
最近、と言っても最初から出動機会の少ないニコンDfなのですが…
これは正真正銘のデジタル一眼レフカメラ…
レンズを通ってボディ内に入った光はセンサーの前面に配置されたミラーによって上に導かれ、通称ペンタプリズムを通ってさらに二回方向を変えられて、接眼レンズから肉眼に届きます。
レンズを通ってフイルム面に当たるそのものの像を見ることができる一眼レフというシステム…
レンジファインダーのトップランナーであるライカを追撃していた我が国のカメラメーカーが、ライカM3の登場によって、軒並みレンジファインダーカメラの生産に見切りをつけて一眼レフに乗り換えてしまったと言う話はあまりにも有名ですが、このDfは、フイルム面がデジタルセンサーに置き換わっただけで、基本的な構造は何ら変わっていません。
接眼レンズから見えるファインダー像は、レンズから入った光を光学的に方向を変えたものです。
光は、レンズはもとより、ミラー、ペンタプリズム、接眼レンズを通って肉眼まで導かれるのですから、その間のどこかにカビやクモリが発生したりすれば、ファインダー像の見え方に影響が出てくる…
と言うか、気になって仕方がなくなる(笑)
もちろんレンズにカビやクモリが発生すれば、写りに影響が出ますが、ミラーやペンタプリズムにカビやクモリやバルサム切れが発生したところで、写りには何ら影響はないのですよね。
でも、写りに影響がなくても、ファインダー像って、物凄く気になっちゃうものだし、カビが発生すれば商品価値もガタ落ちしちゃう…
で、このレンズに生えたカビやクモリって、光にかざして透かして見ることで分かるんですよね。
逆に言えば、透かして見なければ、なかなか気付かない…
カメラ好きの中には、あえてカビやクモリの見られるカメラを集めて楽しんでいる方がおられます。
もちろん、酷いカビやクモリは写りに影響しますが、本当に良く見ないと分からない程度であれば、写りには影響ないし、何と言っても捨て値で手に入れることができますからね。
まあ、そう言う達観された方は少数派なのであって、多くの皆さんは、カビを恐れてカメラを防湿庫や除湿ケミカルの入った容器に収納して、ビクビクした毎日を送っているわけです。
おかげで、防湿庫や除湿グッズのメーカーさんが潤うわけですから、持ちつ持たれつですね(笑)
そして、こちらがDfの後継機のような位置付けで登場したZfcです。
Df譲りのクラッシックなフォルムはDfと似ていますが、こちらはミラーレス一眼…
ミラーもペンタプリズムも入っていないわけです。
中央にある三角屋根の中にはペンタプリズムは入っておらず、接眼レンズから見える像は、レンズから光学的に導かれたものではないので、接眼レンズからデジカメの背面の液晶を見ているのと同じです。
んなので、よっぽど接眼レンズにカビやクモリが出ていれば、カメラを覗いて気になることもあるかもしれませんが、一眼レフと比較したら、そう感じるリスクは遥かに低いのであって…
オーナーは、そうしたリスクから解放され、交換レンズにカビやクモリが発生していないかさえ注意すれば済むと。
最近はクルマのサイドミラーも、車種によっては、ミラーに反射した像を光学的に見るのではなく、モニター像を見るようになっていると言います。
改めて考えてみれば、ミラーレス一眼にあんな尖がり屋根なんて、いらないっちゃいらないんですよね(笑)
カメラもクルマもそうですが、伝統的なフォルムを踏襲していたとしても、その底流を流れる思想から考えてみると、へんてこりんなものってありますよね。
例えば、将来の911がリアエンジンからフロントエンジンになったとして、リアエンジンの頃の911のフォルムを引き継いでいたとしても、何か違うんじゃないかと…
特徴的な意匠に、「昔ながらの伝統的なフォルムを引き継いでいるよねぇ」なんて感心することもあるかもしれませんが、旧モデルにはそう言う意匠にする意味があっても、現行モデルには「見栄え」以外には何の意味もなかったりする…
しっかり見極めたいものです。
Posted at 2021/10/04 15:36:37 | |
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