工具ロマンシリーズです。
今回は、最近手がけた「ブレーキ弄り」の一部の工具についてレポートします。
工具フェチ、工具オタクなアナタ・・・ハァハァしてください(笑)
さて「ブレーキ弄り」と言いますと・・・
・一般クラス・・・パッド交換、エア抜きなど
・オタククラス・・・ホース交換、キャリパー交換、キャリパーOHなど
・ヘンタイクラス・・・マスターシリンダー交換またはOHなど
・超ヘンタイクラス・・・配管製作、ブレーキシステム製作、変更、油圧回路製作など
※とうふ技術研究所独断偏見調査
ブレーキ弄りと言えども幅が広く、作業内容も多岐に渡ります。
工具も同じく一般~特殊なものまで幅がありますが
ここではスパナ、メガネなどの一般的な工具はさておき
オタク以上の弄りについて、主としてフレアナットレンチを中心に、私の使っている工具を挙げてみます。
ええと・・・私はヘンタイを自負していますが(笑)
単なるアマチュアですので「これが正しい」「これが一番」などと言うことではなく
私が所持し、使っている工具の「サンデーメカニックの実際」や「サンデーメカニックの感想」になります。
・・・工具を検討されている方の参考になれば幸いかと思います。
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Snap-on フレアナット・ラチェッティングレンチ10mm RSXSM10A(USA)
全長153mm レンチ角度15° レンチ厚み8.3mm 外径21mm
古くからこれをメインにブレーキ油圧配管の脱着を行っています
精度、強度ともに申し分なく使いやすさも良好
特にレンチ部の剛性は素晴らしく、開きは極小
他メーカーのレンチでは緩められないフレアナットも、これに何度も助けられました
耐久性は言わずもがなでプロの高評価も納得
レンチ角は15°ラチェット角はフラット
サイドビューはこうなります
このレンチのお気に入りがもう一つあります
ラチェッティングです、変な形をしていますが・・・
レンチ側でガツンと緩めた後にラチェッティングで素早く回す、またはその逆も・・・
これが非常に便利良いのです

しかし気になる点もあります
・まず高い(笑)定価は憶えていませんが、実売¥5000~を覚悟しましょう
・ピカピカで見栄えはしますが、手が滑ることが時々起こります
・マスターシリンダー下側など、どうしても入らないことがあります
・止めが無いので、見えにくい所ではフレアナットの奥まで入って六角面が半掛かりになりやすい
(これはどこのメーカーでも同じですね)
などなど
「工具の王様」と言えども決して完璧ではありませんね
しかしながらブレーキ整備のスタメン工具No1の座は揺るぎない逸品です
ヘタレな私を助けてくれる、一生使えるフレアナットレンチでしょう
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STAHLWILLE オープンリングスパナ8×10(写真上)(西ドイツ)
全長145mm レンチ角度10° レンチ厚み7.0mm、8.5mm 外径17.2mm、19.0mm
ロマンを求める私として外せないのがSTAHLWILLE(笑)
STAHLE=鋼鉄 WILLE=意志 STAHLWILLE=鋼鉄の意志
くぅ~っ!・・・この社名にシビれませんか?(笑)
8mm、10mmということもあり、Snap-onより全体的に小振りです
オーソドックスな造りのそれはSnap-onと同様に、精度、強度とも素晴らしく、よく粘る・・・
よく粘る、と表現したのは
Snap-onが圧倒的剛性ならば
STAHLWILLEはやや「ググッ」という粘りを感じ
それが「締めきったぞ」という信号になっているような感じです
それでいて絶対にへこたれない!という強さを持っていますが
このあたりは好みの分かれるところでもあると思います
気になる価格は、定価がわかりませんが、実売¥4000以下とまずまず
私は¥3100程度で購入したと記憶しています
レンチ角は8mm、10mmともに10°
サイドビューはこうなります
このレンチのお気に入りは握り部のデザイン
握りやすく力を入れやすいうえに滑りにくい梨地仕上げがシブ好み
オタクでオッサンの私は完全にノックアウトされました(笑)
地味な見てくれですが、設計が素晴らしい・・・ハァハァしてしまいます(笑)
「Snap-onがあるのに、ナゼSTAHLWILLEも買うんだよ?オタクのコクションじゃね?」
はい、多分にそういうところもありますが、実は理由があります
STAHLWILLEはここが他社と違います
わかります?
これです
私の知る限り、六角の角度が違うのはSTAHLWILLEだけです
その「角度違い」に目を付けました
「角度が違う」ということは
振りが厳しい所でSnap-onと交互に使いながら回すことができるわけです
勿論他社のものとSTAHLWILLEを交互に・・・もOK
このことに気付いてSTAHLWILLEの購入に至った次第です
「ならばHAZETの12角フレアナットレンチを使えばいいんじゃね?」というツッコミもありそうですが
12角フレアが怖くて使えない小心者です(笑)
欠点らしい欠点は特に見当たりませんが
Snap-onと同様
・マスターシリンダー下側など、どうしても入らないことがあります
・止めが無いので、見えにくい所ではフレアナットの奥まで入って六角面が半掛かりになりやすい
(これはどこのメーカーでも同じですね)
といったところでしょうか?
Snap-onよりお安く、それでいて性能は同等かそれ以上
使えばわかる「鋼鉄の意志」にロマンを感じる逸品は
コスパフォNo1、信頼性No1なスタメン工具です
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Pro-Auto フレアナットフレックスギアレンチ FNFG-10 10mm(日本)
全長172mm、レンチ角度フリー、レンチ厚み13.9mm、外径28.8mm、ギヤ数72
ラチェット、首振り式、本締めOK、スパナ部10mm
SEKスエカゲツールがPro-Autoブランドで出している変わり種ですが
プロメカニックより「コレはいいぞ!」と評判になっているらしく
その噂を聞き付けて入手
定価¥4150とお安く、私はちょうど半額にて購入しました
首振りのため固定式では困難なところも角度を調整して入れられ
ラチェットが細かいので、僅かに振りながらフレアナットを回すことができます
いいですね~、これは便利
ラチェット、首振り式のため剛性面を心配していましたが
メーカーが「本締めOK」と謳うだけあって極めて良好
ただし、使い始めて1年未満のため耐久性は未知数です
ひっくり返して回転方向を決めます
ギアレンチによくある矢印刻印は老眼の私には見づらいのですが
コイツは右回し、左回しの識別が色で分けてあり、私のような年寄りにも優しい
その親切設計に好感が持てます
しかし注意も要ります
中のレンチが回転するので、変な回し角度で締めを終了すると・・・
締める時に、ほとんどそうなってしまうとは思いますが・・・
ぬ・抜けない!
・・・初めて使った時にコレで3秒間固まりました(笑)
でも大丈夫!
手でクルクルっと回して割りを合わせてやれば抜けます
狭い所で、締めきった状態でもパイプ部までズラすことができ、手が入ったことがラッキーでした
ですからコイツを使う前に
締めきった状態でパイプ部までズラせるのか?
手が入ってクルクルっと回して割りを合わせてやれるのか?
そこを確認することが肝要なのだと思います
構造上レンチ部が大きく、厚めになります
気になる点を要約すると・・・
・構造上レンチ部が大きく厚いためアクセスが困難になることがあります
・正逆切替がないため変な回し角ではレンチが外れません(笑)
使う時の注意が必要です
・使い始めて1年未満・・・耐久性は未知数です
噂にたがわぬ使い勝手のいいヤツ
「おっ、これはっ?!」と思った方は是非一本いっといてください
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DeenマルチパーパスビットラチェットDNR2F-05H(日本?)
全長172mm、レンチ角度フリー、レンチ厚み13.9mm、外径28.8mm、ギヤ数72、ロングエクステンション付き
Deenはファクトリーギア(FG)のオリジナルブランド
そこから最近発売されたビットラチェットで、入り組んだ所の
標準的な工具が入れづらいようなものの脱着に活躍しています
ブレーキに関してもマスターシリンダー周辺で大活躍
FGにて¥4500で購入、お求めやすい値段です
FGの店舗にてこのような状態で置いてあり
「コレがビットラチェットぉ?」と首を傾げて、説明チラシを見ながら恐る恐る触っていると
スタッフの “こっちゃん” に使い方を教えて頂きました(笑)
(こっちゃんはFG豊橋店の看板娘・・・頼りになります)
ユーザーに優しいこともFGに足繁く通う理由の一つです
首を傾げた正体はロック式首振りです、おぉ!これが欲しかった!
サイズは一般的なビットラチェットよりやや大き目ですが、ハンドル長さも欲しかったのです
使い方によって、これは賛否あるところと思います
コレを買うまではSTAHLWILLE 1/4ラチェット+ビットアダプター+PBビット
で頑張っていましたが・・・・
並べてみると、高さは実に倍近い差があります
専用エクステンションが付属し、延長OK
1/4ラチェットのビットアダプター(φ12)より径が細い(φ10)ので
ボルトが横壁ギリのところも一発アクセスができました
専用エクステンションをこうすればT型レンチに
専用エクステンションをこうすれば延長ハンドルに
これも非常に有効です
実際に使ってみると剛性は十分
M6程度はガツンと本締めできてしまいます
大柄ながら、アクセス性は良好
ちょっと苦戦していたマスタシリンダストッパーを外します
自車はここにブレーキバランサーがあるためノーマルよりも面倒で
脱着はかなり難儀していましたが・・・

はい、5分で外せてしまいました
コイツ、凄いです!ワタクシのハァハァ度はMaxです(笑)
今まではいくつもの工具を使って四苦八苦していましたが
これだけで脱着できました・・・うむ、素晴らしい
気になる点ですが
・DEENはFGじゃないと現物を手にとって見ることが出来ないのです
(ネットで購入はできます)
・エクステンションがもうひとつ欲しいですね
・使い始めてごく僅か・・・耐久性は未知数です
よく考えて造られており、使い勝手は素晴らしく
それでいてお値段お手頃・・・
ビットラチェットをご検討の方にイチオシです
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長々とウンチクをタレましたが、いかがでした?
ブレーキといえども
まだまだ紹介したい素晴らしい工具や、ヘンな工具、知られざる工具がありますので
機会がありましたら挙げてみたいと思います。
工具はロマン・・・
お気に入りの工具で楽しいカーライフを!