ハンドリングクラブで、山野さんのドライブを横で体験したり、ジムカーナでの一人だけ別次元の走りを見るうちに、なんかアルピーヌってトライアルのバイクみたいだなと思うようになりました。
ハンドリングクラブではEK9やRRもドライブしてもらっていますし、ジムカーナではS2000やエキシージ、アバルトでの走りも見ていますが、明らかにそれらの車両とは違うんです。
トライアルのバイクって走るために余分なものは付いていなくて、まさにライダーの体の一部というか強化スーツになって絶対に無理と思われるような場所をクリアしていく。日本人で唯一のチャンピオンの藤波貴久(フジガス)さんがお隣の県の人でローカルTVに定期的に出ていて見ていました、トニー・ボウさんなんて何年チャンピオンなんだか。山野さん並にすごい。
確かに'余分なものが付いていない'ということで言えば、パワステなしの4Cやロータス(セブンとか、特にイレブンの系列)の方がより近いように思えるのですが、何と言うか、こちらは'突出感'が大きい感じで、バランスというか'手足感覚'はアルピーヌの方が強いように感じるんです。
トライアルって排気量に依るクラス分けがないんですよね。パワーはあった方が良いけど、逆に車重は重くなるので扱いにくくなる。そのバランスは競技者に任されている。絶対的な性能とかならマクラーレンだけれど、全体的なバランスに優れ自分の体のように扱えることを考えるとアルピーヌ。(そういえば弟直也さんのマクラーレン、最近参戦されていないですね。)
# モビルスーツとAT(アーマードトルーパー ボトムズ)との違い?
その意味で、アルピーヌって、まさにジムカーナのために生まれてきた車かもしれません。
第6戦からもう1台参戦する、とハンクラの時に伺って、誰かが(山野さんを真似て)乗り換え? と思っていたのですが、なんとアルピーヌ岡山の試乗車(!!)
名前も知らない人だったのですが、走行画像を見るととてもスムースなドライビングで確かにタイム差はある(山野さんとは10秒ぐらい)のですが、結構うまい。(なんせ全くの吊るし状態ですから)
調べてみたら、むかし東京の地方戦でチャンピオンになった経験もお持ちの方で今回も地方戦を戦って勝って全日本に挑戦なんだとか。同じ車で山野さんと競ったらタイム差は結構縮まりそう。
そんな時、これを読んだのですが、妙に納得しました。
ポルシェやBMW、メルセデスなどに飽き始めたら……アルピーヌ A110という選択肢はどうだ!
要約すると、ドイツのスポーツモデルは超高速域での走行を前提としているため、パワーも車重も大きく重くなっているが、スピードレンジの違う日本では、その性能を持て余す。それに対してアルピーヌは軽量化という解法で山岳路に対応している(先代から)ので、比較的低速ワインディングの多い日本には合っている、みたいな感じです。
確かに富士のような絶対的なパワーと空力が要求されるようなサーキットでは、大パワーのFRに比べて物足りなさを感じると思われます。(3セクを除く)
ストレートはともかく、軽量化のメリットを生かしてコーナリングスピードを上げられる、とは言えますが、高速コーナでマージンを削っていくと、一瞬の判断の誤りが即クラッシュに繋がってしまいます。
かと言って、じゃあミニサーキットが適しているか、というとそうとも言えないように思います。
如何に軽量と言えどもエンジンとブレーキの冷却は速度域とストレートの距離とから逆に厳しくなってしまい、連続走行の熱害は下手をするとフルコースより多分大きいです。メンテナンス性の悪いアルピーヌでは、こちらでも不安が大きいですね。
サーキットでの走行後には、直ぐにエンジンの状態をチェックしたい(冷却の意味もありますが)のですが、アルピーヌの場合、リヤハッチですら開けるのが簡単ではない上に、エンジンカバーの脱着は多くのピンを抜き差しせねばならず(しかも装着時の位置決めが簡単に決まらない)更に手間がかかります。置き場所も別に必要ですし。
せめてリヤハッチとエンジンカバーが同時に上がってくれれば(ネジ3本で済むので)、若しくはクーラントのレベルだけでもカバーを外さずに見ることが出来ればと思うのですが。
同様にブレーキのフルードも簡単にはチェックできません。ワイパー前のパネルを取り外す必要があります。
ブレーキフルードの液面の高さ、発泡状況はブレーキトラブルの早期発見には欠かせないチェック項目なのですが、これをチェックするために毎回クリップで止められたパネルを脱着するのは手間が掛り過ぎます。
(フロントトランクの撤去を考えたのは、ブレーキフルードのチェックをやりやすくする、という面もありました。)
そうやって考えると、改めてアルピーヌに適したステージは何処か、と思ってしまうわけです。
ワインディングに持ち込んで楽しい、と言うのは自分でも経験していますし、とっても良く分かります。
ですが、公道では色々なリスクも大きいので、持っている能力のどれだけを発揮させることが出来るのか?
ハンドリングクラブでの山野さんの限界領域でのドライブを味わってしまうと、ワインディングだけではもったいない、多くの方にそれに近い領域での挙動を体験してほしいと思うのです。
アルピーヌ、ほんとに全然いらっしゃらないんですよね。山野さんにも聞いてみたのですが、他はブルーのA110が1台だけだとか。この方3月の時にケータハムで参加されていて、雨ならアルピーヌで来ようと思っていたとおっしゃっていました。
# 前戦でチャンピオンが確定(V22!!)したので、これから増えるかも?
ハンドリングクラブ、走行は連続ではなく、一定間隔でスタートし、1周走行後は次のスタートまで若干ですが待機時間があります。そのせいなのか、モニタで見ていても水温、油温、更に他にチェックできる各温度とも通常の走行時に比べて特に変化はありません。勿論一般道に比べれば、タイヤ、ブレーキを含め負荷が大きいのは当然ですが、まだまだ十分許容範囲内なんだと思います。
そうやって考えると、アルピーヌに一番適しているのは、こういったジムカーナのような走行方法なのではないかと思えます。
私の場合、幸いにしてホームコースにしている鈴鹿南にはジムカーナのようにスタートフラッグで1周を走るジムカーナクラスが用意されています。今までの車では連続走行可能なグリップクラスに参加していましたが、アルピーヌではジムカーナクラスを試してみようかなと思っているところです。
Posted at 2022/08/10 16:20:00 | |
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