誰だか、分かる人いるかな~?
Reservoir Cats 28
荷重移動
ヨー慣性モーメント
ジオメトリー
スリップアングル
豚音がメモしてると
豚子が覗き込み
「コンプライアンス ステアは?」
「それは、開発段階だから、覚えなくてもイイわよ」
豊子が言う
バンプーイン
後輪に
ヨー慣性モーメントが発生し
ショックが沈み
後輪がトーインになる
豚音が書き終わると
「では、タイヤが空転すると?」
豊子が質問
「ケツが流れます」
「サスペンションは?」
「伸びるんやね」
次は、豚子が答える
「後輪はトーインから?」
「ゼロに戻ります」
「そこでドリフトに必要なのが?」
「シュルハンね!」
「正解〜カウンターをあてて、前輪のスリップアングルの向きを変えてやる」
「だから、シュルハンが早すぎると逆にブッ飛ぶや!」
「おぉぉー!」
「アニメでは、フロントを滑らすになってるけど、それだと、難しく、危険なイメージで捉えちゃうでしょ」
「うん、うん、」
「せやね」
この正と負の
操舵の繰り返しなんだけど
初期型のS2000はグリップ力が高いので
これが唐突に一気に起こる
広い場所で雨の日とはいえ
二人は良く乗りこなしたと思う
「もっと褒めて〜」
「NSX専用ラインの、高根沢工場で作られたのは?」
「ウチの120までや!」
「最初は、この120までの方が、高値だったんだけどね〜」
「今は後期の方が、全然、高いねんな」
120ではスタビライザーは
小径に変更になっているが
130からはさらに
ロールセンターを下げ
リアをロールしやすくしていて
問題のサブフレームからの
アッパーアームの取り付け位置も
上に変えている
「そうなんっ!」
「後期型の2.2になり、乗り安くなった、本当の原因はここなのよ!」
「そうなんやー!」
「名探偵コナンみたい!」
「後期で200cc増えて、電子スロに変わったぐらいで、乗り味がマイルドなんて、昔から私は可笑しいと思ってたんだけどね」
「でも、レビューや雑誌では」
「そう、それが今のネット社会の怖いとこで、昔読んだ記事を、うる覚えで、自称、評論家が流してしまう」
「ちゃんとした専門店だと、後期も前期も扱うから気付いてるんだ」
「そうゆーこと」
「この、リアのサブフレームに変えると、具体的にはどうなんの?」
「先ず、乗り安くなる、限界が来て、滑ってもコントロールしやすくなる」
「おぉぉ〜」
「エエやん」
「ただし、コーナーリングの限界は低くなり、後期はそれを補う為に、タイヤサイズを17インチにしている」
「それはどうゆー意味なん?」
「スイフトスポーツとか 小さいのに 17インチ履いてるでしょ」
「うん、うん、」
「メーカーの本音は、足廻りの限界が低いから、あのサイズなのよ、スイフトや FFの話は 今回は必要ないからしないけど」
「了解す」
「タイヤメーカーも17インチの方が、値段も高いから、メーカーとウィンウィンの関係になる」
「商売うまいねんな~」
「大人の世界なんだ」
「問題の、S2000の後期型のサブフレームは?」
「良く言えば、乗りやすい」
「悪く言えば?」
「下手くそ仕様」
「じぇじぇじぇ!」
32GTR カレラ4から
始まったスポーツ4WD
インプレッサ
ランエボが出揃ったのに
チルト機構もAT設定もない
この初期型のサブフレーム
私にはワザとしか思えない
HONDAのFR 待ってたんだろ?
VTECでドリフトしたいんだろ?
だったら、限界まで攻め
それを超えたなら
この挙動で、コントロールしてみろよ!
ドリフトしてみろよっ!
と、私には青山二丁目から
声が聞こえて来る
「やっぱり変態や~!」
「ヤバいよね」
「全く違う考え方で、大ヒットしてる車があるけど、分かる?」
「なんやろー?」
「分かった!MAZDAのロードスター」
そう、ロードスターは初期型の頃から
このリアの挙動が分かり易く
滑っても安心感を与えるように
モデルチェンジしても
常にジオメトリーを考えて設計して
Fun to Drive をコンセプトに
未だに大ヒットさせてる
「なるほど〜」
そこで、豚子さんに質問です
「リアのサブフレーム、乗りやすい後期型に変更しますか?」
「どないしよ」
「もし変更したいなら、更に車高調に合わせて、アッパーアームの取り付け位置を変え、私が補強もするけど」
「それで、CADやってたんやな?」
「なに?CADって?」
「設計ソフトよ」
豊子はパソコンを開いて豚音に見せる
「凄い〜!映画みたい」
コレはね、設計ソフトで
建築、デザイン、機械
ジャンル別に分かれてて
コレで図面をひき計算して
工作機械にデータを送るの
「そうなんだ!」
「製図版でイチイチ図面書いてたら、字消し板があるけど、変更したい時書き直すの大変だし、工作機械に図面打ち直すのも手前でしょ」
「うん、うん、」
「一軒家でもエンジンでも、図面ってのは、一つの物に、角度別に最低3枚だけど、CADなら一回で、3Dの図面を書いてくれる」
「豊子ちゃんって凄いなー」
「後期の サブフレームに変えた時 のメリットは、乗り安くなるんやな」
「そう、埠頭ドリもやり易くなるけど、ジオメトリーそのものの限界は低くなる」
「タイヤサイズも大きくするの?」
「限界が低くなるし、峠だと、ドリフト出来ないから、インチアップした方がイイわね」
「豊子なら、どないすんの?」
「最初から後期の2・2ならイイけど、前期でここまでやるなら、この車の意味はない」
「なるほど」「確かに」
9000まで回るエンジンが
もてはやされるけど
このリアのサブフレームと足廻り
私は2番目のエゴだと思う
「中島が、万葉でいっとったな」
「パパはなんて言ってたの?」
「開発者のエゴと妥協を知れば、車やバイクは長く付き合え、楽しくなるんだって」
「そうなんだ~」
豚音は目を
クリクリさせる
「本来なら車高調も要らない、86BRZ が出た時、TOYOTAの人間に、初期型のS2000を運転させたら」
「コレ、足は変えてますよね?」
私に、聞いてきた
「おおおお!」「神ってる!」
「LSDだけで充分だけど、せっかくブッシュ類も変えるし、もう20年以上も経ってるし、少しだけ車高落としたいしね」
「ウチも16インチでエエんやけど、隙間が格好悪いよね~」
「だよねー」
・・・(*´艸`)
「初期型の方が限界が高いんやな」
「国産FRでは、歴代でもトップよ」
「マジかやー」
「リフレッシュして乗りこなせれば、箱根の下り、七曲がりでもノーマル16インチで充分勝てる」
。。。。。
「豚子ちゃんは、どーすんの?」
豚子の顔を覗き込む、豚音
「サブフレーム初期型で、七曲がりの下り 走ったろうやないかい!」
「豚子ちゃん、格好イイ〜」
「じゃあ、決定ね!」
「神奈川最速 ダウンヒラーの 意地見せたるわ」
。。。。
「誰も、豚子のこと、そんな風に呼んだことないけど」
「だよね~」笑笑
「それと、16インチに拘る理由はもう一つ」
「なんなん?」
昔、単車で負けたのを
未だに根に持ち
グループ LINE でブスと投稿した
17インチでスポラジ履いてる
クソ裕也を
箱根でオーバーテイクして
完全なる、敗北を与えてやる!
「豚子ちゃんじゃなくて、豊子ちゃんが、ダーリンとバトった方が良くない?」
「ホンマや」
「私は監督よっ!」
泣けるわね~(;´༎ຶД༎ຶ`)
「もう、ええわ・・・」
続きま~す