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2023年01月01日 イイね!

アルピーヌ、ガソリンの温度が上がるのは何故なのか

やっと燃料ポンプのリコールも発表されました。がtech performさんの言われるように、これは燃料の温度が燃料ポンプを破壊する程想定外に上がってしまうことに対しての根本的な解決策ではなく、あくまで対症療法に過ぎません。

この燃料ポンプで絶対問題ないのか、そもそも標準的な燃料ポンプでは耐えられない程の温度になって大丈夫なのか、何も答えが出されていはいない状態です。
(トヨタやホンダの同じdenso製の燃料ポンプのリコールと一緒にされることがありますが、あちらは製造時の管理の問題で不良品質[ガソリンを含んで膨張!!]になったしまったためであり、一定の品質は確保できている今回の問題とは全く別です。)

そもそも、何故アルピーヌだけガソリンの温度が上がってしまうのか?

これに対しては、今のところ2つの見解が示されています。
一つは、tech performさんの解釈を代表とする、ラジエタの排熱、燃料タンクの下を通るエンジン、インタークーラの冷却パイプの熱に依る、という説。
もう一つはpersecさんがずっと主張されているエンジンから戻る(エンジンルームで加熱された)ガソリンに依る、という説。

ここでは、 これら2つの見解について具体的に検証してみたいと思います。
長くなりそうなので、まずはpersecさんの'エンジンから戻る高温のガソリンが原因'という説について。

エンジンから何故ガソリンがタンクに戻るのか? 不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
これは電動の燃料ポンプを使う車両において、燃料の消費量が一定でない(アイドリングやエンジンブレーキ時には減る、特に過給圧の高いターボ車では消費する燃料の量が特に大きく変化する)ため、多めの燃料を流して、使われなかった分は燃料タンクに戻す、という仕組み(フューエルリターン)のためです。
ここで、燃料消費が少ないアイドリングやエンジンブレーキ時については、プレッシャーレギュレータという吸気マニホールドの負圧を利用する機器を使って検知していたため、一度エンジンまでガソリンを送り、そこから戻す必要がありました。

が、ガソリンタンクに高温のガソリンが戻ることによる発生する気化ガソリン(通常時にも発生するため、活性炭によりこれを吸着するチャコールキャニスタが装備されています)が問題になったり、またコストの問題から、最近ではリターンパイプのない'フューエルリターンレス'システムが一般的になっています。
この場合、プレッシャーレギュレータは燃料ポンプ内に内蔵されています。インジェクターの性能が上がり、燃料が負圧によって吸い出されてしまうような事態がなくなったとすれば、プレッシャーレギュレータが吸気マニホールドの近くにある必要はないわけで、それもリターンレスの普及につながっているのではないかと思います。

調べていく中で、ターボシステムではリターンレスでは燃圧が不足するのでフューエルリターンの方が適していると説明しているサイトがいくつかありましたが、ターボが効いて吸気マニホールド内が正圧になる時にはプレッシャーレギュレータによって燃料流路にその圧力を加えられるという誤った説明がなされているため、これらのサイトの説明は信頼できないと思われます。
実際、リターンレスシステムを採用しているS660のパワーアップキットでは、燃料ポンプ内のプレッシャーレギュレータを交換する(かなり大変な作業のようですが)ことによって、燃料噴射量の増加に対応しています。
そもそも気筒内噴射のための高圧が必要な直噴エンジンでは、燃料タンク内の低圧ポンプの他に高圧ポンプも存在するので低圧ポンプによる燃圧なんてそれほど気にする必要もないわけですし。

さて、アルピーヌがフューエルリターンなのかリターンレスなのか、問題はここなのですが、決定的な証拠は得られていません。同じルノーのカングーの燃料ポンプがレギュレータ内臓であることを考えれば、それより設計が新しいアルピーヌならばリターンレスになっているのが妥当なのですが、アルピーヌの燃料ポンプの写真を探しても内蔵されたプレッシャーレギュレータを確認できるものはありませんでした。また通常そのような燃料ポンプに内蔵されている燃料フィルタがアルピーヌでは外付けになっていることも、もしかしたらフューエルリターンを採用しているのでは? と思わせる原因になっています。

が、調べていくうちにアルピーヌの燃料タンク単体の写真を見つけることができました。

この写真を見ると、燃料ポンプが装着される部分を除くとパイプが装着できるような場所は3つ。
車両に装着した時に右側になる最も太いものが給油パイプが装着される場所で、後方になる次に太いものは給油時の空気抜き用。
(これは一緒に写っている給油パイプを見れば分かります。)
残りはタンクの上部にある1箇所だけですが、燃料タンクには気化ガソリンを吸着するチャコールキャニスタの装着が必須なので、これはそのためと考えられます。(最も高い位置、というのも気化ガソリンを集めるには最適な場所です。)
そうすると、もしフューエルリターンの場合には、リターンパイプは燃料ポンプ自体に設置しなくてはならず、確かにタンク自体に手を加えられない改造システムでは燃料ポンプにリターンパイプの受け口を設けているものもありますが、最初からより温度的に負荷を増やすような設計にはしないと思われるので、消去法的にではありますが、タンクの状況から見るとやはりリターンレスなのではないかと思われます。

とは言っても、アルピーヌの燃料ポンプにはパイプが接続できる場所が2つあります。細かい部分が見える写真はなかったのですが、カングーのポンプの写真を見るとやはり2つあり、それぞれに矢印が刻印されています。そしてその矢印は一方がポンプから出る方向、もう一方はタンクへ戻る方向になっているのです。カングーの場合には戻る方にはパイプは接続されていないことはいくつかの写真からわかっています。
が、アルピーヌについては燃料ポンプにハイプが接続された状態での写真が全く見つからないので、可能性としてはここにリターンパイプが接続されていることも有り得ます。なので、現状としては種々の状況からするとリターンパイプレスの可能性が大きいが、フューエルリターンを否定できる決定的な証拠は見つけられていない、ということになります。

# 燃料ポンプを実際に交換したり、燃料タンクを降ろしたりした人ならば簡単に分かることなのですが...
Posted at 2023/01/01 13:34:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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