
今となっては珍しくも何ともなくなったハイブリッドカーですが、当時はガソリン車とは異なる非常に新鮮な気分を味わいましたよ。
まず、アイドリングストップ…エンストしちゃうんですから焦りますよ。
スタートするとまずは電車のような音を立ててモーターだけで動き始め、少し遅れてショックもなくエンジンがかかってさらに加速…
巡航してアクセルを緩めるとまた電車のような音がしてバッテリーへの回生が開始される…
モーターを発電機としても使う優れたシステムです。
初代プリウスには当時のクルマとしては珍しくディスプレイがビルトインされていました。
本来はナビが表示されるのだと思いますが、私はナビはオーダーしませんでした。
高価なうえに精度も良くなかったそうなのでね(笑)
その代わり、そのディスプレイにはエンジンとモーターがどのように動力を伝えているのかが表示されるようになっていて…
① モーターのみで走行
② モーターとエンジンで力強く走行
③ エンジンのみで走行
④ エンジンの動力をタイヤとモーター(発電機)に振り分けてバッテリーに充電
⑤ ブレーキをかけると、モーター(発電機)を介してバッテリーに充電
こうした複雑な走行モードを、走行状況に応じて素早く切り替えて、それが刻々とモニターに表示されるのですから、見ているだけで感心させられましたよ。
一般的なクルマにあるトランスミッションもなく、プラネタリーギアを活用した動力分割機がこの複雑な制御を担っていて、故障することもなかったのですから、このシステムを考えたトヨタは本当に凄い!
ちなみにDレンジからBレンジに入れると、回生ブレーキが強めにかかるようになって、エンジンブレーキのような使い方が可能です。
普通のクルマだと、長い下り坂でフットブレーキを頻繁に使うのはタブーですが、プリウスは先に回生ブレーキが効くので、ブレーキパッドが焼けるようなことにはなりません。
プリウスには、ひたすら燃費を追求した結果、笑っちゃうほど非力なエンジンが搭載されていて、それをモーターのパワーが補うことで一人前のクルマとしての性能を出していました。
箱根とかの峠道をハイペースで登っていくと、最後にはバッテリーの電力を使い果たしてしまいます。
するとメーターパネルに亀のマーク(笑)が点灯し、そうなるとプリウスはそれまでとは打って変わって非力なエンジンのパワーだけで喘ぎ喘ぎ走る超とろいクルマになり下がってしまいます。
この時ばかりは「使えない感」もありましたが、こうなることは滅多にないし、頻発する前に黙ってバッテリーを交換してくれていました。
トヨタだから乗り越えることができたハイブリッドカー普及前の黎明期だったと思います。
プリウスの車格が上がってしまった現在、初代プリウスの正統な後継機種はアクアでしょうね。
初代プリウスに乗った身としては、現行プリウスよりもアクアの方に親しみを感じてしまいます。
今は皆さん、当たり前のようにハイブリッドカーを運転していますが、改めてこの原理を見るといたく感心させられます。
モーターしかないEVなんかよりずっと複雑ですからね。
そう言えば新型アクアってあまり見かけませんね。
半導体不足で納車が遅れているのか…
売れていないということはないと思うのですが…
Posted at 2022/12/02 22:05:19 | |
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