18日にもてぎ南コースで開催されたハンドリングクラブ。走行も無事終え帰宅しようと車に乗り込むとエンジンが止まっています。走行後のクーリングのためにエアコンを掛けておいたはず。再始動を試みますが、クランキングはするもののエンジンは掛かりません。その後はみなさんと同じように'engine failer hazard'とその後'ignission error'の文字が。
この日だけ良く晴れて暑かったため、そのせいかと思い30分ほど放置して再度試みますが、やはり駄目。
ついにアシスタンスのお世話になることにし、パンフレットを見ながら電話しますが、ここで色々と分かったことがあるので、旅行中にトラブルが発生したケースについて詳細をまとめておきます。
最初はパンフレットどおり名前(これで車両は特定できるようです)、症状、場所を聞かれます。
'茂木のサーキット、南コース'と言った時に相手の態度が変わりました。
'サーキット内はサービスの対象ではありません。'
サーキットと言っても走行中でも直後でもなく、その後30分以上経過したアイドリング時のトラブルなのでと説明して、レッカーの手配をしてもらいます。しばらく待っていると連絡があり
'上席に相談した結果、やはりサーキット内はサービスの対象外'
納車時にそんな説明は受けていないと言っても、相手は'そう決まっている'の一言。
ならばどうすれば良いかと尋ねると、任意保険に付帯のロードサービスかJAFの利用を、とのこと。
電話を切って考えてみますが、ロードサービスを使うと積車が来るかどうかが不明。取説には'平台型トラックを使用'(もしくは4輪接地で最高速度25キロ、距離80キロまで)とありますから。また行き(サービス工場まで)は良いとしても帰り(引き取り若しくは陸送)までを考えると保証費用(私の保険では20万まで)で足りるかどうか分かりません。JAFについては会員ではないのと、例え会員でもロードサービスと同じ問題は残ります。
どうしようかと思いながらアシスタンスのパンフレットを読み返してみます。
適用除外条項の中に確かに
レースやラリーなどスピードや耐久性競技への参加、また、それらの練習による事故や破損。
という記述はありますが、場所がサーキットだと駄目、とは書かれていません。
(そもそも事故とか破損とか、クラッシュが対象みたいな書き方ですし)
そこで再度電話し、サーキットは駄目、というのはどこに書かれているのか尋ねてみます。
案の定、上記の項目がそうだ、という回答だったので、文面を見る限りどこにも場所がサーキットだと駄目とは書かれていない。私はレースにもラリーにも参加していないし、その練習をしていたのではない。文面通りの解釈をするべきでは、と話して、また上席の見解を待ちます。
その間、ディーラからもアシスタンスへプッシュして頂いたのですが、アルピーヌ・ジャポンが休日で結論が出せないため、仮適用、ということで、もしかしたら最終的には補填されないかもしれない、という条件でレッカーの手配をしてもらいました。
ディーラの営業担当さんには、駄目だったらゴネますよ、と予め伝えてあります。サーキットが駄目、というのは明らかな拡大解釈ですし、サーキット走行が対象外だとすると車の魅力が半減(以上かも)してしまいます。半ば自己否定みたいなものですよね。
車の問題が解決したら、後は乗員です。アシスタンスのサイトには、'いつでもどこでも無償でフルサポート'と書かれていますが、実態は程遠いことが分かりました。
帰りに宿泊する場所(高速上)を予約してあるのでレンタカーの手配を希望したのですが、3連休中ということで空車無し。
自分で手配した場合は対象外ということで、選択肢から外れたのですが、結果的にはこの方が良かったようです。
パンフレットのレンタカーの項目をよく読むと、'配車料金や乗り捨て手数料は原則として加入者負担'と書かれています。
乗り捨て手数料、ざっと調べてみると10キロあたり900円見当のようです。500キロだと...45,000円!! 遠距離では使えません。
となると残りは公共交通機関
私の場合には、タクシーの利用については言及されませんでした。レッカーに同乗させてもらい公共交通機関の駅まで送ってもらえ。その後については指定席は不可(全席指定の場合のみ可)。途中で移動できなくなって宿泊した場合でも宿泊費用は出ない。出るのはあくまで交通費のみ、ということでした。
パンフレットには、条件付きですが、宿泊のパターンも書いてあります。自宅から100キロ以上で他の交通機関が利用できない場合に限定される、とのことですが、今回は該当します。ホテルツインリンクは見えています。
但し、これを使うと使えなくなるものが2つあります。
一つは以降の交通費のサポート。まあこれはパンフレットにも明記してあります。
もう一つ、これを使ってしまうと、修理完了車の引き取り、搬送のサポートが受けられなくなるんです。
確かに宿泊のサポートには'修理を待つため'と書かれている(但し待つうちの2泊までが補填)ので、解釈としては合っていますが注意が必要です。
さて、レッカーが到着し、念のため再始動してみますが、皆さんの場合とは異なり症状は変わりません。クランキングはするものの、エンジンは掛かりません。もしかするとこれは新しいパターンかもしれません。
積み込みが終わりましたが、同乗は感染症対策で現在は禁止(!!)されているそうです。
さてどうする? 上で書いたように、ここで宿泊サポートを受けてしまうわけにはいきません。
自腹で宿泊して、明日茂木から帰るしかないか。(当日だと既に茂木からは自宅までたどり着けない時刻でした)
結局、親切な方に宇都宮駅まで送って頂け、更に運良く当日中に自宅まで帰り着ける最終の新幹線に本当にギリギリで間に合い、日付が変わる頃にメットをぶら下げて自宅に帰ることが出来ました。
これが、'いつでもどこでも無償でフルサポート'の真実です。
詳細を見ると、かなり、というかとても渋めで、フルサポートはちょっと言い過ぎでは? と思えます。
繰り返しになりますが、私の場合には、交通手段の選択肢としてタクシーは提示されませんでした。確かに最寄りJR駅の宇都宮まで40キロ1万超えですが、総額5万までは補填範囲のはず。提示されたのはレッカーへの同乗。それも正式なサービスではなく、レッカードライバの厚意を期待する形。
確かに運営会社(実態はプレステージ・インターナショナルという会社がジャポンと契約して運営しています。ここは他メーカや損保のロードサービスも代行しており、レッカーはここと契約した会社若しくは自社からくるようです)からすれば、アルピーヌはトラブルが多いので、当初の見込み以上に利用者が多く、ほとんどペイしていない、どころか大赤字なのかもしれませんが、この皺寄せをユーザに向けるのは見当違いのはず。
この辺り、どうしてこのような対応になったのかは、今後追求したいと思います。
ということで、現状、サーキットでの走行、公共交通機関では宿泊をしないと自宅まで戻れないような長距離旅行でのトラブルについては、アシスタンスが利用できない可能性がある、利用できたとしても適用される範囲に大きな制限がある、という問題が存在することが分かりました。
トラブルの頻度が他車に比べて大きいアルピーヌにとっては、結構致命的な問題かもしれません。
果たしてアシスタンスが適用されるのか、その場合遠方のディーラ(今回は水戸)からの引き取りの実態がどのようになるのかは、追って書きたいと思います。
アルピーヌで全日本ジムカーナを戦っている山野さんにも、帰りがけに心配して声を掛けて頂いたので、オルタネータと燃料ポンプのトラブルが頻発していることはお伝えしておきました。決勝ヒートの間でこんなトラブルが出たら、如何にサスやブレーキのセッティングに精通したスタッフでも手が出せないですから。戦場で突然銃が使えなくなるのと同じことですよね。