堕ちてゆく
過去は鮮明でも
君に見せたい
未来は繊細だから
もう、今は
君と夢の中へ
Reservoir Cats
豚音は、それから
毎日の様にスマホで
東京湾の雨雲レーダーをチェックし
バイクで使う
レインウェア持参で
電チャリで学校に通い
放課後は
焼肉屋に通いつめ
雨が降ると
豚子と二人で
ドリ練に夢中になった
「今日は雨降らないのかなー」
うらめしそうに
窓から梅雨とは思えない
夕焼け空を眺めてぼやいた
「今日は降りそうもないなー」
豚子もアイスコーヒーの
ストローをブクブクさせながら返す
「私の日頃の行いだな」
ヤワラが笑いながら言う
「なんや、それ」
「晴れ女だから」
・・・(*´艸`)
「テルテル坊主みたいに、逆さに吊るしたろうか」
「大師橋からがイイよ!」
「エエねっ!」
すっかり豚子の味方になった
豚音が言うと
「二人して怖い〜!じゃあ、アガルねー」
「お疲れ様〜」
ヤワラが帰り
豊子が豚音と豚子の
向かいに座った
「師匠〜次のお題は?」
「お願いします!」
豚音と豚子が
豊子から欲しがる
「タイミングとアクセルワークだから、あんまり、教える事ないんだけど」
「そうなんだよねー私も最初しか、豚子ちゃんに 教える事なかったし」
豚音が頬杖しながら
同意する
「そんなもんなん?」
「進入スピードだって、人それぞれだし、路面や車種によって、お尻の感じ方も違うでしょ」
「練習して 自分なりに 掴むしかないんやね」
「そうなのよ」
「豚子ちゃんメモの 自転と公転は?」
豚音が豊子に聞いた
「あーあれね」
「意味わかるのっ?」
豚音が身を乗り出して
豊子に顔を近づける
「なんとなくニュアンスは」
「師匠〜教えてんかー」
「オナシャス!」
二人が懇願すると
豊子は立ち上がり
ミニカーを持ってきて
二人の向かいに座った
「先ず、車が走りだすと三つの要因が生まれるの」
「なんなん?」
「一つは、豚子がバイクで得意な」
ミニカーを
ジグザグ走行させる
「ローリングや!」
「コーナーで左右にロールするって事だ」
豚音が答える
「ピンポ〜ン♪」
豊子はミニカーを
ロールさせる
「二つ目は、ブレーキを踏んだり、アクセルを踏むと前後に発生する?」
「ピッチング!」
豚音が即答
「では、最後の三つ目は?」
豊子はアイスコーヒーのグラスを
コーナーに見立てミニカーを走らす
「回転するヨーイングや!」
今度は 豚子が答える
「車体が外に膨らむ遠心力ね」
豚音が答える
「間違いではないし、どの漫画にもそう書いてあるけど」
正しくは
「ヨー慣性モーメント」
それは、あと3つもある
「そうなの!」
「なんなん!」
豊子はミニカーを止め
縦横に十字線を書き
その上にミニカーを置いた
「これは、車体を設計する時のタイヤからの入力モーメントな物理な計算なんだけどね」
「うん、うん、」
「この2つの中心線にも 時計の秒針のように 回転力がかかってるの」
「そうなんだ」
「でっ三つめは?」
豚子が質問すると、豊子は
ミニカーの向きを変え
縦になる様に 中心の上に置いた
「この地面から 屋根にかけて 縦にも中心線があり、これにも回転力がかかってる」
「車体の真ん中に縦よ」
「へぇー」
「そうなんや~」
「コーナーリング中、この中心線に 回転力がかかってるのは分かるでしょ」
「うん、うん、」
「バイクでも車でも、車体のマス化、聞いた事あるでしょ?」
「分かった、この中心線に、ホイールベースのように、エンジンや部品を集めるんやな」
「するとヨーイングが、僅かな入力でも発生しやすくなる」
「コマの芯みたいな原理?」
「豚音ちゃん大正解〜ここを極限まで突き詰めると、コマの芯になる」
「おぉー」
「理解」
「この十字線の 三つの慣性モーメントは直進している時でも、発生しているんだけど、その説明は面倒なので省きます」
「かまわんよ〜」
「その縦の軸に発生する、ヨーイングが、豚子ちゃんがメモった自転になるのね」
「私はそうかなと、そしてコーナーを走る行為が、公転かなと」
「ウチも、それが言いたかったんよ!」
「嘘ばっかし、うたた寝してたくせに」
笑笑
豚音がちゃかす
「ドリフトってのは、この縦軸の(ヨー慣性モーメント)に前輪で逆らい、タイヤの弱点である斜め方向のグリップを使い、コーナーを走り抜ける」
「なるほど〜」
「明日のために、その壱!」
「はい」「はい!」
二人は豊子に答える
「タイヤを滑らせるのではなく、転がせ!」
「そうなんだ〜」
「師匠おぉー」
「それと、もう一つ」
「はい」「はい!」
「ドリフトってのは、一般道では危険だし、サーキットでは、FFや4WDのグリップ走行より遅いし、役に立たない」
「ガビーン」
「そんな〜」
ただ、
コントロールを
極めてこそ
車体とタイヤの
限界が知ることができる
それが
ドラテクってものなよ
「師匠〜」「先生~」
二人は大袈裟に
豊子に抱きつく
と
ポツポツと雨が
店のガラスを叩きだした
「雨だ!」
「降ってきたじゃん」
豊子が豚音に答える
「ゼットンにLINEしいやっ!」
「うん!」
既に、
豚音と豚子とゼットンのドリ練
LINEグループが出来ていたので
豚音は直ぐにLINEした
豚音
「雨降って来たので、今夜もオナシャス!」
既読
ゼットン
「マジで?」
すると、ゼットンの返事を
読んだ 豚子がすかさず返した
豚子551
「バックれんなよ!」
既読
ゼットン
「はい」
既読 。。。
続きま〜す 🐷
Posted at 2024/07/11 21:13:35 | |
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