPersecさんより教えて頂けました。この際、
参考になる動画も教えて頂いたのですが、ここに大きなヒントがありました。
ちょうど9分後からの部分、このパーツを外している部分なのですが、フロントからカバー上(フロントトランク下)へ空気を導入するような形状になっているのです。
それまで、ボンネット下への空気の導入はホーンの下の(複数の)丸い穴しかないと思っていたのですが、流石にそれだけでは大量の空気の導入は出来ず、22年11月の如何に秋といえどフロントトランクの温度が気温に近いぐらい低かったことに対する説明は難しかったのです。でも、これではっきりとしました。ボンネット下へはこのパーツを使って大量の空気が流入している。そのため、この空気による冷却と輻射熱とバランスにより、夏以外の通常走行であればトランクの温度上昇は問題にならないのではないか、ということです。
そして、これは22年10月の投稿の最初で提示していた疑問の裏付けにもなるように思います。
ラジエタへの開口部を塞いでしまった場合、フロントから導入された空気の逃げ場所がなくなります。
色々な隙間からの流出は可能でしょうが、ラジエタへの開口部程大きな面積を補えるとは思えません。
そこで、アンダーフロアにスリットを設けて、ここから空気を逃がそうとしたのではないか、ということです。
なので、ラジエタとの開口部を塞いだ場合にはアンダーフロアのスリットの設置は必須になるのではないか、単体では導入された空気の逃げ場がなくなり、結果的に空気の導入量が減ってしまうのではないかと。
逆にアンダーフロアのスリットだけでは、排出抵抗がラジエタ部分の開口部に比べて大きいため、効果は限定的なように思えます。
やはり、アルピーヌの熱対策は、一見無策に見えて実はよく考えられていたのではないかと思えます。
トランクへの輻射熱の伝わりも、実は燃料タンクと同じように、その一部をフロントトランクに担わせることによって処理しているとも考えられます。
ラジエタへの開口部を塞いだ場合には、放出されるトータルの熱量は変わらないわけですから、それまで上部に逃げていた分の輻射熱も下部に留まり、ラジエタと冷却ファンの作業負荷は大きくなるのではないかと思えます。
ただ、夏場は通常のドライブでもトランク内の温度はかなり上昇する(触れられない程ではないが)のも事実です。5年の延長保証が切れたら、アルミホイルのカバーを後半部分へも延長して、トランク内と燃料ポンプ周りの温度との確認を改めてやってみたいと思っています。
Posted at 2025/06/24 06:57:07 | |
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