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2023年09月26日 イイね!

旋回中の車の姿勢

なんとなく、ですが、旋回の軌跡の接線方向を向いていると思いがちですよね。

ニュートラルステアの説明で、速度が上がっても旋回の半径が変わらない、舵角も変わらない、というのがあるのですが、ちょっと考えるとこれは不思議です。

速度が上がるので遠心力は増します。それに対するためにコーナリングフォースも増えているはずですが、そのためには前輪も後輪もスリップアングルが増えている必要があります。
定常円の走行では、前輪の舵角は前輪と後輪のスリップアングルの和ですから、舵角も増やさなくては行けないのではないか、と思いがち、ということです。

その回答が以前挙げた自動車の運動と制御にあります。
再び、この本を利用して説明しているサイトのリンクを見てください。
一番下の図3.13 重心点の横滑り角と速度の関係のグラフです。
速度が一定の値を超えると重心点の横滑り角(接線方向に対する車の向きです)は負の値になり、そのまま増え続けます。
具体的には図3.14のような感じです。

つまり、コーナリング中、速度が上がるほど車はコーナの内側を向く、ということです。
(アンダーステアの場合には一定の角度に収束し、またオーバーステアの場合には限界速度以上でスピンします)

ドリフト状態に近いのですが、ドリフトの場合には旋回半径が増え続けるのに対し、ニュートラルステアの場合には回転半径は変わらず、車の姿勢だけがコーナ内向きになります。

最近何処かで見たような気がしませんか?
鈴鹿F1でのオレンジのアルピーヌA110Sの挙動がまさにこれですね。
対して白のA110はドリフト状態になっています。
観客からはドリフトの方に歓声が上がっていますが、中里的視点(?)から見れば、'山野さんスゲー'になるわけです。
Posted at 2023/09/26 10:53:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2023年09月25日 イイね!

鈴鹿F1でのアルピーヌ(A110の方)


ピレリのホットラップ(サーキットタクシーと言われているヤツ)でA110が少なくとも3台走っていたみたいです。(トップ写真もtwitterより)

白(A110)、黄(アトリエの方、グレードは不明)、オレンジ(A110S)

twitterで動画がアップされていたのでまとめておきます。

最終コーナ

ヘアピン

シケイン

ちなみに、ドライバは

ジャック・ドゥーハン
黄 不明
オレンジ 山野哲也

という情報が。

いつもながら山野さんのドライブ、無駄がなくて美しい。
Posted at 2023/09/25 11:06:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2023年09月06日 イイね!

なぜコーナリングの理想はニュートラルステアなのか

最近こんな本を読んでいます。
自動車の運動と制御 第2版─車両運動力学の理論形成と応用


貴島ゼミナールを読んで幾つか疑問に感じる点があったので、これを解決できればと思って読み始めたのですが、全てが運動方程式から始まっていて、少し違う観点からも車の運転を見ることが出来るようになりました。

基本的に物理の本なので方程式ばかり出てきますが、どうしてその式が導き出されるか、とか、その辺りのことは置いておいて、パラメータの変化のパターンと実際の車の動きとの関連が分かれば良いんです。

定常円旋回(紛らわしいのですが、これはドリフトでの定常円旋回とは違います。ドリフトではカウンタを当ててドリフト状態での旋回ですが、こちらは通常の範囲のスリップアングルが付いたグリップでの旋回です)での運動方程式は、様々なパラメータを消していけるので、こんな感じになります。

リンク先のページのρの式

ちょうど同じ本(第1版ですが)について章を追って説明してるサイトがあったので、そちらをリンクしておきます。
以降の説明はリンク先のページを見ながらが分かり易いと思います。

ここで
lf:重心から前軸までの距離
lr:重心から後軸までの距離
kf:前輪に発生するコーナリングフォース
kr:後輪に発生するコーナリングフォース
です。

これは、ρ(円旋回の半径)を求める形式になっていて、このグラフはlfkf-lrkrの値によって、図3.9のようになります。

lfkf-lrkr<0の時、速度が増加すると回転半径が大きくなります。(アンダーステアの定義)
lfkf-lrkr>0の時は、速度が増加すると回転半径が小さくなります。(オーバーステアの定義)
lfkf-lrkr=0ならば、速度が増加しても回転半径は変わりません。(ニュートラルステアの定義)

lfkf-lrkr<0の時、前後輪のコーナリングフォースがバランスするnsp(ニュートラルステアポイント)は重心よりも後ろになりますから、これは貴島ゼミナールでの定義と同じです。
重心の位置という感覚的な理解を運動方程式で説明した、ということですね。

この式を変形して旋回角速度(r)を求める形にするとニュートラルステアのメリットが良く分かります。
グラフは図3.12のように。

実はこのグラフ、アンダーステアの時が間違っていて、本当は速度が増していくともっと大きく減少します。(2版では訂正されています)
アンダーステア状態では速度が速くなると旋回角速度(車が向きを変える速さ)が伸びなくなります。
ニュートラルステアの方は速度に比例して旋回角速度も大きくなります。
オーバーステアだともっと急速に大きくなるのですが、速度がVcに近づくと車は巻き込んでスピンしてしまいます。
つまり、実際にはニュートラルステアが一番旋回角速度を速く出来る、ということです。
車のコーナリグの目的は、'コーナ出口に向けてできるだけ速く車の向きを変える'ことですから、旋回角速度が速いニュートラルステアが一番理想に近い、ということになるわけです。

では、何故車のセッティングはニュートラルステアではなく、弱アンダーステアになっているんでしょうか。
この本では、それについても説明されているのですが、ここでは、nsx等の開発者だった上原さんが書かれているサイトをリンクしておきます。

ニュートラルステアは、安定した状態ではなく、アンダーとオーバーとの間を細かく行き来しながら、微妙なバランスの上に成り立つ状態なわけです。一歩間違えばスピン状態や、コースアウトの可能性があります。

なので、一般道ではこれを求めた走行は危険すぎますし、またするべきでもありません。
あくまでサーキットでしか求められないものではありますが、これこそがコーナリングの究極の姿だと思います。

20年前、初めて参加したホンダのtypeRミーティングで、鈴鹿東コースで初めて同乗走行したのが山野さんでした。
その時感じた、どんな時にも、たとえコーナリング中でさえ車が前に進もうとする半端ないトラクション。
それ以来、それを自分のドライブで実現するのがずっと目標だったのですが、長いことその手掛かりさえ掴めていませんでした。

今は、その答えがニュートラルステアなのではないかと思っています。
Posted at 2023/09/06 10:49:52 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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