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とうふ@TW2のブログ一覧

2012年12月28日 イイね!

おもひで 「諦めず走る」を教わる

おもひで 「諦めず走る」を教わる








ゴマちゃんが浮かぬ表情で言った
「壊れて・・・しまいました・・・」

最速戦には何かが潜んでいる
そして、それは気まぐれに取り憑いてエントラントに試練を与える

ゴマ号のボンネットを開けて僕は目を疑った

・・・何だこれは!?

どこのメーカーなのだろう?
クランクプーリーが割れて落ちている
しかも差込根元はクランク軸に刺さったまま・・・
狭いスペース、少ない工具、時間も少ない・・・・

どうする? 午後のヒートまで1時間と少し・・・
僕もアタックしなければならない
でも彼は・・・どうなる?

待て・・・直せる可能性はゼロじゃないのに
一体俺は何を考えている?

互いに戦い、助け合い、切磋琢磨してきたライバルであり仲間なんだ
彼がいなければ今の僕はなかった・・・
何もせず僕だけのうのうと走ろうなどできない
仮に戦わずに勝てたとしても
僕には何の意味も無い

一瞬の迷いを恥じながら即座に工具を掴んでトライ

プーリーボルトにボックスがかからない
レンチを探して走り回る

マイスターさんからお借りしてレンチをかける
SSTなどあるはずもない
ベルトをロックしたが滑って緩められない

「セルを回して~っ!」
いつの間にか緒方社長も現れた

レンチを満身の力で固定し衝撃に耐える
「ガツン」  やった、緩んだ!

ラジエターファンをレガ君が外す
緒方社長が潜り込んで抜く
周囲の人々がアシストをする

だが残った差込根元に何も工具がかけられない
ポンププライヤーも入らない

「じゃあ・・・やっちゃいましょうか!」

緒方社長がおもむろにドライバーとハンマーを掴む
「バリン・バリン・・・」ベルトカバーを割りながらスペースを作り
プーリー根元を打撃する

何度も何度も打撃する

一体どのくらい叩き続けたのだろうか?

少しずつ・・・ほんの少しずつプーリーが動く

余裕すら感じられる緒方社長に圧倒されつつ
僕はプーリーを掴んで引っ張る

僕の手とドライバーはほんの数mmの距離
打撃の手元が狂えば僕の手はイチコロだ

しかし緒方社長は寸分の狂いもなく叩き続け
信じて疑わない僕は引張り続ける

ふっと手が軽くなる
抜けたぞ!

上の駐車場まで工具を持って走る
足りないものを取りに戻る
再び上の駐車場まで走る

競技は粛々と進行してゆく・・・

デモカーのプーリーを外そうとゴマちゃんとウラちゃんが頑張っている
しかし巨大なラジエターに阻まれて外せない

即座に耐久マシンに移動して何とか外す
ゴマちゃんがプーリーを持って走る
僕は片付けをしてその後を追いかける

既にプーリーを取り付けて締め込んでいる
ベルトを張る
ラジエターファンを取り付ける
ジャッキダウン

レガ君が出走・・・
僕は次の次だ、間に合うか?

ゴマちゃんがエンジンをかけて様子を見る
つよぽん氏が出てゆく
もう時間がない・・・

ゴマちゃんが「○」のサインを出す
僕も「○」で返してマシンに飛び乗りアタック・・・

ピットに戻ってひと息つく
ゴマちゃんがゆっくりと出てゆく
親指を突き出すと・・・彼は眼で応えた

ハプニングの御礼と言わんばかりの緒方社長の爆裂トークが
スピーカーを通じて響き渡り
場内に暖かな笑いが沸き起こる

・・・ゴマちゃんは何も知らずに疾走する(笑)


いいんだ
走れたら、それでいいんだ
その諦めない心があれば夢は叶う
いつか・・・必ず夢は叶う

そう思いつつ
トークに笑いながら
こみ上げるものをこらえながら
その走りを見届けた
Posted at 2012/12/28 21:15:43 | コメント(7) | トラックバック(0) | おもひで | 日記
2012年10月12日 イイね!

おもひで 幻の東山マルホランド

おもひで 幻の東山マルホランド












深夜に集まる走り屋達は様々にその名を呼んでいた。

東山マルホ
東山サーキット
名古屋サーキット・・・

かつて名古屋の東山公園に位置し
「東山ドライブウェイ」が本当の名称だったと思う。

公園ロータリーを起点に一方通行でぐるりと周り
ローターリーに戻る。

道幅は狭く、見通しは悪く、路面は悪く、ツイスティ。

すぐ近くには3車線道路と大都会・・・

そこで走り屋達は熾烈なバトルを繰り広げていた。

高校2年の時に兄のTA22のN席でこのコースとバトルを知った。

TE27、37、47、55、KP47、61・・・

軽量級マシンが有利なこのコースで
やや大柄なTA22は不利ながらも
コースを知り尽くす兄は善戦していた。

メカフル車のTA27またはRA25が出したと噂されるタイムに
誰もが挑み続けていた。

そこでの武勇伝を聞くたびに心が踊り
「いつか挑戦しよう」と一人密かに想い続けた。

それから2年後
RZに乗り、東北の山で修練を積んで、このコースに挑んだ。

「東山でバトルをしよう」
そう約束していた従兄弟のA君とともに。

マシンは互いにチューンドRZ・・・
絶対に負けられない。

エンジンをレーシングさせて待機
コースが空いた瞬間に示し合わせたかのように飛び出してゆく。

器用とは言えないRZのステップとチャンバーを削り
膝を擦りながら肩はガードレールスレスレを通してゆく。

他車に絡んでバトルが不成立になると再び待機・・・

やがて季節外れの雪が降り始め
決着はつかずじまいとなった。

「またいつかやろう」 と約束をして別れた。

数ヵ月後の休みに帰省してすぐにコースに寄ってみた。

・・・入口に大きな柵が立てられ、コースは封鎖されていた。

A君との勝負も、4輪での挑戦も幻となってしまった・・・


久し振りに東山公園の前を通った。
30年ほど前のアツかった自分を
ふと思い出した。
Posted at 2012/10/12 22:10:37 | コメント(3) | トラックバック(0) | おもひで | 日記
2012年08月03日 イイね!

おもひで 浅間レースコース

おもひで 浅間レースコース











単車時代から軽井沢が好きである。

ツーリングといえばここをコースにすることが多く
何かと理由をつけては数え切れないほど訪れた場所だ。

とうふ号でも何度も訪れている。


今から約30年前のちょうど今頃(当時の僕は20歳)
付き合っていたカミさんをRZに乗せてツーリングをした。

旧軽井沢、ロマンティック街道、浅間周遊、鬼押ハイウェイ・・・

その中で一番思い出深かったのは
浅間レースコースを走ったことである。

浅間レースコース・・・
全長9000m以上 1950年代に造られ
伊藤史郎、望月修、砂子義一、高橋国光、北野基、生沢徹、田中健二郎・・・
僕も知っている名ライダー、名ドライバーが輩出され、やがて世界で活躍・・・

しかし数回程度の開催でレースコースの幕を閉じ
モータースポーツの黎明期に数々の伝説を生んだ幻のコースであったと聞く。

その後は70年代後半まで自動車テストコースとして使われて役目を終えた。

僕が訪れたのはその数年後であった。
当時ネットはなくて情報が乏しく、噂のみ聞いていたが
大藪晴彦の小説に記された文を頼りに、現地で聞き込みながら「伝説の地」に辿りついた。

「立ち入り禁止」が掲げられている柵を乗り越えて忍び込んだ。
見回せば観客席の石垣が草に埋もれ、一面のススキの中に眠り続けるコースが確かにあった。
遠くからは蝉の声、鳥の声、風の音・・・

でも僕は見たことのないここでのレースを、この静かな情景に重ねていた。

エンジンをレーシングさせる伝説のライダー達、一万人を超える観客のざわめき、オフィシャルの声・・・

そんな事を思い巡らせているうちに
どうしても走りたくなってしまった。

ちょうど具合いの良い岩にカミさんを座らせておいて、単車の入る隙間を探した。
なかなか見つからなかった。

諦めかけた時に、高い土手をオフローダーが忍び込んだと思われる隙間を発見した。

極端に下げたRZのハンドルを握り、スタンディングしてニーグリップ
高校時代に叩き込まれたオフロードライディングを思い出して一気にスロットルを捻った。
乗り越えざま 逆落としのようになり、着地で見事に転倒した。

深い火山灰のコースは僕を黒いススで歓迎してくれた。
僕は全身真っ黒になったけど、柔らかいそれが僕とRZを守ってくれた。

カミさんのいる所まで走ってみた。
深い火山灰、低速スカスカのエンジン、ハイグリップタイヤ、堅い足、低姿勢なレーシングポジション・・・

できるだけ後輪に荷重をかけてノーヘルでヨロヨロと走った。
レーシングチャンバーからチューンド2サイクル特有の金属音が吐き出されてコースに響いた。
黒々とした火山灰の中にポツンと座っているカミさんが見えた。

顔まで真っ黒けの僕が近付くと、カミさんは腹を抱えて笑っていた。

「俺達は不法侵入者だ!」と黒い顔で悪ぶって言うと、カミさんはまた笑った。

ヘルメットを置いて、カミさんを乗せて走り出した。
ロー、セカンド・・・
それ以上はスピードが出せないし、出したくなかった。

何度も転びそうになり、そのたびに笑った。
しばらく走ったところで引き返した。
見たことも会ったこともない名ライダー達と走り、会話ができたような気がした。
2人とも顔が黒ずんで口の中がジャリジャリになった。

ふと見上げると、浅間山と入道雲が綺麗だった。

どうして軽井沢が好きなのか?
その一つの理由がここにあることが何となくわかった。


久し振りに早く仕事を上がっての帰り道で
正面に浮かぶ大きな入道雲を見た瞬間
恐れるものなど何も無かった頃の、素晴らしい「おもひで」が鮮明に蘇った。

あのコースはどうなっているのだろう・・・?
また軽井沢に出向いて訪ねてみたいものだ。
Posted at 2012/08/03 19:16:59 | コメント(3) | トラックバック(0) | おもひで | 日記
2012年03月17日 イイね!

おもひで集め

写真整理のついでに作ってみました。

これからも素晴らしい「おもひで」を作っていきたいものです。

Posted at 2012/03/17 22:56:30 | コメント(6) | トラックバック(0) | おもひで | 日記
2012年03月04日 イイね!

おもひで 黄昏夢 

おもひで 黄昏夢 久し振りにフライを造りたくなったが
はて・・・何を造ろうか?






しばし考えているうちに12年前の出来事を思い出した

その日は友人Kと秋神川を一日釣り歩いたが、どういうわけか全く釣れなかった
曇天微風で好条件の筈だ
気になったのは水棲昆虫が殆ど見られない事だった

そんな時はテレストリアル(陸生昆虫)で大体いけるのだが
何をやっても反応すらないお手上げ状態のまま夕暮れを迎えた

「帰ろうか」
川伝いに車が停めてある所まで夕闇の中を歩き始めた

暫くして淵に出くわし小休止
タバコに火を点けてぼーっと川面を眺めていると

「ゴポン」と微かな音・・・

「ん???」
2人して同時に小さな声を上げると
「・・・ゴポン」
今度は間違いなく聞こえたライズ(魚が水面に出る)の音・・・
気付けばメイフライ(カゲロウ)がフワフワと飛び交っている

こんな時に言葉はいらない
互いに顔を見合わせるとメイフライを付けている僕が先に川へ降りて行く

水面の波紋が徐々に増えていく
逸る気持ちを抑えて精密なキャスティングとヒットポイントをイメージしながらポジションを選ぶ
地形的にアップクロスでしか出来ない
ロングキャストから着水寸前にラインに弧を作ってフライ先行で流すしか方法はない
失敗すれば魚はたちまち逃げてしまうだろう

夕闇ではイメージが全てになる
重い流れに押されながらも踏ん張ってラインを引き出し
見えないキャスティングからシュート
見えないフライをイメージだけで追いかける

僅かに水面が盛り上って揺れたように感じ
反射的にロッドを立てる
フライラインが跳ね上がり重い衝撃が伝わる
ヒットだ

暴れさせると他の魚が逃げてしまう
細いティペットを切らないように、逃げる隙を与えないように素早く水面に魚を誘導し
斜めに滑らせて手元に寄せてくる
薄暮の中、綺麗な岩魚であることが辛うじてわかる
数秒眺めるとフライを外して流れにそっと帰してやる

Kが小さく拍手し、僕はロッドを小脇に抱えて礼をとる
次はKの番だ・・・

果てしないかのように黄昏時の夢が続き
いつしか2人とも釣りを止めて岸際でライズを眺めていた

先程逃がした筈の岩魚が僕達の足元に戻ってきてじっと休んでいる
それを見て2人で大笑いしてしまった

「またこんな夢に出会えるといいな」とKが言った

数年後、Kはフライフィッシングから降りた
体力も視力も随分と衰えてきた
それらを境に僕もフライに行く回数が減ってしまったが
今でも夢を追い続け
時には一人山へ出かけている

そうだ
あの時と同じメイフライをいくつか巻いてやろう
美しい鱒と出会える事を願って
Posted at 2012/03/04 00:15:25 | コメント(4) | トラックバック(0) | おもひで | 日記

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