酷道425（シニゴー）に挑戦しました　前編

日本三大酷道の一つとされている国道425号線・・・
「シニゴー」「死にGO」と呼ばれる誉れ高い酷道に挑戦してみました
※日本三大酷道・・・R439（ヨサク）、R425（シニゴー）、R418（R157）







レポートの前に、簡単に国道425号線を紹介・・・
三重県尾鷲市を起点に紀伊半島南部山間を横断し和歌山県御坊市を終点とする
林道も含めて1982年に国道昇格した総延長194.8 kmの国道です
この道の起源、歴史などはよくわかりませんが
熊野古道の一部にもなっており、千年の歴史を誇る由緒ある道と思われます
別の顔として・・・
国道にしてほぼ全線が酷い「驚異の酷道」としてその名を全国に轟かせており
酷道ファン垂涎の道としても君臨・・・
道路改修は少しずつ行われているようですが、未だ災害通行止めが頻発し
前線踏破が難しい「開かずの国道」とも言われています







GWを迎えて全線開通の情報をキャッチ・・・天候も回復傾向・・・
10年の時を経て、やっとチャンス到来・・・行くなら今しかない！
ということで、深夜のR23～R42をひた走り、尾鷲を目指します








自宅からおよそ200km・・・尾鷲にたどり着きました
最後のコンビニで車と装備の最終点検を行って準備万端
ここから約200km、恐らく途中でビバークすることになるので
24時間は携帯やコンビニなどに頼れない、俗世から隔絶された旅になると思われます
頼れるものは自分自身・・・ヴィヴィオよ、よろしく頼むぞ








憧れのシニゴーのアタックを開始・・・ま～酷い（笑）　
10年越しの思いを噛みしめて、初っ端から見せつけてくれる「極上の酷」を味わいます
やがて徐々に慣れてきて、驚きや緊張が和らいでくると、ドライブが楽しくなります
酷道アタッカーの極意は「真剣に（運転して）酷を楽しむ」ことだと思います







携帯の電波はすぐに消滅・・・行方不明者になりました（笑）







そして蝮草（マムシグサ）が行く先を案ずるかのようにカマ首をもたげてお出迎え・・・
その名の通りの見た目に加えて毒もあるので、見るだけにしておきます







離合（すれ違い）困難、落石落木、流砂、路肩崩落・・・這うように歩を進めていきます
目も眩むほど谷深いところも多く、ちょっとした冒険旅行です








奈良県に入ると高速のキロポストと同様、100mごとに小さな標識があります
写真は90なので、県境の起点から9kmの地点ですよ・・・ということなのですが
連絡先こそ書いてあれ電波はゼロ・・・
・・・ムロイさん！シニゴー封鎖できませ～ん！（踊る大捜査線風）







池原ダム湖に到着・・・ビッグバスの聖地です
早朝からバスボートに乗るアングラーがたくさん・・・
私もフライフィッシィングを楽しみたいところですが、先はまだ長いので涙を呑んで進みます
この先は十津川村までが最大の難所といわれる区間です
突然の通行止めなどがあれば、そこで試合終了・・・
何事もないことを祈りながらダム堤体を走ります








昭和3年（1928年）建造の池原橋・・・レトロ感溢れるトラス構造が美しい・・・
90年以上前にこんな素晴らしい橋を造っていたことに暫しの感動・・・
知らない世界に遭遇するのも酷道ツーリングの楽しみなのです









酷は「極上」から「最上級」へ・・・
酷道マシンを自負する私のヴィヴィオをもってしても、少々苦戦・・・
ハラハラドキドキが長く続きます・・・携帯の電波もずっとゼロ・・・
ハートの弱い方には厳しい道程になりそうです
また、酷道慣れしていない人にはショッキングでしょう
えぇと・・・私は心臓にワイヤーが生えているので「ゼンゼンオッケー」です(笑)
・・・旅は泰然自若、豪放磊落です







事前情報通り　峠越えのトンネル工事もGWは工事休止
ホーンを鳴らして先の見えないトンネルに突撃します









お昼前に十津川村に到着・・・道の駅で昼メシにします
ここは鉄道や高速道路など主要交通機関から遠く、アクセスが容易ならざることから
「本州最後の秘境」と呼ばれています







道の駅の駐車場は私の車が入って満車になりました
隣のベンツ氏が私の車を見て
　ベ：おぉ！ヴィヴィオですか！いいですな～・・・どちらからお越しで？？
　私：尾鷲から山越えです
　ベ：ヴィヴィオで酷道ですか！楽しまれてますな～・・・ベンツはつまらんですわ
　べ、私：わははは！








お昼の後は少し観光・・・まずは谷瀬のつり橋で空中散歩です
橋を歩きながらの景観は素晴らしいのですが
下を見ると・・・高所恐怖症の人にはお勧めできませんね
「心臓にワイヤー」な私でも、強い風が吹くと少々ビビリが入ります(笑)








熊野古道の途中に位置する「果無の里（はてなしのさと）」も訪問してみました
その素晴らしいロケーションから「天空の郷」と呼ばれているそうで
かつて参詣者が投宿していたと聞きます
熊野古道に絡んで世界遺産にも登録されているそうです







石畳の道、石積みの壁、古い民家、山あいの田畑・・・
50年以上前に岐阜の山奥に住む祖父の家に行った時と同じ風景がそこにありました
幼少の頃のかすかな記憶が蘇り、何故か涙が・・・
苦労してここに来てよかった・・・いい風景を見ることができました





※今回の旅は編集や写真が多いので　後編に続きます・・・暫くお待ちください