
その昔の赤い公衆電話を見て
シャア専用といったヴァカが友人にいます(笑)
3倍速く動く必要や性能はありませんが
もしかしたら←のセリフの如く
3倍働くバイク
そうかも知れないと思ったバイク
本来は一般ユーザーが入手できる代物ではない1台を
2年近く所有してたわけで今回奇跡的に当時の画像を発掘
なので2022年10月以来の昔車レビューに纏めてみますた
さて…3倍働く赤いバイク
みなさんはもうお気付きの方も多いかと思いますが↓のことです
日本郵便 郵政機動車
※画像はHONDA MD90 ちなみにMDとはMail Deliveryの略である
日本郵便の部分は郵政省→郵政事業庁→日本郵政公社→日本郵便に変遷してますが
元はと言えば1972年8月に郵政省がHONDAとスーパーカブシリーズをベースに
共同開発した郵便事業用に特化させたバリエーションのひとつであり
一般的には郵便カブもしくは郵政カブとも呼ばれるモデルである
集配および貯金保険業務用営業かばん装着用にフックが着いたフロントキャリア
積載に対応する大型化リヤキャリアのほかヘッドライト・ウインカーを
ハイマウント化した上でパイプ形状のバーハンドルを装着
フロントサスペンションをテレスコピック化ならびにサイドスタンドを強化
狭小路での取り回しを考慮して前後タイヤを14インチ化するなど数々の
仕様変更を行った特化仕様車である
当然ながら一般個人や法人への販売はされておらず新車での購入は不可能
しかし用途廃止となった放出中古車の入手は可能でその多くは
廃棄となる車両を業者が数十台 - 数百台単位で入札する方式が主流で
それがヤフオクなどで出品されて個人が入手することが可能になります
まあ↑ってHONDAの独壇場だったのですがいろいろな大人の事情がありまして
90年代になるとYAMAHA・SUZUKIも特化モデルで参入してきたわけでそれぞれ
YAMAHA 郵政メイト
SUZUKI 郵政バーディー
↑の車名で流通されたわけです
ちなみに郵政機動車は原則4ストロークエンジン搭載車だったようですが
郵政メイトには49・79・89㏄3種類の2ストロークエンジン搭載車が存在
サスガ希代の2ストロークスポーツRZシリーズを産んだメーカーだ(笑)
で…
とにかく頑丈かつ小回りも利く上に燃費もそれなりにいいわけで
こりゃあ通勤やご近所の買物の足に使うにも都合がいい
それと普通の人が乗ってないというプレミアもあるので
当社もヤフオクで入手をしようとしたのが2010年頃
ただ本家本元のMD90はプレミア付き過ぎ
配達で酷使された個体が中古のカブよりも高いケースが続出して
こうなるとサスガに手が出ないと思ったのですが
これがメイトやバーディーだと中々見向きもされない
郵政はカブに限る
↑なマニアが多いのかな?
パチモンと思っているのかな?(笑)
逆にこれはお買得じゃないかと考えた当社はわずか36,000円で↓を落札
SUZUKI BD41A型郵政バーディー(FB90)
パット見はMD90との違いを素人つーか興味ないヤツにはわからんって(笑)
郵政機動車のお約束カラーレッドは本家HONDA MD90と同じなのですが
これメーカーによって呼称が変わるんですよ
HONDA:郵政レッド
YAMAHA :ロマンティックルージュ
SUZUKI:パーマネントレッド
YAMAHAのそれはこんな楽曲があってもおかしくないような呼称
この辺が如何にも楽器メーカーだなという匂いがしますなあ(笑)
で…当社が入手したこの個体ですがコーションステッカーから戸籍がわかります
FB90:型式コード
C:貯金保険業務用車
H:寒冷地仕様
Y:2000年モデル
↑が示すように元々は神奈川県内で貯金保険業務用に使われていた個体で
走行距離も入手時に56,000㎞と少なく知り合いに見せたところ
ほぼ実走行距離で間違いないとの優良個体ですた
※↑は手離すときの撮影で約2年で10,000㎞程乗ったことになります
そして郵政車の特徴と言えば頑丈な↓つーかリヤキャリア

あのデカBOXを積載しますから逃亡にも役立ちますw
さらに工具類も充実

収納はサイドカバーの中になりますが拡げてみると↓だけ入っているんです

原付二種にしては充実な揃えじゃないっすかね?
まあ↑を素のままで乗っても良かったのですが
それなりに手を入れなくてはいけない場所もあったのですよ

ヘッドライト左側のホーン
標準装備されていたモノにサビが付着していて音も貧弱だったので
確かNAPSで入手した汎用品にリプレイス

↑のシングルシートはSUZUKIのパーツセンターで入手した新品
実は腐食つーか表皮が破れ中のウレタンもちぎれ始めていたので
サスガにこれはヤバイと思ってやったのですが
当時残りが5セット程だったので今では製廃になっている可能性があります

DUNLOP D107 FRONT USE(左)/REAR USE(右)
郵政カブ乗りでは定番ともいえる2.75-14サイズのタイヤです
この個体にはかの大陸製タイヤが装着されていたのですが
とにかく滑ることには定評がある代物でして…(苦笑)
タイヤは命を乗せている
↑なCMコピーもありましたがこんなところをケチってまでリスクを
背負いたくないので山は残っていても速攻交換しました(笑)

BD41A型はエンジンヘッドへアース線が接続されているのですが
細い上に端子部が腐食しはじめていたので手持ちの網線で作り直し
これは始動性向上や低速トルクが増強されるという効果がありました
ただ…どうしても手を入れきれなかった部分もありますた


レッグシールドと呼ばれるFRP製エンジンカウル
酷使された証でもあり何度も外されて整備されたのかご覧のようなヒビが…
尤も走行中に外れるようなことはないのでそのまま放置しました
あとはハゲがきつかった部分へのタッチアップと自前コーティングをしただけ
それだけでも走って停まってに大活躍してくれた1台でしたね
そして一番助かったのは↓

寒冷地仕様ということで装着されていたグリップヒーター
これは冬場には助かりましたが…
電装が6Vという諸刃の剣(笑)
結構なまでに電気を食うようで回してないと保護回路作動が連発

排気量89㏄の空冷4ストローク単気筒エンジン
絶対的パワーはなかったけど低速トルクは結構太かったなあ
要は配達時のGo-Stopを繰り返すことを想定していたエンジン特性なのかも?

エンジン始動はキックスターターのみでしたが
イリジウムプラグに交換した上に寒冷地仕様ゆえに冬場でもイッパツ始動
多分キャブのガス調整が濃かったのかもしれませんねえ
ちなみにオイルは当時ハマっていたWako’sのフル化学合成を
2,000㎞スパンぐらいで交換していたので上までキレイに回った印象が残ってます

ミッションは自動遠心クラッチによるロータリー式3速を搭載
クラッチ操作が不要なのでAT限定免許で運転可能なMTという摩訶不思議
まあ当時の標準ですが3速で大通りを走ると結構高回転になるんですよね(笑)

この個体にはナンバープレートホルダーが装着されていました
MDやメイトにはない装備ではありますが
廃車時にこれごと廃棄されてしまうケースが多いので
残っていたのがある意味奇跡でしたね

リヤサスはコンペッショナルな2本サスでしたが
ショック上側にボディ同色のカバーを装着するのがなんともシャレオツ

何といってもこのメガホンマフラーが素晴らしかった
スーパーカブなんかも含めてこの手のビジネスモデルは
とにかく消音性能ありき
夜中に帰ってくる時なんかもそんなに神経遣わなかったというと
語弊がありますけど拍子抜けするくらい排気音は抑えられていましたね
とにかく小回りつーか旋回性能バツグンのマシン
下手なスクーターより乗りやすくてそれでいてパワフル
90ccクラスだから原付のような制約はないのもありがたい
これが当社の郵政バーディーの印象でしたな
ただひとつ不満があるとしたら燃費だけかな?
通勤やご近所の足で33 - 38㎞/L 一度だけ行った秩父ツーリングでは48㎞/L
キャブ供給のガスが濃い目だったのも要因のひとつかもしれませんが
50㎞/Lの大代はマークできなかったのが唯一の心残り
尤もその代償で下から上までトルクフルに回るエンジンを楽しめたので
コスパ&満足度は高かったという感じです
ところで…

郵政機動車の証つーかリヤフェンダー下部にある〒マーク
これは払下げ時点で除去しないとイカンのですよ
というのは…
刑法第166条=公記号偽造及び不正使用等に抵触してしまいますからね
まあいわば
プロ仕様の1台
これの本質を充分と堪能させていただきました
最後は知人がどうしても欲しいということで譲渡
2023年現在でも彼の実家(東北地方)で現役だそうです
このままの姿でまだ走っていたら元オーナーとしても嬉しいんですが
こんなバイクのレビューないでしょ?
画像が出てきたからネタにしたのですが
関連情報URLにある愛車紹介も併せて見ていただけると幸いです

まさか予備PCのHDDに眠っているとはスッカリ忘れていましたから(笑)
で…執筆はシャア並にいつもの3倍で書き上げますた(爆)