
民藝の器を買って楽しんでいると、各地の窯元の延長線上に作家モノが浮かんできて…
北大路魯山人は民藝ではないけれど、河井寛次郎や濱田庄司などを手に入れようと思うと…
ピカソやルノワールを欲しがるのとは違って自分でも何とかイケちゃいそうに思えてしまうのが困る…
ただ、市場に出回っているそうした品々の多くが贋作なのだと…
贋作だと言うことが一目で分かるような外見であったり、到底考えられないような安い値段だったような場合は手を出さないほうがいいと、オイラのような素人でも分かるのだけれど…
箱書きも巧妙に作り込まれていて、それなりの値付けがなされていたりすると、何ともワナワナしてしまうと…
小ぶりな湯呑み茶椀やぐい吞みであれば、製造原価なんてたかが知れています。
それが一つ数万円ともなれば、十個に一つ売れたとしても旨味があるのでしょうね。
改めて偽物・贋作って何だろう…
ある作家本人の手による作品に価値があるとして…
その息子や孫の作品にも価値が出ることがある…
芸事の家元制度とか、実にうまくできていると思いますよ。
たとえ凡庸であっても一定のお作法さえ習得できていれば、二代目、三代目と、取り巻きにまつり上げられて…
そうすることによって流派として何代にもわたって生き残ることができるような仕組みになっている…
スポーツ選手など真に実力のみがモノを言う世界では考えられないことですよ。
工業製品の世界はどうだろう…
ライカM3と言う類稀なる素晴らしい製品が生まれたのはいいけれど、その後に続く一連のM型ライカは、ライツ社あるいはライカ社が製造している点において本物ではあるかもしれないけれど、現行のM型なんて、M3とは似て非なるものなのであって、ある意味偽物と言えるのではないかと…
現行の911にしても、ポルシェ社が製造しているから911だと皆が認めているけれど、よくよく見ればナローとの共通点なんてほとんどないに等しいのであって…
オフィシャルに作られた偽物とも言えるのではないかと…
人を騙してひと儲けしようと偽物を作るのは詐欺なので、これが良くないのは疑う余地もないのだけれど…
巡り巡って箱書きなどうわべばかりを気にして、肝心な中身がお粗末なものに多額のお金を支払うことになっていないか…
真贋の見極めが難しいものは、どこまで突き詰めても分からない…
何とも怖い世界だなぁと。
まあ、のめり込んで注ぎ込みすぎないことですかね(笑)
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モノ語り | クルマ
Posted at
2025/03/31 23:59:33