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2023年04月06日 イイね!

貴島さんと山野さん

1年ほど前、アルピーヌでハンドリングクラブに参加するにあたり、ミッドシップレイアウトの車のコントロールを理解すべく、色々な、いわゆる'ドラテク(ドライビングテクニック)'に関するサイトを見て回りました。
今までも、荷重移動が、とかGが、とか摩擦円が、等々色々なサイトや雑誌の記事を読んできましたが、ここに至って、やっと信頼すべきサイトが見つかりました。
貴島ゼミナール
言わずと知れた、RX-7からロードスターまでサスペンションを担当された方が本当に理論的に時に実際の数値を使って計算しながら説明してくださっているサイトです。
確かに数式が並んで取っ付きにくいのですが、他のサイトの多くが如何に'理論的'と言いながらも実は理論的でなかったのかが本当によく分かりました。

山野さんも、ブリジストンのサイトを始め、いくつかのサイトにドライビングテクニックに関すして書かれています。
貴島さんのサイトと同じ頃に見つけたのが、アバルトで書かれた記事。その頃山野さんはabarthでジムカーナを戦っていたからですね。
興味深いのが、貴島さんと山野さん、書かれている内容がとても良く合致するんです。
言葉は違いますが、理論的な側面からと実際の走りの側面から説明されていて、両方から見た内容が一致するなら、こんなに信頼性の高いことはありません。

そんな山野さんのサイト、3月のハンドリングクラブで理解が出来たと思った後に読み返してみると、改めて内容が良く分かります。
ただし、一部わかりにくい(私は混乱しました)表現があるので説明してみます。

ブレーキングの初期は100%の力でペダルを踏み込み、そこから半分くらいまで緩めるという話をしましたが、それは前よりに寄った旋回軸を中心に戻してやるためです。旋回軸が前よりに寄った状態でそのままステアリングを切り込むと、旋回軸が後ろに行ってしまいます。その結果、アンダーステアが出てしまいます。

ぱっと見、前荷重の方が前輪に発生するcfが大きいのでnspは前よりになり、車はオーバーステア気味にコーナリング出来るんじゃないか、何故そこでnspが後ろに行ってアンダーステア? って思ってしまいます。が、

車がコーナリングできるのは、ステアリングを切ることにより前輪にスリップアングルがつき、それにともなってcfが発生し、その結果後輪にもスリップアングルがついて、同じようにcfを発生させるため、でした。
フルブレーキング時、タイヤのグリップは前後方向に対して殆どが使われています。この時ステアリングを操作してもフロントタイヤにはcfは殆ど発生せず、結果車はコーナリング出来ません。(貴島ゼミナールの12、最大摩擦円の部分)
ブレーキを緩めればcfは発生しますが、通常時に比べればその大きさは小さいです。
ここでステア量が足りないと思ってしまいステアリングを大きく切ってしまうと、cfと言うのはスリップアングルが付きすぎても減少してしまうので、結果cfのバランスが後輪寄りになり、nspが後方に移動して、アンダーステアになる、ということだと思います。

もう一つ、みん友のMoo-sanさんがブログに寄せてくれたコメントで、同じ3月のハンドリングクラブで山野さんから

クリッピングポイントより前でスピン状態にもっていける位が正解!

と言われた、とありました。これがどういうことなのか説明してみます。

スピン状態、と言うのはオーバーステアということです。
ということは、nspは重心よりも前方にあることになります。

ここでニュートラルステアに持って行くには、nspを後方に持っていく必要があります。
そのためには

ブレーキを弱める(もしくはアクセルを踏む)ことによってcfのバランスを後方寄りにする
ステアリングを戻して前輪のcfを減らす

のどちらか、もしくは両方の必要がありますが、cp(クリッピングポイント)まで減速を続けている(しかもステアリングを切る量が増えるにつれてブレーキングは弱くしている)のですから、必要なブレーキ操作は既に行っています。
ステアリングを戻す、と言うのは(弱い)カウンタを当てることですから、車がオーバーステアになった時には自然な挙動です。
現象に対して必要な操作が決まっている、また自然に行えるので、対応には迷う必要がありません。

それに対して、cpより前でアンダーステアになった状況、と言うのは
nspが重心よりも後方にある、ということなので、
これをニュートラルステアに持っていくためには、nspを前方に持っていく、すなわち

ブレーキングを強めることによってcfのバランスを前方寄りにする
ステアリングを切り足して前輪のcfを増やす
先程説明した、ステアリングを切りすぎている状態でもアンダーステアになるので、この場合にはステアリングを戻す

のどれか、の必要がありますが、本来このタイミングではステアリングを徐々に切り増している状況で、それに伴いブレーキは弱める方向になっているはずです。ここでブレーキを強めなくてはいけないということは、それまでの一連の動作を止めてしまう事になり、コーナリングに失敗してしまっている(以降はリカバリ)、ということになります。
ステアリングを切り過ぎているのも、既に説明したように、やはりコーナリング失敗ですね。

ステアリングを切り足してcfを増やすことで対応できる場合のみコーナリング失敗ではない、と言えますが、最初からこの状況に狙って持っていくのは、オーバーステア気味に持ち込むのと比較すると、かなり難しいと思われます。というか、これが出来たらほぼ完成形になっているのでは?

ということで、先の言葉で山野さんは

コーナリングの最初はオーバーステア気味に入れば、(不安定な状態を)ブレーキとステアリングでコントロールしてニュートラルステア状態を維持するのがやりやすいよ、と語られていて、これは私に対するコメントとも共通しているのではないかと思います。
Posted at 2023/04/06 10:34:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2023年03月31日 イイね!

改めて、ハンドリングクラブとは

去年は結局4回行った(内プラスが1回)ので、今年は鈴鹿南で練習をと思っていたのですが、3月に通常とプラスが連続開催だったので行ってきました。(せっかく500キロ走っていくのですから2日走れた方が効率的)
2日連続は良いですね。間が空いてしまうと、せっかく前回得られた感覚をすっかり忘れてしまい、思い出すのに午前中ぐらいかかってしまい、午後になってやっとスタート、みたいな感じになってしまいますから。

今回、初日(ハンドリングクラブ)は同乗走行時にセンターディスプレイにスロットル開度とブレーキ踏力を表示させて見ていたのですが、まさかここまで、という数値でした。スロットル開度は100%になっている時間が非常に多くて、これは今までも分かっていたのですが、驚きはブレーキ踏力。ストレートからのフルブレーキ時にはなんと80気圧(ディスプレイの表示がbarなので。約80kgfですね。レーシングドライバがレーシングカーに乗った時の踏力が100kgfと言われますから市販車ではこれ以上は無理かも)ぐらい、しかも瞬間的に、一気にこの数字が表示されるんです。

アルピーヌに乗っていらっしゃる方(マイナー以降の方は無理かな? タコメータの中央にブースト圧と一緒に表示される方は残っているかも)は、是非どれぐらい踏むとこの数字が表示されるか試してみてください。本当に蹴飛ばすような勢いで満身の力を込めて踏まないとこの数字は出ません。これを毎回なんでもないことのように平然とやっているのですから凄いです。

ストレートエンドでのフルブレーキは、サーキットドライビングの基本なので、色々な場面で練習をしてきて、ちゃんと出来ていると自分では思っていたのでショックだった反面、山野さんの同乗走行で感じていた'違う'感じの一部が分かった気がしました。
踏力の数値なんか見なくても感覚で分かるだろ、というのは確かにその通りなんですが、同乗走行と自分がドライブするのとでは、ステアリングの存在のせいなのか、感じ方がちょっと違うんです。(言い訳ですが)

その後の自分の走行ではブレーキ踏力の表示を意識して踏んでみます。確かに車の挙動が変わります。少し気を抜くと昔のブレーキングに戻ってしまって、そうすると一気に挙動のメリハリがなくなるので直ぐに分かるのですが、踏み続けるのはなかなか難しいです。逆に、この踏力は無駄ではない(ブレーキの効きがサチっている訳ではない)ことはこれで明らかになりました。

翌日は(ハンドリングクラブ)プラスです。プラスの特徴は逆同乗。山野さんが助手席でアドバイスをしてくれます。
左回りでの同乗は最初の枠でしかないので、早速昨日の成果を試してみます。結果は

フルブレーキについて踏力はok。ただしそれ以降のブレーキングでcp(クリッピングポイント)の速度が高い、もっと減速して良い。ここで減速すればフルブレーキの開始点をもっと遅らせることができる。

というものでした。ちょっとわからないところもありましたが、次の右回りの枠での逆同乗ではっきりしました。
ブレーキングの開始点をもっと遅く、という走行途中のアドバイスで実践したところ、コーナリングが不安定になり車がスライドを始めましたが、それで良い、それが次のステップに進んだ証拠、と言われたのです。

コーナリングの理想はニュートラルステア、ということはよく言われます。
ニュートラルステアって何でしょう。アンダーステアでもオーバーステアでもない状態、それはそのとおりですが、そもそもアンダーステア、オーバーステアって何なんでしょう。
ステアリングの舵角よりも膨らむのがアンダーで、より切れ込むのがオーバーですが、それは現象を説明したに過ぎません。

極低速以外でのコーナリング時には車は前輪だけではなく後輪でも向きを変えています。4輪操舵ではなくても、です。
詳細は、ここ(の特に1112)を見ていただくとして、車がコーナリングできるのは、前輪をステアすることによって前輪後輪それぞれにスリップアングルがつき、それによって発生するcf(コーナリングフォース)が遠心力と釣り合うためです。
車の重心点を含むホイールベースと同じ長さの直線を、その時の前輪後輪それぞれのcfの逆比で分割した点をnsp(ニュートラルステアポイント)と呼び、車はこの点を中心としてコーナリングしようとします。当然nspは固定されたものではなく、車の挙動により前後(厳密に言えば左右にも)に移動します。
nspが重心よりも後方にある時、遠心力は重心に働くので、前輪が外側に膨らみます。これがアンダーステアです。
逆にnspが重心よりも前方にある時、後輪が外側に膨らみ、オーバーステアとなります。
ニュートラルステアとは、nspが重心と一致した状態になります。

この時、前輪の操舵量は前輪と後輪のスリップアングルの和に等しくなり、車は前輪後輪のcfの向きのベクトルが交わる点を中心として内輪差のない円周運動を行います。(前輪後輪のスリップアングルが同一になると説明しているサイトがありますが、これはニュートラルステアの必要条件ではありません。重量比が50:50でタイヤのサイズが同一の場合、しかも加減速がない状態でそうなる、というだけです。)
山野さんが'コーナリングの理想は電車だ'と言われるのはこのことを指しています。(正確にはボギー台車を持つ車両ですね。)
この時に車が最も無駄なくコーナリングできるからです。

私も確かにそれを求めてコーナリングしていたのですが、その速度がサーキットレベルとしては低かった、あくまで一般路でのニュートラルステアを目指していたに過ぎなかった、ということです。
cpで速度が高い、というのは逆同乗で良いところを見せたいという気持ちが暗に働いてフルブレーキ後の速度が速すぎただけだったのだと思います。
最初のフルブレーキングで、コーナリング中に車が確実にグリップするレベルまで減速し、その速度内でニュートラルステアを求めて荷重をnspに維持するようなドライビングを目指していたのですが、実際には、コーナリング中にももっと減速しろは残っていて、コーナリング開始時の速度はもっと速くても良かった。当然コーナリングには車は不安定になるが、不安定でもタイヤのcfの限界まではまだ余裕があるので、その不安定さを逆に利用してニュートラルステアを求めるのがサーキットドライビング、というわけです。

昼からの左回りは同乗なし。フルブレーキをきっかけに不安定な状況を作り出しますが、当然その後のコントロールはまだまだです。オーバーめになることが多かったでしょうか。最後の右回り、再び逆同乗をお願いし、今日の評価をもらいます。

フルブレーキングのタイミングにはばらつきがある。コーナリング中にオーバステアになりかけたらきちんとカウンタを当てたほうが良い。カウンタを当てる癖をつけたほうが先々巻き込んでコースアウトしたりしなくなるから。

まだまだブレーキングでしか姿勢制御を試みていなかった、ということですね。前輪のcfはステアリングの切角でも変化します。レーシングドライバがコーナリング中ステアリングを微妙にコントロールしているのは、やはりニュートラルステアの維持のためなんですね。(ダウンフォースが強い車でのドライブはもっと異なるものだと思います)
でもここまでは、まだコーナの入り口からcpまでの話です。cpからは今度はアクセルとステアリングでcfの限界でニュートラルステアを維持するようなドライビングが必要で、ここはまだ全く未知の領域です。

ということで、今年の計画が決まりました。姿勢が不安定になる状況でのコントロールはサーキットでは練習できず、このもてぎ南コースで練習するしかありません。鈴鹿南はおあずけで、できる限りもてぎに通うことにします。

帰宅後早速既に受付が始まっていた4/23のハンドリングクラブの申し込みを済ませました。6/17についても宿の確保を先行して進めています。その後は9月ですね。5月と7月のプラスは連休なので難しいかな。11月には再びハンドリングクラブとプラスが2日続きであるので、ここで1年の総まとめをしたいと思います。(以降は途中降雪の可能性が出てくるので無理です。11月も実は結構危険)

ニュートラルステア、重心をnspに一致させるコーナリング。言葉では簡単ですが、車の姿勢制御は複雑です。基本はブレーキ、アクセルとステアリングですが、実際にはサスペンションのジオメトリとかが関係してくるので、車の特性の理解が重要になります。
その際、ミッドシップレイアウトで重量バランスに優れ、しかも4輪ダブルウィッシュボーンでサスペンションの挙動が素直なアルピーヌはとても強力なパートナだと思います。

ハンドリングクラブのキャッチコピーとして、駐車場に白線でコースを書いただけなのでコースアウトやスピンしても大丈夫、と良く言われます。コースアウトはともかくとしても、スピンなんで無茶な運転しなければ無縁だろうと思っていたのですが、このスピン、決して無理な運転に由来するものではなく、cfの限界でニュートラルステアを求めて車をコントロールする中で失敗してオーバーステアに陥ったことに由来するスピン(失敗してアンダーステアになれば膨らんで最悪コースアウト)だった、ということですね。ハンドリングクラブが何故'ハンドリング'クラブなのか、やっと分かったのは遅すぎでしょうか。
Posted at 2023/03/31 02:52:01 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2023年01月01日 イイね!

アルピーヌ、ガソリンの温度が上がるのは何故なのか

やっと燃料ポンプのリコールも発表されました。がtech performさんの言われるように、これは燃料の温度が燃料ポンプを破壊する程想定外に上がってしまうことに対しての根本的な解決策ではなく、あくまで対症療法に過ぎません。

この燃料ポンプで絶対問題ないのか、そもそも標準的な燃料ポンプでは耐えられない程の温度になって大丈夫なのか、何も答えが出されていはいない状態です。
(トヨタやホンダの同じdenso製の燃料ポンプのリコールと一緒にされることがありますが、あちらは製造時の管理の問題で不良品質[ガソリンを含んで膨張!!]になったしまったためであり、一定の品質は確保できている今回の問題とは全く別です。)

そもそも、何故アルピーヌだけガソリンの温度が上がってしまうのか?

これに対しては、今のところ2つの見解が示されています。
一つは、tech performさんの解釈を代表とする、ラジエタの排熱、燃料タンクの下を通るエンジン、インタークーラの冷却パイプの熱に依る、という説。
もう一つはpersecさんがずっと主張されているエンジンから戻る(エンジンルームで加熱された)ガソリンに依る、という説。

ここでは、 これら2つの見解について具体的に検証してみたいと思います。
長くなりそうなので、まずはpersecさんの'エンジンから戻る高温のガソリンが原因'という説について。

エンジンから何故ガソリンがタンクに戻るのか? 不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
これは電動の燃料ポンプを使う車両において、燃料の消費量が一定でない(アイドリングやエンジンブレーキ時には減る、特に過給圧の高いターボ車では消費する燃料の量が特に大きく変化する)ため、多めの燃料を流して、使われなかった分は燃料タンクに戻す、という仕組み(フューエルリターン)のためです。
ここで、燃料消費が少ないアイドリングやエンジンブレーキ時については、プレッシャーレギュレータという吸気マニホールドの負圧を利用する機器を使って検知していたため、一度エンジンまでガソリンを送り、そこから戻す必要がありました。

が、ガソリンタンクに高温のガソリンが戻ることによる発生する気化ガソリン(通常時にも発生するため、活性炭によりこれを吸着するチャコールキャニスタが装備されています)が問題になったり、またコストの問題から、最近ではリターンパイプのない'フューエルリターンレス'システムが一般的になっています。
この場合、プレッシャーレギュレータは燃料ポンプ内に内蔵されています。インジェクターの性能が上がり、燃料が負圧によって吸い出されてしまうような事態がなくなったとすれば、プレッシャーレギュレータが吸気マニホールドの近くにある必要はないわけで、それもリターンレスの普及につながっているのではないかと思います。

調べていく中で、ターボシステムではリターンレスでは燃圧が不足するのでフューエルリターンの方が適していると説明しているサイトがいくつかありましたが、ターボが効いて吸気マニホールド内が正圧になる時にはプレッシャーレギュレータによって燃料流路にその圧力を加えられるという誤った説明がなされているため、これらのサイトの説明は信頼できないと思われます。
実際、リターンレスシステムを採用しているS660のパワーアップキットでは、燃料ポンプ内のプレッシャーレギュレータを交換する(かなり大変な作業のようですが)ことによって、燃料噴射量の増加に対応しています。
そもそも気筒内噴射のための高圧が必要な直噴エンジンでは、燃料タンク内の低圧ポンプの他に高圧ポンプも存在するので低圧ポンプによる燃圧なんてそれほど気にする必要もないわけですし。

さて、アルピーヌがフューエルリターンなのかリターンレスなのか、問題はここなのですが、決定的な証拠は得られていません。同じルノーのカングーの燃料ポンプがレギュレータ内臓であることを考えれば、それより設計が新しいアルピーヌならばリターンレスになっているのが妥当なのですが、アルピーヌの燃料ポンプの写真を探しても内蔵されたプレッシャーレギュレータを確認できるものはありませんでした。また通常そのような燃料ポンプに内蔵されている燃料フィルタがアルピーヌでは外付けになっていることも、もしかしたらフューエルリターンを採用しているのでは? と思わせる原因になっています。

が、調べていくうちにアルピーヌの燃料タンク単体の写真を見つけることができました。

この写真を見ると、燃料ポンプが装着される部分を除くとパイプが装着できるような場所は3つ。
車両に装着した時に右側になる最も太いものが給油パイプが装着される場所で、後方になる次に太いものは給油時の空気抜き用。
(これは一緒に写っている給油パイプを見れば分かります。)
残りはタンクの上部にある1箇所だけですが、燃料タンクには気化ガソリンを吸着するチャコールキャニスタの装着が必須なので、これはそのためと考えられます。(最も高い位置、というのも気化ガソリンを集めるには最適な場所です。)
そうすると、もしフューエルリターンの場合には、リターンパイプは燃料ポンプ自体に設置しなくてはならず、確かにタンク自体に手を加えられない改造システムでは燃料ポンプにリターンパイプの受け口を設けているものもありますが、最初からより温度的に負荷を増やすような設計にはしないと思われるので、消去法的にではありますが、タンクの状況から見るとやはりリターンレスなのではないかと思われます。

とは言っても、アルピーヌの燃料ポンプにはパイプが接続できる場所が2つあります。細かい部分が見える写真はなかったのですが、カングーのポンプの写真を見るとやはり2つあり、それぞれに矢印が刻印されています。そしてその矢印は一方がポンプから出る方向、もう一方はタンクへ戻る方向になっているのです。カングーの場合には戻る方にはパイプは接続されていないことはいくつかの写真からわかっています。
が、アルピーヌについては燃料ポンプにハイプが接続された状態での写真が全く見つからないので、可能性としてはここにリターンパイプが接続されていることも有り得ます。なので、現状としては種々の状況からするとリターンパイプレスの可能性が大きいが、フューエルリターンを否定できる決定的な証拠は見つけられていない、ということになります。

# 燃料ポンプを実際に交換したり、燃料タンクを降ろしたりした人ならば簡単に分かることなのですが...
Posted at 2023/01/01 13:34:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年10月16日 イイね!

tech performさんからクーリングアンダーフロアも発売されますね


実はこの製品の発売でラジエータークーリングパネルの位置づけが少し分からなくなりました。
ラジエータークーリングパネル、見た時に期待できると思いました。
アルピーヌではクロスメンバとラジエタの間の隙間から熱気がボンネット下に充満し、それが上面から燃料タンクの温度を上げる。
その対策として、そこを塞ぐことでボンネット下の空間を独立させる。
この空間には先端のホーンの下の穴から空気を導入し、燃料タンクの隙間からアンダーフロアに抜くことで、空間と燃料タンクを冷却する。
そんな感じだと思っていました。

そこにクーリングアンダーフロアの発売です。
ラジエータークーリングパネル単体での装着では、ボンネット下の空間の冷却は十分ではなかったということでしょうか?
元々の構造ではアンダーフロアへの空気の流れが良くないとすると、前方からの空気は元々タンク手前の隙間から(上方ではなく)下方へ流れていて、下から熱気が上がってくることはなく、ボンネット下の空間の温度(空気の温度)はそこまで高くなかったのではないか? という疑問が湧いてきます。
ラジエータークーリングパネルによる効果は、空間を独立させたことに依るのではなく、ラジエタからの輻射熱をブロックした(パネルの裏側はグラスファイバー熱反射処理となっています)ことに依るのではないか? こんな風に考えるようになりました。

輻射熱の影響が大きいのではないか。もてぎで燃料タンクに水を注いで冷却した時に結果的にアンダーパネルと前方の遮熱板も冷却したこととなり、思いの外効果が大きかった時から思い始めたことです。
ボンネット下のトランクがラジエタの輻射熱で熱せられると、トランク自体が熱を発することになり、周りの燃料タンクやバッテリを加熱してしまいます。
そこで、違った形でトランクへのラジエタからの輻射熱を防ぐ方法を考えます。
最初耐熱アルミガラスクロステープを貼ることを考えた(通常のアルミテープでは粘着剤が熱に弱いらしい)のですが、フロントトランクを外したことがある方はご存知のように、底面は格子状のリブになっているため粘着剤が無駄になる割合が多いですし、異物が付着する可能性もあります。
なので、トランク下部(外部)にアルミホイルを貼り付けることにしました。(こちらの方が反射率も高そう)
今回は熱反射が目的なので、断熱材は必要ありません。当初台所用のアルミホイルを使うことも考えたのですが、あまりに薄く、何らかの原因で破れた時の破片が周りに悪影響を与える可能性があるため、BBQ用の厚み60ミクロン(台所用の4倍)を使うことにします。固定するテープは上述の理由から耐熱アルミガラスクロステープです。

これならば、トランクの下の空間(実は結構間があいています)に影響を与えることもありません。
温度計の子機はまだ2台ありますので、トランクに入れて反射材なし/ありでの温度変化を測定する予定です。

そろそろモニタの方のレポートも上がってくる頃ですね。それも参考にしながら、なにが効果があるのかを確かめてみたいと思います。
Posted at 2022/10/16 02:24:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2022年10月13日 イイね!

温度計を設置してハンドリングクラブへ

結局トランクを装着しての同一ルートの走行は時間の関係で出来ず、データは10/1(当初予定の10/2から変更)のハンドリングクラブへの参加時に確認しました。

出発は9/30。平日で高速の割引がないため、岡谷までは途中中津川から19号を走行します。走行しながら時々チェックしてもらっていたのですが、一般道、高速ともプローブが大体60度で安定、本体はトランクの無い時と変わらず、やはり30度台でした。天候は晴れ。気温も前回よりは高いので条件は違いますが、本体の温度があまり変わらないことを考えると、10度の差の多くはトランク装着によるものと言えると思います。(本体を入れたヒューズボックスは先端から入った走行風により冷却される?)

但し、エンジン停止時には逆に本体のほうが温度が上昇しました。プローブは60度台でしたが、本体は測定範囲(プローブに対して低く70度まで)を越えてしまいましたから、70度以上、ということになります。
これは、トランクが下にあるラジエタの熱を受けて過熱し、その影響をヒューズボックスも受けたと説明できます。
(トランクのない時は本体温度は40度ぐらいまでしか上がらなかった。)
この時はトランクの温度はチェックしませんでしたが、ハンドリングクラブの走行の間にトランクに触れた時には手で触れない程の温度になっていました。

さて、ハンドリングクラブです。今回は'プラス'で参加人数がmax26台のところ当日は22台。30分間2グループに分かれて走行するのですが、同乗走行待ちの車が出るため、走行して戻ってくると即スタートという感じで30分走行しっぱなしの状況でした。通常のハンドリングクラブは走行時間20分。台数もmax45台の3グループで前回は確か39台ぐらいだったので、負荷としては今回のほうがかなり大きい状況です。
午前2回、午後2回の走行でしたが、やはり午後のほうが温度は上がります。午後の走行ではプローブの温度、最初が70度、次が68度まで上昇しました。最初の方が温度が高かったのは、この枠だけ同乗走行がなく、僅かですがスタート待ちの停止時間があったことが原因かと思われます。(こちらに気を取られて本体の温度はあまり覚えていないのですが、40度台で収まっていたと思います。それほど走行時は止まるんじゃないかとドキドキでした。)

そんな状況なので、走行終了後はすぐにボンネットを開けます。トランクを外していないので直接外気に晒すことは出来ませんが、閉じてあるよりは(トランクを通して)少しは熱を放出できるだろうと考えてのことです。
ミッドシップなのに、エンジンベイではなく(何もない)ボンネットを空けているのは外から見ていると'?'だとは思うのですが、水温、油温はほとんど上がっていないのでエンジン冷却については問題なしと判断して、更にハッチを開けないほうがエアがきれいに流れるのではないかと思ったのです。

それでも不安なので、空になったペットボトルに水を汲んできて、パッセンジャー側のワイパー前のパネルのネット状になった部分から注ぎました。
この部分、エアコンの外気取入口だそうです。(tech performさんに教えて頂きました。)
前回私が見つけたゴムのホースは水抜きのためにあるそう。(ボンネット下の熱い空気を吸わないために弁がある)
ま、目的はともかく、ここから水を注げば燃料タンクを直接冷却できることは間違いなく、元々の目的が水抜きであれば、弊害も無いだろうということで、やってみました。

ところが、これが意外と効果があり、走行後アイドリングでクーリングしていてもプローブの温度が上がりません。
更に20分ほど経ってエンジンを停止しても、温度が上がることなく逆に下がっていきます。これは何故か?

アルピーヌの下回りの写真を見ると燃料タンクの下もアンダーガードで覆われています。なので燃料タンクを伝った水は地面に落ちるのではなく、このパネルに注ぐことになります。(なので直ぐには車体の下に水が垂れてきません。)
燃料タンクの前(ラジエタファンの後ろ)のクロスメンバには遮熱のためのアルミのパネルが固定されていますが、このパネルは下部でアンダーガードにつながっています。そのため、ラジエタの排熱で熱せられた遮熱板の熱はアンダーガードにも伝わり、特に停車時には前方と下方から燃料タンクを熱しています。アンダーガードに伝わった水は、アンダーガードだけではなく遮熱板をも冷やす事になるので、停車時の熱源の影響が小さくなったからではないかと考えています。
(午後の最初の枠の後は1L、次は3L程水を注ぎました。)

この方法、一般道の走行時には当然ながら使えませんが、サーキット走行時には不安要素を減らすために行っても良いのではないかと思います。但し、注いだ水は結果としては車の下から垂れてくるので、ピット内で行ってはいけません。

という具合で、今回は無事自走して帰宅することが出来ました。
肝心のハンドリングクラブですが、最後の枠で逆同乗(自分の運転を山野さんが評価してくれる)をお願いしました。
コーナの途中までブレーキを残しているのは良いが、リリースが早すぎて(十分減速されておらず)そのせいで制御が介入して挙動が乱れる、んだそうです。自分ではクリップまでは残しているつもりなんですが、データロガーを見ながら修正していきたいと思います。
次回は途中の経路で融雪剤の心配をしなくて良くなる春までお預けですね。
Posted at 2022/10/13 16:32:28 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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