15歳の誕生日を、更生施設で迎えた翌年
スイカの昔馴染みの、土建屋の社長ってのが
身元引受人になってくれて
俺は冬が終わると、土建屋の寮で生活し働きだした
給料日には、必ず妹に会いに行き
学校で流行ってる物、使う物を
差し入れって、言ったら可笑しいが、
前の月に、妹が欲しがった物は全部買って
施設に持っていった
妹が15になるまで・・・
俺には、アパートを借りて二人で暮らす夢があった
梅雨が終わり、現場が早く終わったので
寮の前で涼みながら、コーラ飲んでたら
バイク通勤してる、先輩が俺の前で止まって、降りて来た
「新蔵、お前、彼女とかいんの?」
「いや、いないっすよ」
「いつも、タコ部屋で何やってんだよ?」
「普通に、飯食って寝てますけど」
「バイク好きか?」
「格好いいすよね」
「今夜ヒマか?」
「金無いんで、居酒屋ぐらいしか行けないすよ」
「違うよ、集会だよ。今夜付き合え!」
先週〜妹には、会ってるし、
新しいリュックっていうか、頼まれた可愛いい巾着と
友達と観に行く映画の前売り券、と小遣いを渡したばっかりだった
この先輩は、何かと現場でも優しくしてくれたし
暴走族の集会なら、金も使わないかなと
俺には、別に断る理由もなく
「イイっすよ」
「じゃあ、12時に向かえにくっからよ、起きてろよ」
初めて行った集会は、俺の予想の10倍ぐらいの台数だった
何故か?色んな奴が、先輩に挨拶しにくる
俺は少し離れて、煙草を吸ってると
「横浜入ったら、ボコボコにしていいからよ!」
先輩に、鉄パイプを渡され、ケツに乗れと言われた
ボボボー♪
「昼間より、うるさいっすねー」
俺が叫ぶと
「直管だと、社長に怒られるんだよ!」
先輩も、叫び返した
ボボボー♪
「出るぞおぉー!」
先輩の号令とともに、皆が走りだした
高架下に出ると、予想が10倍から30倍
いや、走りだすと50倍ぐらい増えていった
(こんなに沢山、どっから、来るんだよ?)
その台数に圧倒され
俺は振り落とされないように
片手でシート後ろのバーみたいな箇所を、必死で握りしめた
ブォーオォー!パラリラ ♪
高架下に100台以上の爆音が鳴り響く
毎週〜走り、狂ったように喧嘩した
何人か、友達も出来た
夏が終わると、先輩が、その単車をくれた
金払うって言ったんだけど、
一円も受け取ってくれないから
それじゃ、って事で
タバコをワンカートン渡したら、特攻服もくれた
その、特攻服の肩には、特別な刺繍がしてあり
一年後の~17歳の夏、俺は、全ての奴等の頭になり
先輩に貰った、特攻服は土手の在日の後輩にあげた
他所のチームは、見境なく、徹底的に、ぶっ潰した
俺の事を、嫌う奴や怖がる奴も多かったが
慕ってくる奴等の為には
相手が誰だろうが
何人いようが、喧嘩しに行った
いつも、俺の耳でいつも唸ってた
工場のサイレンと、妹の鳴き声は
いつの間にか、聞こえなくなっていた
まだまだ、つづきま~す
🙇🙇🙇🙇
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スローなブギは、止めてくれ | 日記
Posted at
2023/09/15 20:06:46