
ええと・・・馬ではなくて、インパクトレンチです(笑)
とうふ技術研究所の新兵器レポート(工具ウンチク)が始まります。
走り屋の必需品、DIYオタクの必需品・・・
「コードレスインパクト」を検討されている方の参考になれば幸いです。
お漏らし、過呼吸には充分なご注意を!(笑)
コードレスインパクト・・・
サーキットでのアタックタイヤの取付取り外しや、頻繁な足の調整のため
一日に回すホイールナットが100本を超えるのはよくあることで
加えて毎週のように行うメンテナンスでもガンガン使い倒す・・・
これが調子悪くなったり、動かなくなると情緒不安定になってしまうほど(笑)
コードレスインパクトは、私のカーライフには非常に重要なアイテムになります。
このインパクトを大別すると
先端が四角の「インパクトレンチ」と、六角穴の「インパクトドライバー」があります。
そして、それぞれに電源電圧(バッテリー電圧)があります。
使い方によってチョイスが異なると思いますが
腐れ機械屋の私はガツンと締められる、先端が四角の12.7sqで
できるだけ高電圧のものを使っています。
KTC JAE401
トルク:300N・m
電圧:19.2V (Ni-cd)
重量 :2.95kg(電池含む)
定価:¥57200
製造:2006年
その当時は国産最強クラスのコードレスインパクトと言われ
ジャリ好きが高じて全日本ラリーまで登り詰めた工具バカのAbexが現役時代に愛用
全国を巡り、数々のピンチを救い・・・
私には、高くて簡単には買えない高嶺の花的存在にして高性能な逸品でしたが
Abexが全日本を降りると同時に、この夢の工具と奴の思いをを受け継ぐことになり
この頼もしいインパクトのお陰で、充実したカーライフを送ることが出来ました
しかし、時の流れは残酷なもので
10年を経過してバッテリーが1個寿命を迎え、残るバッテリーも怪しい状態(汗)
廃番となって久しく、バッテリー入手は不可・・・はい、情緒不安定になりました(笑)
バッテリーリビルトも考えましたが、今時のインパクトにも興味があったので
IR(Ingersoll Rand) Snap-on BOSCH マキタ 日立 パナソニック 信濃・・・
などなど各社の250~350N・mクラスを調査していたところ
タイミングよくマキタを格安購入しました。
マキタは創業100年を超える、電動工具の老舗かつ国内シェアトップクラスのメーカーで
本拠地を愛知県に起き、県内に数箇所の工場があり、すぐ近所にも工場があります。
トヨタ自動車及び関連企業のほか、機械、電気関連企業が無数に存在し
メジャーなマンモス企業が多い中、地域に浸透している電動工具メーカーです。
私が物心ついた頃から、自宅には父が買ったマキタのフルセットがあり
幼少の頃から、マキタに慣れ親しんできました。
そのセットの電気ドリルは40年以上の時を経て
長男yutaが受け継ぎ、今なお現役工具として使用しています。
現在のマキタは大きく分けて
プロ向けのブルーマキタ(青色主体)、一般向けのグリーンマキタ(緑色主体)があり
私は一部グリーンマキタを使用していますが
今回初めてブルーマキタを購入することになりました。
前置きが長くなりました(笑)
では、そのマキタを見てみることにしましょう。
マキタ TW281DRMX
トルク:260N・m
電圧:18.0V 4.0Ah(Li-ion) 2バッテリー
重量 :1.7kg(電池含む)
装備:LXT(保護機能) BL MOTOR(ブラシレスモーター) APT(防じん・防滴)
打撃モード切替機能 バッテリーインジケーター 照明
定価:¥66,400
製造:2016年
憧れのブルーマキタ・・・
現物を見るために赴いたプロ向けホームセンターで会員限定セール品を発見し
候補の一つであったこの機種を定価の半額以下で入手・・・
生産終了品でしょうか?セール在庫ラスト品の爆安ゲットです、衝動買いです(笑)
KTC vs マキタ
KTCはシンプルかつ男前で頼もしいデザイン
マキタはスタイリッシュなデザインで女性にも優しそう・・・10年の時を感じます
KTC vs マキタ
全長 KTC:約250mm マキタ:約150mm
このサイズが欲しかった・・・取扱い、取回しも楽で、収納も楽
比べるのは酷な気もしますが、KTC比58%の1.7kgという軽さは年寄りにも優しい(笑)
KTCはトリガーの押し加減による制御のみ
今となってはその制御もラフなため、オーバートルクなどの失敗もありましたが
マキタは3段階の打撃モードを装備して回転数、打撃数、トルクを変えられるうえに
極低回転からトリガーの押し加減に忠実に回ってくれます
これも欲しかった・・・状況に応じて強さや回転が調整できることは重要です
弱:1600回転/分 1800打撃/分 80N・m
中:2100回転/分 2600打撃/分 175N・m
強:2800回転/分 3500打撃/分 260N・m
便利な反面 「 制御が緻密=複雑 」 とも言えますから
その点については取扱いに注意が必要なのかもしれません
ライトも付いていて、年寄りに優しい親切設計・・・これは助かります
トリガーのチョイ押しで点灯し、回している時も点灯していますので
サーキット走行後の夕暮れの中でのタイヤ交換も楽になります
では、まずはタイヤ脱着にてテスト・・・ドキがムネムネします(笑)
KTCには恐らく無かったであろう「防じん・防滴」が装備されているので
少々汚れた手でも遠慮なくガッツリ掴めます
外装突起部がプロテクタ的なゴムになっているので、転がっても「ガチャン!」となりません
特にサーキットはインパクトにとって環境が厳しいうえに
少々乱暴に使ってしまいますから、気遣いが少なく済むのはうれしいものです
使ってみて、まず驚いたのが「バランス」
KTCは持ち位置に対して上が重いのでフラフラし、狙いを外すことがありましたが
マキタは上下差が殆どないためフラつきが少なく、狙った所へいきます
うむ・・・素晴らしい
これは軽量なだけでなく、バランスの良さが大きいと思います
打撃モード「強」で一瞬の打撃の後ホイールナットが外せます(締付トルク10kgf)
うむ、KTC並みの「男前トルク」(笑)
本体が小さく、バッテリーも小さいので不安でしたが
スペック以上に力強いトルク(粘り?)を感じます
その割に、トルク反力やキックバックは優しく、安心して使えます
普段はトルクレンチで軽く緩めてからインパクトで回すので、モード「中」で充分ですが
いざという時にモード「強」にセットして、KTCのように頼ることが出来そうです
締める時は打撃モード「弱」で良い感じ
KTCでは気を使っていたトルク制御も、マキタなら楽々・・・
オーバートルクにビビるようなこともなく、安心して締められますが
「ドガガガッ!」という男前な音、震動が少ないので、少々物足りなさを感じます(笑)
時々発生するピロナットの緩みを増し締め・・・
これまでは、大柄で重たいKTCをボンネットぎりぎりに立てて
フラつきながらトルク制御する苦労と、オーバートルクの恐怖がありましたが
こんな時もマキタは楽々・・・
サッとセットができて、フラつかず、モード「弱」で確実に増し締めできます
Li-ionリチウムイオンバッテリー18V
Li-ionは1セル約3.6Vですから、5セル=18Vということになるようです
サイズに対して容量が大きく、動作電圧が高い
途中充電、急速充電に耐え、自己放電が少なく、寿命が長い
Ni-cdニッカドと比較するとサイズが小さいのに容量は2倍もあり、驚くばかり
スペックはともかく、実際に使ってみると、相当なタフネス振りを発揮してくれます
しかし良い事ばかりではありません
過充電、過放電に弱いなど、欠点もあります
慣れ親しんできたNi-cdとの特性の違いによる取扱いには注意が必要です
こんなに小さくて軽いのに、何故KTCと同等か、それ以上の能力を出せるのか???
その秘密は、どうやら「ブラシレスモーター」にもあるようです
従来のブラシモーターに対して効率が約50%増しになることで小型軽量化が実現
高効率化により発熱が少なく、バッテリー消費も抑えられるそうです・・・凄い!
こんなアイテムをチョイス・・・これらも欲しかった
これだけ揃えても1.5万円程度とお安いものですが
これらアイテムが「とうふワールド」を劇的に広げてくれます
ワンタッチアダプターを付ければ、面倒なピン、Oリング脱着から解放され
コマの交換が素早く行えます
ビットアダプターを付けるとインパクトドライバや、ドリルに変身・・・
KTCは大きく、重く、トルクが男前過ぎるので、このような使い方は諦めていましたが
小さく、軽く、制御付きのマキタなら可能
サーキットでコースアウトした時などに外装が割れたり外れたり・・・
そのような時に穴を掘ってタイラップ留めの応急処置をして再アタックができます
さらに、サーキットだけでなく、日頃の整備や日曜大工でも活躍してくれます
はい、と~ちゃんの日曜大工に大活躍です、能率が飛躍的にアップして
たいへん楽しゅうございます
マキタを握ってニコニコしていると・・・
嫁:あっ!また道具買ってる!
私:うをっ!(冷汗)・・・一家に一台マキタが要るのだ(震え声)
嫁:も~、またムダ使い!
私:ぶはは!
でもいいんです、マキタを使って家具や生活道具も直していますから
コイツは家庭円満にも一役買ってくれる・・・ってワケです(笑)
穴開けに使ってみましたが、これも便利!
t=2.0mmアルミ板をステップドリルでφ9.0の穴開け・・・モード弱で余裕です
今までは穴一つ開けるにも「エンヤコラ」とAC100Vをひいて
配線に気遣い、100Vドリルの鬼トルクに気を遣いながらやっていましたが
マキタなら配線の面倒や気遣いは一切不要
「チョイと穴開けしたいな~」 などという時にも抜群の機動力と能率を発揮してくれます
マキタに限らず・・・ですが
バッテリーを供用することで、その他の工具を本体のみで安く選べます
アングルドリル、レシプロソー・・・うむ、これは世界が広がる・・・やばいぞ
毎晩「マキタ総合カタログ」を見ながら悶え苦しんでいます(笑)
マキタの専用ケースでは荷物がかさばってしまうため
機関車トーマスの袋に入れて・・・っと (笑)
足周り関係の工具を入れている「戦闘用工具バッグ」に楽々収納
次なるサーキットが楽しみです
総合的な性能や使いやすさは、想像を超える素晴らしいもので、驚きと感心の連続・・・
時代は工具をこれほどまでに進化させてしまうものなのですね。
マキタを買って2週間・・・タイヤ脱着など車には1、2回程度しか使っていませんが
日曜大工で軽く10回以上出撃するほどの大活躍・・・これにはカミさんも納得
面白く、マルチに使えて、家庭も円満・・・まさしく「一家に一台、マキタ」です(笑)
とても良い買い物ができました・・・うむ、満足。
コードレスインパクトは走り屋にとって必需品でありながら、高額な工具でもあり
ホイホイ買えるものではありませんから、選定が重要になります。
今回インパクトを選定するのにあたり
使っている人のインパクトを見せてもらったり、触らせてもらったり
工具屋さんに赴いて、現物を手に取り、動かし、質問して、現物を見ながら考えることで
ネットで眺めているだけではわからなかった
「本当に欲しいものはコレだ!」というものがよく見えてきたことでした。
そうすることで払った金額以上のものを得る事ができたと思っています。
新たな戦力のマキタは、私にとって恐らくは「ラストインパクト」
大切に、しかしガンガン使って楽しいカーライフにしていきたいものです。