ノーマルのままで
4000回転で400キロ
移動距離入れていいから
8の字だけで
走りきってごらん
スタンディング
リアロック
上り坂 下り坂
ダート 舗装路
色んな場所で
400キロもあるんだから
やり方は 何でもイイよ
試行錯誤してね
白バイ隊員や
テストライダーにくらべたら
大した距離じゃないって
8の字だけなら 誰にもに負けないと
タイヤサイズ
リンク式ショックユニット
スイングアーム
オフセット
ステップワーク
アクセルワーク
ブレーキング
ライディングとは
やり終えた時、必ず何か見えるからさ
自称〜元 峠の走り屋
自称〜元 ドリフト族
自称〜元 レーサー
自称〜サーキット族
自称〜じゃ駄目なんだよ
「あいつってバカだよね」
他称〜バカを目指さなきゃ
それが、バリバリ伝説
輪極道~Zeitgeit 3
赤毛とナムルは近所同士なので
一旦、家に帰り車をおき
在日商店街の豊子とキムコの店まで
相乗りでオートンを拾い、走らせた
ガラガラ〜チリ〜ン♪
「あっ、久しぶり〜どうしたんですか?」
夕暮れ時に、ツナギ姿で服部が一人で来たので、豊子は嬉しそうに挨拶をした
「ちょっとな、大森の客んとこの帰りだ」
「元 日産研究所?」
「何時代の話だよ」
服部は笑いながら答える
普段は
デブ巨摩と豚美の指定席だが
服部の時は、VIP 席に変わる
色褪せた黄色のソファーのボックス席に
豊子は案内し お冷を置き
「何にします?」
嬉しそうに注文をきく
「ノンアルとハラミ定食で」
「了解っす」
服部が店内を見渡すと、平日の夕飯前なので、昼勤の工員のおっさん達が一組、ポンビキみたいな風俗屋がバカそうな女と一組だった
スマホを見ると
Reservoir Cats の LINEで
ゼットンが洗車したばかりの
ZRX の写真を自慢気にアップしていた
「ほぉ〜DAEGか」
服部は一人で呟き
ゼットンのDAEGを拡大して
「黒金いいな~」一人で頷くと
「てっきり、旧車 とおもってたけど、黒猫のゼットンにしては 良きチョイスでしたね」
豊子が ノンアルとハラミ定食を
テーブルに置きながら、服部に言った
「1200ってのがイイよな」
「服部さんは、なんで Z 900 RS やめたんですか?」
豊子はグラスにノンアルを注ぎながら
服部がラッシャーに売ったワケを聞いてみた
「さみぃーから」
「えっ、それだけ?」
「カウル無しは、やっぱ無理だべ」
「じぇじぇじぇ!」
「胸に直に風あたんだよ、ビックリだぜ」
呆然とする豊子
「まっ、同じ900なら、ニンジャでも、ドカにも負ける気しねーしな」
服部は肉を焼きながら、軽く言い放つ
「それより、ジスペケに変えたって」
「あっ、バレちゃいました」
「豚の親父さんが 最後に買ったやつだろ」
「そうです、ガンマ 500 壊しちゃったし」
「懲りねーなおまえも」
「てへ・・。。。\(//∇//)\
「あれって、確か、国内に無い、750だったよな」
「です、600 の車体に 750 のエンジン海外仕様のみです」
「どうだ?」
「SUZUKI の最高傑作かもです」
「ほほぉ〜そこまでゆーか」
「ドリっぱなしです」笑
「豚子はどうよ?」
「それが中々、合気道の体幹ですかね?」
「それアルアルかも、豚美も良かったし、あの女、重心とか抜重が上手かったんだよ」
「やっぱり!」
「俺も昔、同じ事を豚美にきいたわ」
「でっ、服部さんが現役の頃、筋トレとかしました?」
「しねーよ、ライディングの筋力は、マシンで鍛えた方が効率的だろ」
「なるほど」
「モトクロスはたまにやったな」
「楽しいですよね!」
(* ̄∇ ̄)ノ
「やっぱり 豚美よりオマエにすっか」
「はぁ、なにがですか?」
「豚子と練習してんの、チバラギの何処よ?」
豚子も LINEにアップしてるので
服部もジムカーナ練習は知っている
「利根川ら辺す、ツーリングも兼ねて楽しいですよ」
「常磐?東関?」
「湾岸〜の東関です」
「まだ、バイク教室は続くのか?」
「上手くなってたら、次が最後でも良きだけど、最後にスペシャルメニュー教えてたいんで、あと2回ほど」
「スペシャルってあれか、俺がオマエに教えたやつ?」
「ですっ!」
「豚子には 8の字 何キロ?」
「移動距離入れて200です、アレって服部さんが最初ですか?」
「まあな、最初平坦で 200キロやって、オヤッサンに自慢したんだよ」
「えぇ、それで」
「上り 100 下り 100 って追加されてな」
「じぇじぇじぇ!」
「で、上りと下りやってたら、豚美と中島も真似しだしてな」
「完走したんですか?」
「んなわけねーだろ、俺が完走したら直ぐにヤメちまった」
「理解す、デブ巨摩さんは?」
「デブだけは、平坦も200 上り100 下り100やって、俺にメーター見せにきたよ」
「マジですか!」
「あいつ、よえ~けど、根性だけはあったからな〜」
(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)
「弱いって・・・それで社長は?」
服部の異次元なセリフに
ドンドン ひいていく豊子
「いや、オヤッサンには 内緒にしてくれって 頼まれたから黙ってた」
「男と書いて漢ですね〜」
「まっ、タイヤ見りゃ分かるから オヤッサンも気付いてたと思うぜ」
「深〜いぃ話ですね」
「漫画の CBじゃなくて、VF だったら間違いなく、中島と豚美より速かったはずだよ」
「そんな、スピンオフがあったなんて」
「でな、話は変わるけどよ」
「はい」
「もし、東関で見かけたらだけどよ」
「はい、何ですか?」
「BM のアルピナ見たら、追ってくれ」
「えっ(; ̄O ̄)
「SUZUKI の最高傑作なんだろ」
服部が 肉を焼きながら、笑う
「アルピナって、昔の BMW ですよね」
「そうだ、金ライン 丸目の B7」
「追うって、何でですか?」
「追えたら、教える」
「マジっすか?」
「完全なオフレコだぞ、豚美と中島にも絶対に言うな」
「何故?豚美さんじゃなくて、私なんですか?」
「なんとなくな」
「は、はぁ〜」
「みっけたら、全開で追うんだぞ」
「了解す!」
感動的な話と
突拍子もない服部の頼みに
喉がカラカラになったので
豊子は服部の飲み掛けの
お冷やを飲み干すと
ガラガラ〜チリ〜ン ♪
呼び鈴と同時に
「ワンバンコ〜!」
赤毛とナムルが
笑いながら店に入ってきた
「いらっしゃいませ〜」
豊子が二人に答えると
「誰だ?」
後ろ向きの服部が聞く
「赤毛さんと、ナムルです」
豊子はハンドルを回す仕草をしながら伝えると、服部は唇に人差し指をあてて、隠れるようにソファーに横になった
「豊子ちゃーん、聞いてよ!」
赤毛がさも楽しそうに
案内もしないうちに
VIP 席の真後ろの
ボックス席に座ったが
服部は子供の隠れんぼみたいに
ソファーに寝そべってるので
赤毛とナムルは 全く気付かない
「どうしたんですか?」
「それがさっ!さっき会社に 好豚ちゃんが 所長にジムカーナ教えろってカチ込んで来たんだよ〜」
ナムルが大笑いしながら
豊子に報告すると
「そっか、もう大型とれたんだ」
「しかも、豚美の刀 S3 でだぜ〜」
「マジで!」
赤毛の補足に 豊子が食い付く
「でさ、ゼットンも一緒になって、デブ巨摩に教え下さいって土下座して」
「デブ巨摩さん、断れなかったの?」
「だって、姉の豚音ちゃんが中坊の頃、散々あそこでドリ練してるし」
「だはっ!」
豊子も辺な発音で吹き出す
「ゼットンなんか、DAEG 買ったくせに、俺よりバイク知らねーんだから」
「好豚ちゃんより、ゼットンの方が 初心者みてーだったよな」
「でしたね〜」
「好豚ちゃんは?」
ナムルが答えると、豊子が質問で返した
「ハイスロ の 握り方から教わってた」
「FCR の加速ポンプをターボって言い出すしな」
「良かった〜先客がいて」
豊子が安堵の溜息をつき
胸を撫で下ろすと
「そっか、豊子は 豚子と オジサン教えてんだっけ?」
ナムルが訊ねる
「そうそう」
「オジサンって誰よ?」
「常総の時、クラブマンで来ていた 豚子の元上司ですよ」
「あぁーあの年配の人か」
赤毛が納得
「定年して大型とって、CB 1100 に変えたんですよ」
豊子が銭形の
経緯を説明すると、二人は
「へぇ〜」「やるじゃん」
「でも、この寒みぃのに、皆んなよくバイクの練習なんて出来ますよね」
「だろー!バイク乗りって 野蛮でバカな人種が多いんだよ」
「例えば?」
豊子が意地悪そうに聞く
豚美 豚子
京子 麻衣子
デブ巨摩
「ラッシャー君もすぐ殴りますしね」
「アイツ、そうなのか?」
「朝高時代は ニ日に一回は誰かしらブン殴られてました」
「マジかよ」
「他には?」
「それは、怖くて言えない」
急に赤毛は口を閉ざした
「誰の事?私?」笑笑
「いやいや、豊子ちゃんはないって」
「誰すか?キムコとカネゴンは俺の下だし、あと他に身内でいましたっけ」
ナムルが首を傾げる
「分かった鮫島さん?」
豊子が発言
「いや、アイツは俺の下だし」
「そっか〜」
「ん〜分からないすよ」
「誰にも言うなよ!」
急に赤毛は身を乗り出し
ナムルに顔を近づけた
「はい」「誰?」
「豊子ちゃんも、絶対にいうなよ」
「私は 秘密は守る女でっす」
「二人とも、絶対だからな!」
「ういっす!」「りょ」
(* ̄∇ ̄)ノ
「早く教えろよ」
えっ(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)
前のソファーから
地獄の使者のような声が
赤毛とナムルに呟いた
「はっ、はっ、は・・・・」
ナムルは言葉に出来ずに
既に呼吸困難に
「赤毛〜誰だよ、誰にもいわねーから教えろって」
服部が席を立ち
赤毛の前に立ち見下ろす
「そ、そ、そんなバカな」
赤毛は失神寸前で呟く
「バカはオメーだ!バカ!」
服部が赤毛に唸り飛ばし
「すすすみませんでしたぁぁ」
赤毛の 絶叫と
血飛沫が店内に 儚く散った
続きま~す🐷
Posted at 2025/02/24 08:50:28 | |
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輪極堂 | 日記