先月に準備したZⅡを元旦のALTでテストしてみました。
タイムは参考として、あくまでもタイヤの性質を把握し能力を引き出すセットを模索
いつも通り出来る限り一定の運転を心がけたテストモードとして
インラップ→アタック→クーリング→アタック→クーリング→アタック→ピットイン
のパターンで客観的に観察し、評価を行いました。
(注:市街地、一般道は使わないので評価できません)
運転も感性もどんくさい素人オヤジによる特殊な車両での評価、ウンチクですから
生暖かい眼で見て頂ければ結構です(笑)
【テスト1】
全てのセットと運転をZ1☆の状態でトライ
気温:4℃ 路温:14.5℃ 路面:ドライ
エアF:2.7kg(温間) R:2.5kg(温間)
タイム:30.016
インラップ後のグリップ立上りは早い
縦グリップが強いが横グリップはZ1☆と同等程度?
タイヤの剛性が上がっている為か、特にリヤはタイヤ面圧がかかる前にサスペンションがストロークするようなラグを感じる
時季的なものもあると思うがグリップの低下は緩やかに感じる
【テスト2】
テスト1をふまえてエアのみ変更
Z1☆の運転を心掛けてトライ
気温:4℃ 路温:15.0℃ 路面:ドライ
エアF:2.6kg(温間) R:2.4kg(温間)
タイム:29.810
適度に冷やせばグリップの回復度合いはZ1☆と同等
エアを下げた分サスペンションとタイヤ潰れのラグが減少したが
まだ少しタイヤが勝っている
的確に荷重を乗せれば横も良好
マシンの向きが変わる前の強引な加速をすると横へ逃げ始めるが
ステア⇔アクセル操作を丁寧に行い、Fデフに仕事をさせることで速い加速が生まれる
【テスト3】
テスト2の状態で縦を意識してトライ
気温:5℃ 路温:16.0℃ 路面:ドライ
エアF:2.6kg(温間) R:2.4kg(温間)
タイム:29.703
最高速125kmから1C飛込みで充分過ぎる減速からターンイン
各所で良好な縦グリップを得ることが出来る反面
2C、トップターンでは微弱ブレイクからリヤステアを楽に発生させられ
最小舵角から素早くFデフを仕事させ加速させられる
最も回り込む最終で荷重が持続しづらくやや膨らみ加速遅れが発生
リヤサスの伸び遅れを僅かに感じる
軽いリヤに関しては時期的にダンパーオイルの温度が低く
減衰力が強めになるため、伸び遅れによるロール残りだろうか?
【テスト4】
テスト3よりリヤ減衰を弱め、縦を意識してトライ
気温:― 路温:― 路面:ドライ
エアF:2.6kg(温間) R:2.4kg(温間)
減衰F:10(最強は16) R:15→13(最強は16)
タイム:30.063
減衰を下げた分伸び遅れは解消するが
サスペンションとタイヤ潰れのラグが発生
加えてブレーキングでのリヤ伸びが少々速くなり
姿勢変化が大き過ぎ、縦→横へ移行で逃げが多目に感じる
【テスト5】
リヤ減衰を戻し、緒方社長、よ~氏指摘の
「ブレーキングで詰められる」を意識してトライ
・・・勇気が要る領域に突入
気温:― 路温:― 路面:ドライ
エアF:2.6kg(温間) R:2.4kg(温間)
減衰F:10(最強は16) R:13→15(最強は16)
タイム:29.670
最高速127kmから飛込んで狙った減速が得られる
人間ABSも必要とせず縦の余裕度はあるが満車の状態でこれ以上は勇気が無い
Z1☆では125kmを超えるとロックコントロールを駆使してターンイン
タイムは落ちていたがZⅡは許容した
2C以降はテスト3の運転で小さく鋭くを意識
縦はZ1☆以上、横はZ1☆並を心掛けた荷重コントロールでベスト0.05秒落ちを難なくマーク
ただし最終だけは大回りの現象が良化できない
【テスト6】
減衰はいじらずリヤのエアを少し上げてトライ
気温:― 路温:― 路面:ドライ
エアF:2.6kg(温間) R:2.5kg(温間)
減衰F:10(最強は16) R:15(最強は16)
タイム:30.019
タイヤを硬くすることで最終Cでのリヤ巻きをトライするも
各所でリヤのにじり出が僅かずつ多くトータルロスが大きい
ガス補給忘れによりリヤが軽過ぎなことが災いしており
残量20L以下になってしまった事で極端にナーバスになっている
これではテストにならないが
ガス補給の時間はもう無い・・・
【テスト7】
ガス補給できない代わりにとり急ぎリヤのエアを少し落としてトライ
気温:― 路温:― 路面:ドライ
エアF:2.6kg(温間) R:2.35kg(温間)
減衰F:10(最強は16) R:15(最強は16)
タイム:29.949
予想は的中して加速時の逃げが減少
サスペンションのストロークとタイヤストロークも悪くないが
小トラブルが発生してアタックを断念
【テストを終えての所感】
一言で言うなれば「縦を強くしたZ1☆」
タイヤを受け取る時に
「ZⅡは魔法のタイヤではありませんが、きちんと使うことでタイムアップします」
という緒方社長の言葉通りの性能と感じる
前作Z1☆の性能を受け継ぎ、レベルアップしているような謳い文句に対して
横が弱いという意見もあるが、それは強くなった縦に対して感じてしまうのであると思う
きちんと荷重をかけて縦→横へスムーズに移行させる限りそれほど横が弱いとは思えない
とはいえZ1☆と同じ使い方ではメリットが少なく
見直してきた縦を生かして、ややハイスピードから鋭角に進入し
荷重を逃がさぬよう早目に向きを変えて縦を生かし脱出する使い方が良い感触であった。
トレッドの接地面積拡大は表面グリップが単純に向上するが
その先にある最も大事な「面圧」をかける場合に
増えた面積を潰すためにZ1☆以上の荷重が必要な感触があり
タイヤ剛性アップがそれを助けているものと思われるが
Z1☆のセットと運転のままではサスペンションとタイヤのストロークに差異が生じ、グリップを使いきれない
本領を発揮させるためには
ZⅡに合わせた荷重の乗せ方を運転及びセッティングでアジャストし
レベルアップしたグリップを発揮してタイムアップに繋げられると感じる
偉そうに小難しく言ってはいるが
基本的にクセが少なく、その先へ踏込んでいけば乗り手に教えてくれるタイヤであり
初級者から上級者まで使えるタイヤであると思う
クムホの超絶タイムには少し及ばないだろうが
扱いやすさ、復活の良さ、ライフの長さ、価格・・・
総合的に考えて最良のタイヤであると思う
以上がZⅡのファーストインプレッションになります。
くどいようですが素人の評価のため正確性信憑性は??です(笑)
また、今後の発見や見直しにより使い方は変化するものと思われますので
あくまでも一つの参考としてご理解ください。