
物凄く久しぶりに学校の同級生と会う機会があって、それはそれは楽しかった。
もうオッチャン、おばちゃんを通り越して、すっかり爺ちゃん、○○になって…
偉くなっている人もいれば、家業を継いでいる人、大丈夫かと心配になる人まで…
でも、話をすれば今のことは全く関係なし…
皆、あの頃のあいつに戻っていく…
何度集まっても、何度も同じ話ばかりして…
そりゃ、新しい過去なんて追加されないのだから当たり前ですね。
最近、記憶が薄れてだんだん怪しくなってきているぞ(笑)
帰宅して何故か思ったことが…
ああ、この場にM3があったらなぁと…
M3はもっと古いものだし、当時のオイラ達がM3を持っていたわけでもないのだけれど…
M3はタイムマシンのごとく、手を触れる者を古き良き時代に引き戻していく…
確かにデザインはM4と比べれば洗練されていないし、野暮ったい。
でも、洗練されてしまう前のM型ライカの設計思想を、ポルシェで言えばバイザッハから出てきたそのままのような感じのものを、色濃く読み取ることができるのであって…
いったいお前は何を言っているのか?と言われそうですが、昔の自分に帰る時に、傍にM3があったらなぁと思う…
スムーズな、それでもしっとりした感触を手に伝える巻き上げレバー…
他のM型ライカでは絶対に敵わないクロームメッキの質感…
過去の世界を、夢の世界を見通すかのようなクリアなファインダー…
シャッタースピードによって微妙に音質を変える幽玄なシャッター音…
低速のそれは、神の恩寵のごとく…
M5を買って、その違いに愕然としましたよ。
今、M3はもう手元にはないのだけれど、時々無性に欲しくなることがある。
掌の上に載せているだけで満足できるものって、この世にどれだけ存在するのだろう…
あっ、欲しいと思っているだけで、もう買ってしまったわけじゃないのですよ。
別に血眼になって探しているわけでもない。
ホントです。
もしホントに探しているのだったらこんなライバルを増やすようなことは書きませんって。
そのつもりになれば買える、買おうと思えば買えると思えるだけで満足であります。
先にやるべきこと、買うべきものは他にもあるし…
掌に載せた時に感じるあの恍惚感…
M5でもM8でも、全く敵わなかった…
全く足元にも及ばなかった…
ライカ雑誌に「ライカM3に永遠の愛を誓う」と寄稿した女性がいました。
永遠の愛まで誓えるかどうか分からないけれど、半世紀以上経過した機械式カメラにこんなに所有欲をくすぐられるなんて、何とも情けないと言うか、何とも幸せな時代にいるのだなぁと…
Posted at 2020/12/12 14:04:47 | |
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