高野山は、近代まで「女人結界」が定められ、境内での女性たちの参拝は叶わなかった。
そんな時代にあっても女性たちの、身内の冥福を祈る声、明日の安らぎを願う声を聴いていた、「女人高野」と呼ばれるお寺があった。
現在「日本遺産」に認定されている「女人高野」には、「宇陀 室生寺」「九度山 慈尊院」「高野 女人堂」「河内長野 天野山 金剛寺」がある。
空海が弘仁7年(816)に嵯峨天皇から高野山を下賜され、高野山は開創当初から「女人結界」が定められたと伝えられている。
これは修行者の堕落を防ぐための不邪淫戒(ふじゃいんかい)という戒めによって、修行者を律するものであった。
後の思想である、女性と穢(けが)れを結びつけ、聖域への立ち入りを禁じた「女人禁制」とは異なっていた。
「女人高野」のひとつ宇陀「室生寺」
さて、「龍鎮神社」から駐車場まで戻った私達は、愛車「ジェイムズ」くんに乗り込み、次に向かったのが「室生寺」であった。
「室生寺前駐車場」にクルマを停め、参道を進み室生川の「太鼓橋」を渡り「表門」に到着した。
まずは「入山受付」で、入山料(大人600円×2名)を支払って中へと入って行く…
入ってすぐに入山者用の綺麗なトイレと「授与所・納経所」が在り、更に進むと「仁王門」がデンと佇んでいた。
「仁王門」を潜り奥へ進むと突きあたりの左側に上へと続く階段が在り、登って行くと「金堂」に突きあたり左手には「弥勒堂」が建っていた。
手前の「弥勒堂」から参拝し、階段の上少し高台に建てられた「金堂」に行くと…
「金堂」の中に入るには更に「特別拝観料(500円×2名)」が要る為、中には入らず回廊だけを周り、高台からの景色を眺めた。
「金堂」から更に奥に進む階段を登って行くと、立派な「本堂」が在った。
「本堂」では、しっかりと賽銭箱に賽銭を入れて拝んだ…(笑)
いつも妻は、私より30秒から1分ほど長く拝んでいる。
そんなに長く何を拝む事があるのか…と、私はいつも感心する。
その「本堂」から、更に階段を登って行くと、今度は「五重塔」が在った。
この「五重塔」は、入山受付にあった写真では、紅葉のシーズンには“映え写真”が撮れるみたいだ(笑)
「五重塔」までも、そこそこ階段を登って来たのだが、更に奥には「奥之院」と記された階段が長く上へと続いている…
長い階段を見た妻は「奥之院までは、もうええんちゃう?」と言ってきたが、私は「折角ここまで来たんやから、奥之院も行こ!」と妻を押し切って、階段を登り始めた。
長い階段は、かなり上へと続いていたが、私は上を向くと精神的に疲れそうだったので、足元だけを見てひたすら歩を進めた…
結局、10分以上掛かって、やっとのコト辿り着いた「奥之院」は、少し開けた平地となっており、納経所、納骨堂、御影堂、七重石塔、常燈堂から成る高い山の上の閑静な平地であった。
常燈堂(位牌堂)は、周囲を回廊が囲んでおり、その回廊からは“見晴らし台”のように眺めの良い場所があった。
しばし、長い階段での疲れを癒しながら、遠景の眺めを楽しみ、ようやく退山への途についた…
つづく
室生川を渡り「表門」に繋がる「太鼓橋」
「入山受付」ここで入山料(大人600円)を支払う
「仁王門」ここから入山する…
「弥勒堂」
「金堂」周囲の回廊からの眺めは良い
「本堂」ここまででも、階段はかなりあった…
更に階段が続いて「五重塔」が見えてくる…
長い長い階段の最後に「奥之院」が在る…奥が「御影堂」で、左側が「常燈堂」回廊から眺めの良い場所がある
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2023/05/23 13:17:45