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2022年05月10日 イイね!

山野(哲也)さんのこと


初めて山野さんに会ったのは、ホンダがtypeRオーナを対象に開催していたスクール。
STECのドライビングスクールに何度か通って、その後EK9を購入した後なので、多分2003年頃。

部屋に入ってきた山野さんの第一声はいつもおなじみの(最近は違うか)'ハーイ、やまのです。'
それに続く自己紹介が(その時は)驚き。

やっているのは、滑らせ系のスポーツで...

今ならばその意味もちゃんと分かりますが、その時は

ドリフトをやっているわけでもないので、なんで'滑らせ'?

でも、それこそがモータースポーツ、というか車の運転の究極の本質なんですよね。
第一声にしてその本質を的確に言い表した、本当に凄い人です。

その後の同乗走行が圧巻でした。鈴鹿の本コース(東)をDC5で定員一杯の5名乗車で走るのですが、そのトラクションのかかりの凄いこと。滑らせ系のはずですが、その時点で利用できるタイヤのグリップを100%全く無駄なく使い尽くしている、その後他のレーシングドライバの同乗走行も何人か経験しましたが、あれほどのドライブは他にありませんでした。
(ちなみに、同乗走行の最後、人数が半端になって、たった一人で山野さんのパッセンジャーシートで同乗走行を経験したのはうちの奥さんでした。なんと羨ましい。)

山野さん、お父さんの海外赴任で行ったアメリカで運転に興味を持った(高校生の頃)そうです。
毎日お父さんの帰宅後、自宅の車庫にスピンターンで車をどれだけ寄せて駐められるかに夢中だったとか。ってぶつけなかったんでしょうかね。
帰国後は上智で安全運転技術コンテストで優勝したことで自動車部に転部。ジムカーナマイスターの歴史はここから始まったんですね。以降のジムカーナでの戦歴は皆さん御存知の通り。

山野さん、人と競って走るのは好きではないそうです。
でもスーパーGTでは未だ前人未到のGT300 3年連続チャンピオン(しかも全て別チーム&車両)を獲得してますよね。なんで?

2004年、この年参戦のNSXは前年までGT500を走っていた車両で、1台だけGT400とも言われるほどアドバンテージがありました。
2005年、雨の最終戦鈴鹿。このレース観戦していましたが、激しく降る雨で何度も中断を繰り返していました。その中チャンピオンを争っていたMR-S(ドライバは中嶋一貴&田中哲也)がピットタイミングを誤り赤信号でピットから出られず。
2006年、最終戦富士。山野さん途中単独スピンしてチャンピオン獲得は絶望かと思われたのですが、なんと最終ラップ、この年チャンピオンを争っていた紫電が燃料切れで失速。

この年、参戦していたチームが予算不足で途中撤退を余儀なくされた谷口信輝さんの名言'ミラクルだよね、他人事だけどさ'が全てを物語っているような気がします。
今年はスーパー耐久にも参戦されていますが、予選時に人と一緒に(駆け引きしながら)走るのはやっぱり嫌なんだそうです。

そんな山野さんにとって、1台ずつタイムアタックするジムカーナは最適なフィールドなんでしょうね。
(ラリーもきっと合っているかも)

全然別の話なのですが、将棋の世界に最近圧倒的な勝率でタイトルを獲得し続けている藤井聡太という棋士がいます。
高校生でプロになった頃から地元の県なので色々と取り上げられるので分かったのですが、詰将棋が好きで、色紙を求められると自作の詰将棋を書いていたそうです。
この人の強さの秘密は実はここ(詰将棋)にあると私は思っています。

藤井聡太さん、終盤でミスをすることが非常に少ないそうです、なぜか。これは私の推測に過ぎないのですが、彼はこの時人と戦っているのではなく、詰将棋を解いているんだと思います。
人と戦うと、駆け引きとか、焦りとか色々あって、勿論そこで力を発揮するタイプの人もいるのでしょうが、冷静ではいられなくなります。でも、人と戦うのではなく、順次局面が変わる詰将棋を解いていると考えれば、人が見えなくなって冷静になれ、結果ミスも少なくなります。

山野さんも、同じように'(車での)詰将棋を解く'(そのサーキットに合った車を作り、その走り方を探究して最速タイムを得る)タイプの人なんだと思います。その状況に適した車をどのように作るのか、その車の特性を如何にして引き出すドライブするのか、それを考え続ける。だから速い。練習走行から、1本目2本目とほぼ確実にタイムを上げてきます。人と駆け引きするのではなく、問題を解いている。経験を分析し、それを超える方法を模索する。

この二人、似ていると思いませんか?

こんな山野さんに自分の車を運転してもらえるハンドリングクラブ
以前は予約が始まると同時に枠が埋まってしまい、参加するのも一苦労でした。
それが最近では定員割れになることが多いみたいで、なんと今週末(5/14)に開催される次回は'まだ余裕あり'。
雨予報ということもありますが、台数が少なければより多く走れますし、同乗走行の機会も増えます。
今回も2泊3日、往復1,000キロの距離をものともせず(ちょっと、いやとっても疲れますが...)参加します。

日帰りで参加できる関東の方(羨ましい...)、如何ですか?
今から申し込むと参加できない時に必ずキャンセル料が発生してしまいますが、参加して損はないと思います。
今年は開催の回数も少なく、今回を逃すと今年は残り3回(7,11,12月)しかありません。

なにせ他より3秒速い(初戦、2戦目とも2位に対して、1分ちょっとのジムカーナでこの差は圧倒的)ドライビングを横で体験できるのですから。

3/27の質問タイムで、次のコーナまでシフトアップするかどうか迷う時どうするか、という問いに対し、山野さんは、

シフトアップにはクラッチを切らないといけないので、その時に駆動力が切れる時間が発生する。駆動力が切れると4輪の面圧が不安定になるのでシフトアップ後の距離が短いならレブに当てたまま走ったほうが良い。駆動力をかけていれば面圧は安定しているのでコントロールできる。

と答えました。駆動力がぬけると挙動が不安定になるのはほとんどの人が経験上知っていることですが、これを(タイヤの)面圧に落とし込んで考える人は初めて見ました。
最初に戻りますが、車って、極低速の時を除き、全ての車輪がいつも大なり小なり色々な方向に滑りながら走っているんです。
極端に言ってしまえば、その滑りの程度をコントロールするのがドライビングなわけで、その意味で、山野さんは常に走りの根源を見ている、と言えると思います。

よくコーナリングがうまいドライバを'尻でGを感じている'とか言いますが、この人は'手足で4輪の面圧を感じている'んでしょうね。
画像は、アルピーヌを山野さんに乗ってもらった時のGセンサのグラフです。

ちなみに、私がアルピーヌを選んだのは、山野さんのこの評価で、です。
Posted at 2022/05/10 11:07:05 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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