ボヘミアン【Bohemian】
現在のチェコの西部・中部地方を指す地名に由来するもの
↑で示されたボヘミアに居住する人々のこと
北インド起源の移動型民族ロマのこと
伝統や習慣にこだわらない自由奔放な生活をしている者
転じて芸術家や作家など世間に背を向けた生き方の総称
←作詞:飛鳥涼/作曲;井上大輔のロックナンバー
今回は当然ながら…
太字の↑が料理のネタとなります
葛城ユキさんが亡くなってしまった
ステージⅣのガンと闘っていたのは知っていたが…
そして♪ボヘミアンは彼女最大のヒットにして名刺代わりのナンバーでもあります
♪ボヘミアン/葛城ユキ(Single Version)
1983.04.21リリースのALBUM『RUNNER』に収録
1983.05.21にシングルカット
アレンジは作曲者でもある井上大輔が担当
ディストーションの効いたリズムギターと独特なベースライン
そしてなによりパワフルかつ破壊力抜群な彼女のハスキーボイス
当時は
和製女ロッド・スチュワートなんて異名もございましたが…
このナンバーは同年6月から放送されたTBS・MBS系列ドラマ『赤い足音』の
主題歌タイアップがついたこともありオリコンチャートでは
ウィークリー最高3位/1983年間21位と売上41.2万枚をマークしました
ですが…
オリジナルシンガーは彼女じゃない!
ASKA Meets 井上大輔なこのナンバーは↓が世に出た最初
♪ボヘミアン/大友裕子
1982.09.21リリース大友裕子9thシングル
1978年第16回ヤマハポピュラーソングコンテストつま恋本選会に出場
さらに第9回世界歌謡祭本選にも出場しそれぞれ優秀曲/最優秀歌唱を受賞
同年12月1日に↑で歌唱した
♪傷心でデビュー
しかし彼女は♪ボヘミアンをリリースした直後に結婚→寿引退で
殆どプロモーションもできないまま楽曲も蛇の生殺し状態になってしまうのです
そこで声質も似た葛城ユキにカバーさせようと白羽の矢が立ったのですが
カバーにあたって歌謡曲に寄せ過ぎたアレンジを気にしていた井上大輔自身が
ハスキーボイスを活かすならロックチューン
大友Versionのリフが持つテイストを残しながら全面刷新したわけで
カナリの熱量アップをしたと言っても過言ではないですよ
尤もこのナンバーに出会うまでの葛城サンも苦労人で
岡山県の高校在学中はバレーボール少女で国体1回インターハイ2回出場
卒業後に実業団に入りましたが167㎝と選手としては小柄だったことから
アタッカー→セッターへの転向を命じられるも拒否して1ヶ月で退団
その後に夢だった歌手を目指すのですが…
1969年20歳の時に本名の
田中小夜子名義でシングル1枚をリリース
1970年には
朝霧まちへ改名しさらにシングル2枚をリリースするも鳴かず飛ばず
1973年に第6回ヤマハポピュラーソングコンテストに出場し歌唱賞を受賞
この際にYAMAHAの総帥 川上源一の目に止まり1974年に
源氏物語の中の一文
『かづらきあそび給ふはなやかにおもしろし』と
バランスを取った
葛城ゆきに改名
そして1975年第7回大会で
♪木曾は山の中が最優秀賞を受賞し再びメジャーへ
この頃はフォークニューミュージック路線だったんですよ
そして1980年に
葛城ユキに再改名したわけですが
本名時代から数えて13枚目 葛城ユキ名義では7枚目が♪ボヘミアン
その前に小ヒットはありましたが一躍名が知られるまで
10年以上の時間が経過しており当社が苦労人というのも納得いただけるかと?
で…
話を♪ボメミアンに戻しますが
これだと単に葛城ユキさんとの秘話だけで終わっちゃいます(笑)
確かに飛鳥涼・大友裕子・葛城ユキの3人に共通するのは
YAMAHAつながりというのはありますけど今日の本線じゃないですしね
ええ…当社はタイトルとリンクさせるために↓の言葉を使いました
名は体を表す
移動型民族の如くシンガーを
渡り歩いてこそのボヘミアン
そうカバーあってのナンバーでもあるのですよ
♪ボヘミアン/CHAGE and ASKA
1985.12.05リリース ALBUM『Standing Ovation』収録
♪ボヘミアン ミアン ミアン ミアン ミアン…
何だ?この粘っこさは!
というよりASKAの元に里帰りしたら粘りとろろ唱法が炸裂って…(笑)
アレンジはCHAGEのソロプロジェクトMULTI MAXでの盟友でもある村上啓介
わかっている人だからこそ粘っこく熱苦しい音にできるんだ(笑)
北海道時代の友人にKちゃんというのがいるのですが
彼はこれを歌いたがると言うかASKAダイスキなんですよ
そして当社にCHAGEパート指名してくるんです
おかげでCHAGE and ASKAは結構ハモリできるようになりました(笑)
尤も自分自身で歌うと気が付くのは…
作詞家としてのASKA=飛鳥涼のスゴさかな?
サビの
一夜に燃え落ちて 甘い夢みて
狂おしく抱きしめた 貴方旅人
↑ゾクッとしますよ
というよりASKAの場合は他アーティストへの提供楽曲では手を抜かないというか
耳に残るフレーズの作り方が上手いんだよ
たとえば…
♪パラダイス銀河/光GENJI→
シャカリキコロンブス
♪おんなになあれ/森川美穂→
胸に隠したヒールの理由 ちょっとだけ見抜いて
ホラッ!これ何だろう?と思わせてドキッとさせてくれませんか?
さらにこの人は根がアーティストだから提供先が歌唱力を持ってるとわかれば
どんどんハードル上げちゃうつーかカロリーも半端ないんだよなあ
↑の♪おんなになあれは並のアイドルじゃ歌えないって(笑)
声量とテクニックありきの彼女だから成立するナンバーそして歌手実績だけで
今や大阪芸術大学演奏学科ポピュラー音楽コース教授というのも納得
話が少しズレちゃったけど♪ボメミアン/葛城ユキも同じ類というか
はじめに声量と歌唱力が必要だという話です
そういう意味では↓のカバーは完成度が高いんです
♪ボヘミアン/清春
2008.05.14リリース 清春15thシングル♪五月雨 Type A C/W
アレンジは清春自身と三代堅(M-AGEギタリスト)
音の歪ませ方とか歌唱についても自分のモノにしたいという願望の強さを感じる
というかオリジナルへの嫉妬も感じちゃう熱量の高さ
同時にボーカリストとしての才能も一級品の清春だからこそ
換骨奪胎というレベルじゃないカバーの概念を超えたカバーだよ
昔あるアーティストが↓なことを言っていたのを思い出した
カバーをやる時には
オリジナルへの思いとかは捨てろ
そうしないと単なる模倣に過ぎない
自分のオリジナルという意気込みだよ
そのための努力とかパワーは
並大抵のモノじゃ越えられないし
聴き手に納得なんかしてもらえない
↑まったく同意です
そういう点では清春Versionはすべてをクリアしたオリジナルですな
次はネットでの拾い物なんですけど…
こちらは井上大輔への里帰りVersion
♪ボヘミアン/葛城ユキ feat.井上大輔(LIVE)
1984年のライブ収録ですが大ちゃんがサックスとコーラスで参加
これはこれでのカロリーアップVersionですけど
根底にfeat.井上大輔があったことからサビのハモリを強調し過ぎるオマケ付(笑)
とはいえ↑のいずれにもひとつ言えることがあります
どれをとっても声量オバケ(笑)
現役かつ脂がまだまだ乗り切っているアーティストだったら
男なら西川貴教 女なら水樹奈々あたりに歌わせたらどうなるだろう
そんな思いもありますけど意外な逸材というか後継者がいますた
♪ボヘミアン/阿佐ヶ谷姉妹(姉 渡辺江里子)(LIVE)
ネタじゃないって!(笑)
だってナオンのヤオンだよ
というより音楽ネタを展開する2人ですから
それなりに鍛えているというかあれだけの運動量で声がぶれないのはその証拠
いや…これだけの歌唱力に安陳腐なカラオケじゃバランス悪すぎだって
↑はホンの一例ですけど文字通りというか…
タイトルが示すように
アーティストを渡り歩き
自由奔放に時代を超える
それが♪ボヘミアン
また次の表現者を待つ聴き手の我々
それも♪ボヘミアン
葛城姐さんは梅雨を持って行ってくれた代わりに
声量と同じくらいに大きなエネルギー熱量を発射して
摂氏40℃にせまる猛暑という形に残しました
その弊害でクルマはパワー出ないわ燃費悪いわですけど…(笑)
でも…
当社はそれをちっともダメとは思っていません
だってこれだけのボーカリストは多分出てこないと思うから
聴き手への置き土産として後世に語り継げればという感じです
合掌