
↑聴くと←を思い出したらJJY・BBA確定(笑)
1992年のF1マシン Williams Renault FW14B
レッド5を操るのは大英帝国の愛すべき息子
もしくは荒法師などの異名を持つN・マンセル
パッケージの良さとRenault V10で開幕5連勝
これならアクティブサスで320㎞/hの世界を
堪能できるというものだと思うけど…
トーシローな凡人ではF1マシーンを操れない
そりゃそうだ(笑)
しかし自らが運転しなければと言う条件かつ金さえあれば
誰でも合法的↑の世界を味わうことが可能です
もう高速移動グルメから1ヶ月経ってますが大変お世話になった↓がその正体
JR東日本E5系新幹線電車
2009年から製造開始された東北・北海道新幹線用新幹線電車
営業運転最高速度320㎞/h運転
↑を行うために新在直通(ミニ新幹線)=秋田新幹線への直通運転を行うE6系電車を
盛岡以南で併結運転を行うことも含めて開発された車両で10両編成を組成する
製造コストは45億円/1編成である
2012年鉄道友の会ブルーリボン賞受章車両でもある
登場当初のキャッチコピーは
MADE IN DREAM
青山一丁目の伝説な会社からパクリますた的ノリだけど
一番ド肝を抜いたのは定員わずか18名 航空機のファーストクラスに匹敵する
グランクラスが設定されたこと
※死ぬまでに一度は乗ってみたい(笑)
↑のおかげでグリーン車もそこそこグレードアップされてます

↑は一度乗車経験がありますがシートが段違いにイカッタ

リクライニングを含めすべてが電動という時点で如何にも21世紀な新幹線ですが
特筆すべきはJR東海・西日本が運行するN700A/700Sではフットレストなところ
E5系ではレッグレスト
これはとってもラクチンです(笑)
まあエコノミークラスな普通車は後で語るとして…
しかしこのE5系の当初は不遇だらけですた
デビューは2011年3月5日ダイヤ改正で東京⇔新青森に3往復設定された”はやぶさ"
当初は最高速度300㎞/hの制約がありましたが運行開始6日後に↓が発生
東日本大震災
↑により東北新幹線も大きな被害を受けたことから全線復旧前日の4月28日まで
E5系は営業運転中止となり翌29日から運転を再開したが
復旧工事に伴う暫定ダイヤにより300㎞/h運転はできずに
9月23日の復旧工事完了に伴うダイヤ改正まで275㎞/h運転を余儀なくされた
320㎞/h運転は合計23編成となったのを期に行った2013年3月16日ダイヤ改正で
新青森発着の"はやて"をすべてE5系による”はやぶさ"に統一してからで
2016年3月26日ダイヤ改正で開業した北海道新幹線にも乗り入れる
ざっと歴史をまとめると↑な感じですかね?
しかし
320㎞/h運転を行う区間は宇都宮 - 盛岡間限定
大宮以南は住宅密集地でもあることから130㎞/hまで
大宮 - 宇都宮間は275㎞/hまでの最高速制限があるほか整備新幹線計画で開業した
盛岡以北は地上設備の問題から260㎞/hならびに青函トンネルは160㎞での運転
まあ宝の持ち腐れ区間もあるわけなんですけどね
320㎞/hということは5.33㎞/mで88.9m/sなわけで
あっ!と叫んでいるうちに約100m
正に瞬間移動(笑)
これが風速だったら被害続出ですよ
で…
この320㎞/h運転ですが確実に体感できます
下り列車で宇都宮通過後ですがモーターの唸りが一段アップした感じに変わり
車窓の流れ方も完全に速くなっているのを実感できます
航空機だったら完全に離陸できる速度なのですが
この320㎞/h運転で当社はあることに気が付きますた
アレッ?揺れないつーか乗り心地イイ
新幹線のトレッド1.435mなわけですが2mくらいないとこの乗り心地は
ムズイんじゃないかという感じですがね
そしてもうひとつの???に気が付きました
コーナーリングでイン側に車体傾斜する
普通ならインリフトじゃないかなあ?
↑思ってコーナーリング中のE5系画像を探してみたら…
やっぱりイン傾斜だ
新幹線車両が振子制御しているという話は聴いたことがないので
↑に挙げた2つの事象から結論付けるとしたら↓しかない
アクティブサスだろ?
と思って調べたら的中しますた
動揺防止制御用の加速度センサーが検知した左右方向の反対方向への力を
電気指令により電気式ローラーネジ式アクチュエーターを駆動させることで
発生させ左右の振動を打ち消す機構のほか
記録された線路データと地点情報を元に車体傾斜制御器により
車体傾斜電磁弁を作動させて車体の台車枠の間にある空気バネの空気圧を
変化させることでストロークを変化させ車体を最大1.5度傾斜させることが可能な
車体傾斜システムを搭載する
つまり…
フルアクティブサスペンション
↑のおかげでR4,000のカーブでも320㎞/h運転が可能だということですが…
さらにアルミニウム合金による中空トラス断面ダブルスキン構造車体も含めて
最新の技術をフル搭載するから1編成で45億円=4.5億円/1両のコストも
ゴモットモだと思ったという話ですよ(笑)
最速列車は途中大宮・仙台・盛岡のみ停車で東京 - 新青森674.9㎞を2時間58分で
走り切るわけですから表定速度227㎞/hは↑のおかげだということです
普通はここでネタ終了なのですが国立自動車総研はクドイです(笑)
調べてみるとこのE5系がクルマに近いトリビアが結構あるんですよ
1.姉妹車が存在する
クルマでいうところのバッジエンジニアリング
これが↓です
JR北海道H5系新幹線電車
2016年の北海道新幹線新青森 - 新函館北斗開業に併せて2014年 - 2015年に
4編成40両が製造されたJR北海道が所有する新幹線電車
基本構造や機器類はE5系と共通するが内外装で異なる部分があるけど
これが殆ど間違い探しレベルで…(笑)
その中で一番わかりやすいのが↓

車体のストライブ色とロゴ
上がH5系でストライプがパープルでロゴが北海道のモチーフ
下がE5系でストライプがピンクでロゴがハヤブサのモチーフ
ちなみにE5系ではロゴが1・10号車のみに対してH5系では3・5・7号車にも入ります
次は内装面ですがイッパツで判別可能なのが↓

普通車のドア内装の違い
左がH5系でJR北海道のコーポレートカラーであるグリーンとなっていますが
E5系では通常のベージュという点で識別可能
この他にカーペットを含む床材やカーテンに違いがあるほか
よりマニアックな点ではデッキ⇔客室のドアにある窓の幅が微妙に違う
そんなのわかるヤツいるんかというレベルですが最大難度は↓
それはグランクラス壁の木目パネル
E5系では木目が横
H5系では木目が縦
こんなの乗った人間でもなかなか気がつかないつーかトリビア過ぎるって(笑)
ちなみにH5系の運用充当は2編成のみなので乗車チャンスは低いですよ
尤も充当列車はダイヤの乱れとか車両故障がない限り固定されてますので
調べれば簡単に乗車は可能です
2.MMC車が存在する
↑のH5系製造に合わせたE5系のMMCで普通車で行われた設計変更ですよ
まずは2013年にまで製造されたE5系U28編成までの車内
↓がH5系と2015年以降に製造されたE5系U29編成以降で採用された車内
微妙過ぎてわからない(笑)
実は室内灯に違いがありまして2013年までの製造車は蛍光灯でカバー付
H5系とMMC車ではカバーなしでLEDという構成になっていますが
さらにE7・W7系と共通タイプに変更されたLED照明車も存在する

こうなるともうわけわかんねえ(笑)
この他E5系では当初壁側に↓のが標準装備されてますた
AC100V 50Hz 2A OUTPUT
モバイルPC駆動や携帯充電用に装備されたサービス用アウトレットですが
使用できるのは窓側席のみの特権ということで通路側C・D席と3人掛け中央B席の
利用客からクレームの嵐になったことからMMCで全席標準装備に設計変更です
MMC前
MMC後
シート前下側にアウトプットが増設されているのがわかりますか?
MMC前28編成 MMC後18編成が就役していますが
MMC前車へのAC OUTPUT増設の予定はないそうでしてこれはもう運次第ですな
当社は今回5回E5系に乗車していますがMMC前3回 MMC後2回なので
ほぼ編成数比率と同じですた
それにしても非リクライニング時のシートバック角度
ほぼ垂直でこの状態で座るのはシンドイって(笑)
ある程度のプレリクライニングがあってもいいとは思いますけどねえw
3.事故廃車も存在する
車両が天寿を全うできず事故などのアクシデントで廃車となるケース
厳密に言うとE5系ではなくH5系に廃車となった編成があります

2022年3月16日に発生した福島県沖地震により発生した脱線事故
福島 - 白石蔵王間を"やまびこ223号"で走行していたH5系H2編成+E6系Z9編成が
17両のうち13号車以外の16両が脱線し68の車軸のうち60基がレールから外れた
よりによってなぜH5系が仙台までのローカル運用と思われますが
初日に"はやぶさ・こまち42号"で東京駅2104到着した編成を当日中に
当該列車で仙台まで移動させ翌朝の"はやぶさ・こまち95号"から充当させないと
2編成での運用が組めないという制約故なんですが…
当初は修復するのか?という話もありましたが
JR北海道では安全性を担保できないという理由から当該のH2編成の廃車を決定
またJR東日本も同様の理由でZ9編成の廃車を決めました
この2編成は被災後仙台にある新幹線総合車両センターに留置されました

そして同年9月22日付で廃車となり陸送&海上輸送で函館新幹線総合車両所に
搬入されましたが調べてみるとこれがあまりにもな状態で…

機器類の損傷だけでなく車体の歪みとかもあったわけで320㎞/h運転をする
新幹線で安全性を担保できないという判断は間違いなかったということですが
修繕費>>>時価となった時点で全損扱いとして廃車も致し方ないでしょうな
長野で水没したE7・W7系も電子機器全滅かつ電気配線のやり直しで
新車を製造した方がコスト的にも有利と判断がありましたからね
と同時にこれもトンデモなトリビアになりますが
今回のような他社管内でも相互乗入運用かつ天災での被災では
車両所有社が費用負担になる取り決めがあるそうです
とは言え製造から8年営業運転開始から6年での廃車は
資金的にも苦しいJR北海道にとってはカナリの痛手
車両保険も未加入だったそうで2022年3月期連結決算で減価償却分を差し引いた
14億円を特別損失に計上していますが代替新造の話はないようです
まあこういったわけで320㎞/hをシレーッと出してしまう新幹線だからこそ
緻密な電子機器つーか技術の粋を集めた究極かつ至高の工芸品でもあるかと?
まあ常に進化し続けるF1マシンと同じじゃないかなあ?
なので当社もこれでもかという位に濃厚に作り上げてみますた(笑)
読破お疲れ様ですた