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2021年07月24日

酷道ドライブ2021

一昨年に続き「ヴィヴィオで往く酷道探訪第二弾」として酷道ドライブを楽しみました
ハイペースな国道19号線(別名:木曽高速)をひた走り
野麦街道で分水嶺を越えて上高地方面へ
「酷道」の誉れ高い国道158号線(R158)を訪ねてみます







R158は総延長330km、松本から高山を経由して福井市までを結ぶ
古くから「関東-北陸」最短の物流ルートとして重要な役割を担っているのと同時に
上高地への唯一のルートのため
年間交通量は百万台単位の「交通量の多い酷道」になります
その核心部である旧安房峠~安房トンネル~安曇野(松本)方面を訪ねてみました
40年近く前に「命懸けの安房越え」と恐れられた道を
単車(RZ250)で走った記憶がありますが・・・今はどうなっているのでしょう?







R158の歴史を簡単に紐解くと
戦国時代?に杣道として確認されているそうです
(杣道(そまみち):マタギ、木こりなど山で働く人が利用した細く険しい山道)
そして大正時代に軌道貨車用の整備から始まり、自動車が通れる国道に発展・・・
北アルプスの火山帯は、山も地盤も脆いようで、造っては壊れて改修や変更を繰り返し
工事の事故、崩落、通行車の事故などの犠牲者もたいへん多かったそう・・・
その歴史は「酷」どころか「命懸けのヤバい道」から始まっているそうです
(ネットより写真を拝借しています)









手始めとして旧安房峠にトライ
今はバイパスの安房トンネルがあるため、交通量もたいへん少ないうえに
車はコンパクトで軽快なヴィヴィオなので、名物のきついヘアピンカーブも難なくクリア
RZ250で走った記憶が蘇り・・・なかなかに味わい深い道です
「オイ・・・どこが酷道なんだよ?」 ですよね(笑)
はい、その正体を暴いていこうと思って、今回のドライブを計画した次第です







とあるヘアピンのひとコマ・・・
かつては旧安房峠を大型のトラックやバスも多数走っていましたが
このようなきついヘアピンはヴィヴィオのように華麗に曲がることは不可能です
交通を止めて、何度も切りかえしながら、時には車体をぶつけて壊しながら・・・
これが九十九折(つづらおれ)のあちこちで繰り返されるので
渋滞は日常茶飯事でした







ストレートの道幅も狭いので、大型車同士の離合(すれ違い)は困難を極めます
大型車vs普通車でも困難なところがあります
つまり峠区間全域で交通マヒ・・・交通量が多いので事故も多発・・・
それ故渋滞が酷い時には、安房峠を越えるのに10時間以上かかることもあった・・・
という恐るべき道だったのです







勿論死亡事故も多発・・・
それ故心霊スポットとしても有名で、肝試しに行った人が車ごと行方不明になった・・・
などの恐ろしい話もある、夜は特にヤバいところのようですから
面白半分に旧安房峠に行くのはやめたほうがよいでしょう
明るい時間でもヤバい感じのところが多数あったので
小心者の私は、無念の最期を遂げられた方々に祈りながら、慎重に走りました







途中で展望が開けます・・・焼岳?かな?? 迫力があります







旧安房峠を登り詰めて一息・・・標高1700mオーバー、涼しいです
駐車スペースがあるだけで、トイレすらありません(笑)







峠を高山側に降りて、新ルートの「安房トンネル」を安曇野方面に戻ります
将来は中部縦貫道に繋がる高規格道路・・・旧安房峠の難所を5分程度で通過できます
距離はたったの4.3km、通行料は普通車770円、軽自動車620円・・・
このトンネルを知らない方は「ボッタクリ道路」と思われることでしょう
しかしここにも過酷な歴史があり、通行料が高くならざるを得ない事情があったのです







快適過ぎる道・・・
ここは経済政策や長野オリンピック道路として国が動いた一大事業でしたが
北アルプスの火山帯をブチ抜くトンネルは世界的に例のない難工事であり
現代の技術をもってしても30年以上の時と多額の工事費をつぎ込んだ大工事でした
そして、現代の技術を駆使しても多くの方が犠牲になられたそうです・・・







松本側出口付近に何かを避けるような急カーブがあり、出てまた不自然なカーブ
ここが安房トンネル工事史上最悪の事故現場ということは知っていましたが
車を停める場所はないし、谷が深過ぎて見ることも無理・・・でした
ネットの写真を拝借してみると、左側に塞がれた坑口(こうぐち)、谷には橋脚・・・
ここが「水蒸気爆発事故」のあったところで
犠牲になられた方々は棒立ちのまま即死していた・・・という所だそう・・・
ちなみに、右側の坑口の手前を右に入ると旧安房峠を走れます







幾多の苦難を乗り越えて造られた安房トンネルは・・・・
旧安房峠の渋滞、事故を無くし、安全快適に短時間で抜けられる道
冬季も通行が可能になり、何百kmもの遠回りを解消してくれた道
常識を覆し、日本のトンネル事業を大きくレベルアップさせてくれた道
などなど、「犠牲者・・・」を除けば、総じて素晴らしい道であると思います
ですから、たいへんお安い通行料なのではないかな?
と思え、十分に納得ができました







ここから安曇野方面に下りながら酷道探索・・・まだ「酷」があるんです
それどころか、こちらこそが「酷」「命懸け」と言われる本命であった・・・
という事実を知ることになりました







最初の赤怒谷隧道(ずいどう=トンネル)出口、写真左側に旧道の入口があります
「赤怒谷(あかぬたに)」という名前だけでもワケありな雰囲気です
現道の空き地に停めて徒歩探索します
このあたりは温泉が沸きまくっているようでイオウ臭が凄いです







旧道に潜入・・・
「え~っ?!これが国道?」と言いたくなるような狭い道をしばらく歩くと・・・
ありました!ロックシェッド(洞門)です・・・銘板は何故か「取入隧道」となっています
昭和59年(1984年)ころまで現役だった部分で、私もRZ250で通ったのですが
単車はそれほどの苦労もなく通れたので、深く記憶に刻まれていないのが少し残念・・・
この他にも似たような狭いシェッドがあった記憶もありますが、曖昧です








狭過ぎるシェッドは柱が壊れ、造り直しや補剛、ルート変更の痕跡が生々しく残ります
1964年建設当時の技術では 地質、地形的にこれが限界だったのでしょう
造るのもさることながら走るのも過酷・・・
ちょっと信じられないかもしれませんが、大型トラックやバスも走っていたのです、マジです
ぶつけまくって、シェッドも車も壊しまくりだったことは容易に想像できます
「大型車の安房越えは精鋭のみが許される道だった」
と言われていたそうですが、それも頷けるお話です
写真に写っている方は、たまたま現地で居合わせた人ですが
これよりも過酷な「旧釜トンネル」を走った経験をお持ちの元プロドライバーです
(現道の釜トンネルもプロと関係者しか通行は許されていません)









奈川渡(ながわど)ダムに向かう道中で多数の廃止された旧道が見れますが
車を停める場所が殆ど無いので、仕方なくスルーしながら走ると
狭いトンネルが急カーブした直後に信号交差点が現れて、赤信号急停止(汗)
その先がまた狭いトンネル・・・というレイアウトに仰天しました
後続車は停まった私の車が見えないので、ハザードを点けて追突されないよう祈っていると
車が近付いてくる音が聞こえてきて、ハードブレーキング音・・・
トンネル内はその一部始終がよく聞こえるので恐怖です







奈川渡ダムに到着・・・ダム上がR158です
ここから稲核(いねこき)→水殿(みどの) の順に安曇三ダムがあります
写真下に豆のようにヴィヴィオが映っています(笑)







奈川渡ダムを渡ると入山(にゅうやま)トンネルです
幅は普通のトンネルの約70%と言われており、当然上部アーチも同じような感じです
で、ココはこの狭さで対面通行・・・大型車が対向してこないことを祈りながら凸します(汗)







入山トンネルに入りました
乗用車同士でこの狭さ・・・
大型車は箱の角をぶつけないようセンターラインをはみ出して走ります・・・
狭いうえに首都高環状線のようなカーブとトンネル内分岐・・・
けっこうハイレベルな「酷」を味わえます・・・が・・・出口もハイレベルでした







入山トンネル安曇野側・・・どこがトンネルなのかわかります?
実は入口手前の左直角カーブをクリアして道幅が約半分に絞られるトンネルに進入
という驚異的なところ・・・
エリア88の穴ぐら基地に機体をひねってトムキャットの巨体をねじ込むシーンが浮かびます(笑)
普通車はスローダウンしながら旋回してトンネルに入っていけますが
大型車は対向車が来ないことを祈るように反対車線まで思いっきりはみ出し
各所をぶつけないようトンネル進入を試みます
殆どの大型車が歩くような速度までスローダウンしますから、対向も後続も即渋滞・・・
で・・・振り返ってみると「新・入山トンネル」を建設中ですが、まだまだ先は長そうですね









その後も「狭い」「狭い&曲がりくねった」道やトンネルをやり過ごし
三本松トンネル(現道)を通過して、脇道を梓川対岸に渡ると・・・
私も通ったことのある「猿なぎ洞門(ロックシェッド)」を見つけました(300mmで撮影)
山の崩落により前後道路もろとも消滅したそうで、梓川渓谷に道を造る厳しさがわかります
そしてまだまだ廃止となったり消滅したルート、シェッド、トンネルはあるそうで
「命がけの安房越え」「デスロード」などと言われたのも頷けます








「酷道158号」は旧安房峠がクローズアップされがちですが
実は急峻で谷深い梓川渓谷のルートこそが「酷」の核心部であることが
今回の訪問で明白になりました・・・そして未だに「酷」が残るルートになります







無事に安曇野に降りて、蕎麦やフルーツを堪能し、ワイナリーを訪問・・・別世界です(笑)
「命懸け」「デスロード」と言われていた「酷道158号線」は
長きに渡って携わっていただいた人々の大変な努力のお陰で「酷」が少なくなり
私が初めて走った時と比べても、ストレスや危険が少なく走れる道になってきたことに
驚きと感謝の気持ちでドライブすることができました
現在も「酷」な部分の改修やルート変更の工事は続けられており
いつの日か「アルプス越えを楽しめる快適な国道158号線」になることを願っています
これから夏の観光シーズン・・・皆様、どうかご安全に!
ブログ一覧 | ヴィヴィオあれこれ | 日記
Posted at 2021/07/25 10:57:07

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この記事へのコメント

2021年7月25日 14:14
こんにちは。
僕も年イチ必ず訪れる道、トンネル、ダムです♪
今でも結構酷い?道ですが、昔はもっと・・・でしたね。
安房峠はもう30年行って無いな~(^_^;)
また行きたくなりましたが小さなマシンがいいですよね~(^_-)
コメントへの返答
2021年7月25日 20:48
こんばんは。

新穂高?平湯?あたりの温泉でしょうか?

この道、私が10代の頃に通った時は
もっと酷かった記憶がありますが
今もその面影は色濃く残りますね。

酷道は豆グルマが楽ですね。
みすた~さんもヴィヴィオ増車しましょう(笑)
2021年7月25日 22:14
こんばんは⭐️
安房はトンネルができていない時に何回か超えました🐾S-1的にこんなもんかくらいで走っていましたが、絶対に独自レスキューグッズは積んでましたね〜📦攻めにいくのではなく必要で超えたもんで。父は私なら大丈夫と言っていましたが大変な道を平気で通りに行ったと知ったのは2回目くらいの時に他人に教えてもらいました💦
S-1は上高地までの道や風景が子供の頃から大好き💕
小4まで毎年両親が上高地に連れて行ってくれました🐾
父がいっつも整備して万全になっているスバル360、次はスバル1000、次はR2で釜トンネルをスイスイ登っていくのが子供心に父もクルマもすごいなあと思い誇らしくて目的地には自分の名前の川があって嬉しくての記憶があります。いつか自分も自分で運転して上高地に行こうと夢見てましたが一般車禁止になり叶わず。とうふさんのおかげで松本のだいぶ手前のショートカット道から梓川沿い、釜トンネル、安房峠が蘇りました。
コメントへの返答
2021年7月27日 21:13
こんばんは。

安房峠、釜トンネル経験者とは!
S-1さん、お父様ともに
凄い「酷道エキスパート」です(汗)

>S-1的にこんなもんかくらいで走って

そうですね。
私も深く考えずに走っていたのですが
オヤジに安房峠の話をして
初めてその正体を知りました(笑)

私もオヤジが駆る初代カローラに乗って
上高地に行った記憶がありますので
釜トンネルも通った筈ですが
記憶がないんですよ(笑)

次回お会いの時に
酷道談義をお願いします。
2021年7月26日 9:40
こんにちは。お疲れ様でした。
こういう酷道の旅、大好きです。なんかこちらも旅してる気分になれますね。ビビオだと狭い山道でも楽に走れるのが良いですよね!
やっぱ、岐阜、長野方面は面白い場所が多いです。
私も夏休みは近場ですが山へドライブ行きたいです。
まずは超暑がりの嫁さんを説得せねば・・・(汗)
コメントへの返答
2021年7月27日 21:14
こんばんは。

今回の酷道レポートはいかがでした?
またチャンスがあれば
趣の異なる酷道に挑戦して
peteruさんに旅気分を味わってもらおうかと思います。

ヴィヴィオの機動力はまさに酷道にぴったりで
狭くても、急坂でもパワフルに走ってくれて
国道を満喫できました。

peteruさんも休暇に
「酷道&遺構」の旅を楽しんでください。

プロフィール

「整備」
何シテル?   10/01 22:24
山釣りの旅を楽しんでいます
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