前置きに続いては釣行レポートです・・・19:00頃に出発して北へ・・・
夜は景色を楽しめないので、ヴィヴィオの走りと音楽を楽しみます
豊田→飯田→諏訪→佐久(給油)→中軽井沢→北軽井沢・・・途中から雨です
23:00 気温は10℃・・・寒いです
北軽井沢→長野原→中之条→沼田→片品→金精峠・・・雨は降ったり止んだり
相変わらずの天気ですが、深夜の日本ロマンティック街道を辿って・・・
2:00、標高1832mの金精峠に到着、国道標高第3位の峠をヴィヴィオで制覇しました
学生時代に猛吹雪のここをRZ250で越えた「おもひで」が蘇ります・・・あの時は若かった(笑)
・・・もう間もなく到着です
2:30赤沼駐車場に到着・・・仮眠・・・7:00に目覚めました・・・さっそく寝坊です(笑)
もう焦っても遅いので、のんびり釣り支度します・・・
8:00 赤沼茶屋(6:00開店)で1日券を買ってスタンバイOK
店主に訊くと・・・1日券購入者の中で私はビリらしいです
しかも湯川初心者なので「一匹でも釣れたら上出来だね(笑)」と励まされました、とほほ・・・
いよいよ夢の湯川のフライフィッシング開始です
赤沼茶屋の店主から聞いた歩道通行止めの情報を基に、どこで釣ろうか考えます
まあ、遡行(川を歩きながら登る)すれば大丈夫だろう・・・と、楽観視していましたが
それは大間違いでした・・・
湯川は熊のテリトリーなので、いつも着けている「むねさん熊鈴」を今日も着けます・・・
ここは人が多いので昼間に出遭うことはまずないと思いますが念のため
遊歩道を歩きながら景色を楽しみます・・・
戦場ヶ原越しに男体山が展望できます
天気予報は雷マークだったのに、どういうわけかハイキング日和・・・
軽装なハイカーやアマチュアカメラマンが多いです
山の天気は急変するので、私はフル装備・・・背負ったリュックが肩に食い込みます
初めてのスプリング・クリークの眺めにしばし感動・・・これを見るだけでも来た甲斐があります
ゆったり流れるので、川が静かです
ここで大変なことに気付きました・・・
普通の川のような岸がないうえに川底は沼のような状態・・・
ハイチェストウェーダーを履いてきましたが、簡単に腰まで沈んで危険です
渡渉(川を渡る)もできなければ遡行も困難・・・
川から上がってもブッシュが酷くて前進は困難・・・
遊歩道の通行止めまで行ってみましたが、その先の湿地を歩くのは危険・・・
とりあえず行ける所まで探ってみました
川は素晴らしいのですが、ここは屈指のメジャー河川・・・魚の出がシブいです
しかも初めての川なので、まるで勝手がわかりません(笑)
なるほど・・・聖地の洗礼は手厳しいものです
そして休憩しながら、魚の心境をボンヤリと考える・・・どうすれば君を誘惑できるのかい??
山側の遊歩道で迂回して通行止めの上に出てみることにしました
ウェーダーを履いて約4km・・・ハイキングタイムの倍の時間がかかりそうです
同年代のマダムハイカー軍に逆ナンパされてトーク&ウォークを楽しんだり
エゾハルゼミを見つけては観察したり・・・目的地までの長い道のりを楽しみます
ここで事件が・・・シューズのフェルトソールが剥がれてスリックタイヤになりました(笑)
先日自宅でテストした時は問題なかったのに・・・新しいのを買っておくべきだった
困ったな、川に入れないかもしれない・・・でも、行くしかないなぁ・・・
これも洗礼のようです
目的地の青木橋に着いた頃には雲が出てきて、涼しい風が吹き始めました
どうか雷雨になりませんように・・・と、天を仰いで祈ります・・・
川底は相変わらずヤバい状態なのでブッシュ(岸)からのロールキャストしかないな・・・
と考えながら観察していると、メイフライ(カゲロウ)のハッチ(羽化)とライズ(魚が水面で捕食)
ライズは小さく速い「激シブ」のうえに、トリッキーにシュートしないと届かないポイントです(笑)
メイフライ・ダンに近いパターンフライはクリンクハマーのみ・・・演出で勝負します・・・
時々私のフライに顔を出してくれますが、寸前でUターンを繰り返します
う~ん・・・何が不満なんだい??
そんな時を楽しんでいると、小雨とともに水面がザワついてフライが消えました
反射的にロッドを立ててフッキング、心臓が早鐘を打ちます
恵みの雨がブルックを振り向かせてくれました・・・
おぉ・・・美しい・・・型は小さくとも嬉しいものです、ひとしきり眺めた後にそっとリリース
固唾を呑んで見守ってくれたマダムハイカー軍から黄色い声が・・・
あざ~す!お粗末さまでした
バックハンドキャストで2匹目のブルックを何とか仕留めると、その先は前進不可になりましたが
渓相(川の様子)と地形から、もう少しで川伝いの遡行ができそうな感じなので
またまたルート工作(笑)・・・
私の足が今日の長距離歩行に耐えられるか?が心配でしたが
釣れた嬉しさから足取りが軽くなりました・・・もう少し前進してみよう
ここはバックハンドキャストをけっこう使いますね・・・もう少しリハビリしておくべきでした
小田代橋に着いてみると川を歩けます・・・カンが当たりました・・・遊歩道の廃道もあります
しかし、終点の湯滝から下ってきた釣り師がたくさんいます・・・
でも皆さん釣れていない・・・終点は近いので魚は居るハズなのに・・・
そこで、皆さんの釣り方の観察に専念します・・・すると、見えてくるものがあります
ブルックの性格はイワナに似ているハズなのに、それを利用していないんじゃないかな??
ならば、イワナの性格や行動パターンを利用すれば釣れるかも・・・
空いたポイントに入ってフライをシュートするとヒット
次のポイントに入ってまたヒット・・・私のカンは当たりました
ハイカーの拍手に少し照れながら一礼して、ブルックを優しくリリース・・・を繰り返します
近くの釣り師に方法を訊かれて説明したり、談笑したり、まだ魚が居るポイントを譲ったり・・・
とても楽しいひと時です
私が狙った方法は至ってシンプル
障害物のかなり手前にシュートしてギリギリ数cmまでナチュラルに流し
メイフライ・ダンを演出・・・
するとシビアな筈のブルックが何のためらいもなくフライを吸い込んでくれました
私の技術力が高いのではありません・・・スレたイワナの性格を利用しただけです
終点の湯滝直下は釣り師が多いので遠慮して
10mほど下流の地味なポイントで30cm弱のブルックをヒット
滝の展望台のギャラリーから盛大な拍手を受けて
写真を撮るのももどかしくリリース・・・そして赤面の一礼・・・
もっとブルックの眺めを味わいたかったのですが・・・罰ゲームあざ~す(笑)
グラバー氏が育てた湯川を充分に味わえた満足感と、心地よい疲労感・・・
まだ時間はあるし、ブルックも釣れるでしょう・・・でも私は充分満足できました
車に戻るとしましょう
ありがとうブルック達よ、ありがとう湯川よ、そしてグラバーさん ありがとうございました
川に一礼してバス停まで歩きます・・・
手にはブルックの感触がまだ残り、脳裏には元気に泳ぐ姿が浮かびます・・・
同じくバス停に向かうハイカーの皆さんが声をかけてくれます 「釣れましたか?」
私は笑顔で答えます 「ええ・・・とてもいい釣りができました」
雨が強くなってきました・・・でも、気分は爽快です
湯滝から赤沼まで直線距離でも5kmはありますから、帰りのバスがありがたいです
15分で赤沼に到着しました
赤沼茶屋の店主に報告書を提出して、釣りの報告・・・喜んでもらえてほっとしました
車に戻って釣り道具を片付け終えると17:00・・・
夜には雨も強くなりそうなので、このまま帰ることにします
もしかすると、二度と来れないかもしれない奥日光の眺めを目に焼き付けておきました
ありがとう、奥日光・・・またひとつ一生の「おもひで」ができました
そして帰投開始・・・往路を辿って南下していきます
金精峠から諏訪までの約200kmはずっと豪雨でスローペースでしたが
ヴィヴィオは終始快調に走ってくれました
そして諏訪から中央道で名古屋方面に向けて一気に帰宅しました
総走行距離850km・・・
憧れの川で憧れの魚を釣る・・・夢を叶えることができて感無量です
そして奥日光の釣りも、ドライブもたいへん楽しめた素晴らしい旅となり
自信をもって「結構」と言える資格を得られたと思います(笑)
次はどんな旅を楽しもうか?・・・ヴィヴィオと私の旅はこれからも続きます