
↑のタイトルで何か?
わかったらカナリなマニア確定
それもB級映画の…です
正直なところこのニュース
俄には信じられなかった
俳優の渡辺裕之さんが自宅トレーニングルームで亡くなったと…
あえて縊死という表現に引っかかる
自重またはモノの重さによって頸部が圧迫されることで呼吸や脳の血流を阻害
結果として脳や臓器に回復不能な機能障害が起き死に至るのがこの言葉の意味
今回の件では首吊り自殺の可能性もあるが
トレーニング器具に首を挟まれた可能性も否定できない
そういった憶測も含めて真相を曖昧にしておくというのも
著名人や芸能人の場合は不可欠であることから
意図的にこの言葉を使ったのかな?とも考えられますが…
いい役者サンでしたつーかカッコイイんだよなあ
世間一般には東海テレビ制作昼ドラ『嵐シリーズ』とか
ファイト~イッパ~ツ
↑のセリフがお約束の大正製薬リポビタンDのCMとなるんだろうけど
当社は鮮烈だったスクリーンデビュー作の↓だな
オン・ザ・ロード
1982年の日本映画 制作:ジョイパックフィルム/ムービー・ブラザーズ
後に相棒シリーズでその名を知られる和泉聖治監督の一般映画初メガホン作
渡辺サンは白バイ警官富島哲郎としていきなり主演デビューだったんですよ
ストーリーは面倒なので
いつものWikipediaで省略(笑)
できるだけ要約すると暴走白バイ警官が被害者へ謝罪するために
職務を放棄して制服のまま東京→鹿児島を疾走しちゃうロードムービーです
早い話が和製バニシング・イン・ターボ的な話でもあるし
劇中のセリフにもでてくるイージーライダーへのオマージュもあるのですが…
とりあえず編集は荒いけどダイジェスト化したモノがあったので↓を!
☆12分でわかるオン・ザ・ロード☆
何がスゴイかってこの映画
結構なゲリラ撮影を駆使していてロング長玉を多用
そして渡辺サンのバイク関連シーンは彼自身が大型バイク乗りだったこともあり
ノンスタント=すべて彼のライディングです
ちなみに白バイはナナハンでなくCB550FOURベースにP仕様化したモドキ(笑)

↑は1976年以降に納入されたCB550FPで集合マフラーを装着する特化モデル
サスガにこれは調達できなかったようで
1975年までの4本マフラーモデルを劇用車に仕立てたようです
しかも山岳シーンでは当時売られていたトレッキングバイクのシルクロードに
吹き替えられてしまうのはバイク好きでなくても笑えます
この作品がB級と言われながら結構なファンがいるのも↓な理由もあるんです
チョイ役も含めてのキャストがスゴイというか結構なギャラじゃないかと?
ヒロインの姉役で秋川リサ 富島巡査の上司で高森課長役で室田日出夫のほか
殿山泰司・岡田真澄・竹田かほり・江藤潤・山西道広・平泉征・青空球児&好児と
一癖も二癖もある面々の名が並ぶんですよ
何でも無名時代の南部虎弾も出てるらしいんですけど…
↑の助演陣の中でもストーリーに大きく関わってくるのが山田辰夫
場末のガソリンスタンド店員で富島哲郎にシンパシーを抱くバイク好き兄ちゃん
☆オン・ザ・ロード 関門橋のスター☆
山口県警もダメじゃん!(笑)
山田サン演じる兄ちゃん味あり過ぎなんだけど
バイクスタントは吹き替えでして当時の国際A級ライダー荘利光氏
だから山田サンのツナギも荘レプリカかつゼッケン39なのね
このシーンもゲリラ感満載だなあ
そして圧巻は港湾&フェリー会社全面協力の鹿児島新港でのラスト5分
☆オン・ザ・ロード ラスト5分☆
いつの間にか職務放棄の暴走警官がヒーローになってる(笑)
しかし当時のレベルというのを抜きにカー&バイクスタントは最高
マルチカメラ撮影といい秋川リサの『行きなさい』も文句なし
ちなみに飛び込みバックの虹は偶然の産物だそうです
あっ!忘れてましたが…
音楽監督は後にビーインググループの総帥となる長戸大幸
タイトル曲
♪オン・ザ・ロード/イーストロード
↑のヴォーカルはまだまだ芽が出る前の織田哲郎
サスガ! ビーインググループで纏めてあります
そしてバイクが主役の映画ということもありまして…
ギターが
汚れた英雄(♪Riding High)してます(笑)
つーことは
♪Call Me/Blondieの親戚になるんだなあ(大爆笑)
思わず↑の3曲をMIXしたくなるけどいいんだよなあ
結構雑な部分もあるB級作品なんだけど何度も見たくなる中毒性
そして記憶に残っている人も多いというのは
この映画が大林宣彦監督の『転校生』と2本立てだったこともあるんですよ
さらに…
2007年1月に渡辺サン自身が東名高速道路で人命救助を行っていたんだけど
その際に立ち会った警察官に事情説明したところ
オン・ザ・ロード見て
白バイ警官になりたい
そう思っていました
↑と告げられたそうでして実際こんな白バイ乗りも多いという話があります
これはもう役者冥利に尽きる話であるとともに
B級といえども名作
そう言えるんじゃないっすかね?
ちなみにオン・ザ・ロードですがVHS化はされたのですが
DVD/Blu-rayは未発だったりもします
もう何年も見てないけどタマには…
若き日の渡辺サンに郷愁を追うとともにご冥福をお祈りいたします