「日光を見ずして結構というなかれ」という格言がありますね
そしてフライフィッシャーにとっても日光は結構な存在なのです
その結構な存在とは奥日光戦場ヶ原を流れる湯川という小さな川・・・
日本のフライフィッシング発祥と言われる聖地へ、夢を叶えるために行きました
まずは川の紹介やこの釣行に関する経緯などウンチクからスタートです
えぇと・・・興味ない方はスルーしてくださいね~(笑)
私と日光・・・
初めて日光に行ったのは中学校の修学旅行でした・・・
豪華絢爛にして荘厳な東照宮や、雄大な奥日光に感動したものです
そして大学時代は隣県の福島に住んでいたので
単車の日帰りツーリングに日光、奥日光へ通う身近な所になりましたが
当時は釣りを殆どやっておらず、フライフィッシングもやっていなかったので
奥日光の湯川の存在は全く知りませんでした
日光湯川・・・
「湯川」は全国に数多くある河川名で、ここでは「日光湯川」と称することにします
標高約1400mの奥日光戦場ヶ原を流れ、中禅寺湖に注ぐ僅か11.2kmのスプリング・クリーク
雄大な湿原を流れる日本離れしたロケーションが特徴で、国内屈指の人気を誇り
ラムサール条約に登録されているエリアの中に位置します
一般河川とは異なり、農水省管理の「遊漁に関する試験・研究河川」という川でもあり
魚種は北米産ブルックトラウト(以下ブルック)が主体で放流はなく、自然繁殖のみ
研究河川でもあるため全域キャッチ&リリース(C&R) つまり魚の採捕は不可・・・
フライ、ルアー、エサなどの釣法が許されていますが
メジャーにしてC&Rのため魚の警戒心は強く、釣りの難易度が高い川とされています
入川には2000円の一日券を購入、釣りの後に調査報告書を提出する必要があります
エリア内は全面禁煙、その他自然保護のためのレギュレーションがあります
(スプリング・クリーク:湧水を水源とする川)
(ラムサール条約:湿地の保存に関する国際条約)
日光湯川とブルックトラウトとフライフィッシング・・・
明治の頃より奥日光は欧米人の避暑地となる背景があったことから
1902年にグラバー商会で有名なトーマス・ブレーク・グラバー氏(以下グラバー氏)と
英国領事館員ハロルド・パーレット氏が鱒のいない湯川のブルック定着の事業を行い
欧米貴族の娯楽であるフライフィッシングを日本に導入したと言われています
その後、皇室の財産となり、外交高官の釣り場としても利用された歴史もあり
その功績を称えられ、日本のフライフィッシング発祥の地と言われるようになったようです
幕末の武器商人として名を馳せたグラバー氏の知られざる一面が興味深いですね
その歴史を知って、日光湯川でのフライフィッシングが「夢」となりました
ブルックトラウト・・・
北米産で、ブルック(小川)トラウト(マス)という英名からカワマスという和名になりましたが
サケ目サケ科イワナ属に分類されるイワナの仲間になります
魚体はイワナに似通っていますが、派手な斑紋が特徴とされており
生態はイワナと似ているところもあるようです
釣ったことも見たこともないので、私にはたいへん興味深い鱒でもあり
ブルックをフライで釣り、この目で見ることも夢でした
私と鱒とフライフィッシング・・・
幼少の頃から近所の川で釣りに親しみ、やがてイワナを釣り始めましたが
毛鉤釣りに興味を持ち始めてフライフィッシングに転身・・・その後はメジャー河川を転戦・・・
その面白さのあまりノイローゼになるほどのめり込んだ挙句、命を落としかけること数回
それ以来、命を削らない、神経をすり減らさない「だいたいフィッシング」に落着きました(笑)
鱒とあらばどんなものでも好きですが
源流のネイティブなヤマトイワナという希少種が最も好きな鱒であり
御岳の源流域で仕留めたレコードは35cmの猛々しいヤマトイワナです
(写真はレギュラーサイズのヤマトイワナです)
命を落としかけること数回・・・
若い時は 流されたり、崖から転落したり、遭難しかけたり、熊に遭ったり・・・
急流で知られる梓川本流で大型ブラウンを仕留めた時はこんな感じでヤバかった↓↓
映画とは異なり、私は無様にもがきながら流されていたと思いますが・・・
まぁ、私もブラッド・ピットも若かった・・・ってことです(笑)
彼と私は同じ歳でもありますが・・・カッコよさは天と地ほどの差があります(笑)
(映画 A River Runs Through It 1992年)
VIDEO
カーライフとフライフィッシング・・・
釣り好きには車好きが多く、車好きには釣り好きが多いもので
ご多分に漏れず私もその一人として釣りと車を楽しんでいます
特にフライフィッシングはツーリングを楽しむこともメニューとしているので
長距離走行や山岳路を楽しめる車が不可欠・・・
現在乗っているヴィヴィオは運動性、直進性ともによく、燃費も良いので最適ですが
古くて狭いという問題があったのでレストア、モディファイ、チューニングを実施
4年半の時を経て釣りに行ける仕様にできたので、フライフィッシングを再開しました
・・・車も釣りもスローライフです
釣行スケジュール・・・
日光湯川は5~6月が釣りに適する時期のため、梅雨入り直後の週末に計画・・・
今回は金曜の夜に出発、土曜は釣り&ビバーク、日曜の早朝から帰投
という、年寄向きのスローなスケジュールにしました(笑)
日光湯川へのルート・・・
片道約450km・・・山岳コースを楽しんで群馬側から奥日光入りしました
学生時代の帰省や長野方面のツーリングに単車で頻繁に走っていた「おもひで」もあり
「国道標高第3位」を誇る金精峠を踏破することも楽しみだったのです
ビバークについては、予想よりかなり早く釣りが終わって帰ってしまいました
釣りの装備について・・・
私のロッドコレクションの中から、あらゆるシーンで信頼性が高く、使いやすい
ORVIS TRIDENT 8ft6in にSA(scienthific anglers)ディスクブレーキ付フライリール
フライラインは川に合わせてDT4F&リーダーティペット6X 12~15ft
フライパターンは潔く絞り込んで、演出で何とかします
アダムスパラシュート、エルクヘアカディスの古典的なベーシックフライ
フローティングニンフを模したクリンクハマー・・・以上を数本ずつ巻きました
その他は予備ロッド、リール、ライン、フライ及び渓流用ギアなどを準備しましたが
今回新たに導入したフリップ式偏光グラス用老眼鏡と
スポーツ用虫除けスプレーが大変良い仕事をしてくれて、快適な釣りを楽しめました
今回の釣行の目的・・・
「夢を叶える=日光湯川でのフライフィッシングを楽しむ」ことが一番の目的ですが
事前調査から得た情報を基に、釣りにおいても、車においても、宿泊においても
計画と準備がうまくできていたのか?つまり全体的なコーディネートがうまくできたのか?
を確かめ、不備不満や見落としがあれば、改善ネタにしよう・・・という目的もありました
結果は85点・・・いや、90点でしょうか? 小さな問題があるにはありましたが
ドライブも、釣りも概ね楽しむことができ、コーディネートは上々でした
曇り時々雨で天候は思わしくなかったのですが、釣りは素晴らしいものになりました
次はその様子をレポートしたいと思います