
勝沼までのロングドライブは、もちろん行った先でのワインの試飲と調達と言う主目的はあったのですが、今回はむしろテスラを走らせることがメインでした。
見せてもらおうか、テスラのオートパイロットの実力とやらを…
モデル3には、テスラの誇る最新の自動運転装備が標準で搭載されています。
ざっくり言うと、標準で付いてくるのは、車線を維持しながら登録された速度の範囲で前車に追い付かないように速度をコントロールする機能で、車線変更などには対応していません。
さて、我がライツ号3(←いつの間にか命名しちゃっている!)には標準のオートパイロットに加えて、車線変更や、駐車場への駐車、サモンと言うクルマに迎えに出できてもらう、「エンハンスドオートパイロット」と言う機能が追加で搭載されています。
傍目には全く見えないこの機能のために40万円を超える追金を用立てるのは躊躇もありましたが、このへんがないとテスラにする意味がないと思ったのでね(笑)
…で、交通量の少ない朝の圏央道と中央道で試してみたのですが、慣れてしまえばなかなか便利な装備だなぁと感じました。
走行中に右のシフトレバーを二回カチカチッと押し下げると、液晶パネルに表示されているハンドルのマークが緑色に変わって、運転がドライバーからクルマへとバトンタッチされます。
これはパソコンのマウスをダブルクリックするような動作なのでしょうけど、これがなかなか慣れないのですよ(笑)
どうやら私は車線のやや左寄りを走る癖があったようで、オートパイロットに切り替わった瞬間、ぐいっと右寄りに修正舵が入り、最初はぎょっとしましたよ。
その後は、何事もなかったかのように車線の中央をキープしながら、カーブに沿って曲がっていきます。
クルマ任せで走らせている時でも常時ハンドルに手を添えてある程度の負荷をかけていないと、タッチパネルに警告が表示され、そのままにしているとオートパイロットがキャンセルされてしまいます。
私も最初、手の添え方が軽過ぎたためキャンセルになってしまい、そうなると、一度停止してパーキングに入れないとオートパイロットにしようとしても拒絶されてしまいます。
仕方なくパーキングに入ってリセットしましたよ。
かなり安全マージンが高く取られているのだなぁと感じました。
前方を走行する遅いクルマに追い付くと、自動的にスピードが落ちて所定の車間距離を維持します。
前方のクルマがスピードを上げると、所定のスピードまでは加速して追走します。
維持するスピードや車間距離はステアリングにある小さな丸いスイッチを親指一本でぐりぐり回したり左右に動かすことで調整することができます。
車間距離はあまりに短く設定すると前車がぐんぐん迫って来てクルマとドライバーのチキンレースになってしまいますし、あまり広く設定すると間にどんどん割り込まれてしまうので、適度な距離感は人それぞれですね。
私は安全マージンを取って車間距離を広めに設定しています。
前車に追い付くと、ここからがエンハンストオートパイロットの世界。
ウインカーレバーで右折を指示すると、クルマが後方を確認して、入れるタイミングがあればス~ッと車線を変更して追い越し車線に入ります。
この時、指定速度より遅くなっていた場合には、スムーズに指定速度まで加速して追い越します。
もっと速度を上げようと思えば、右手の親指でぐりぐりと…
追い越しが終わって、ウインカーで左折を指示すると、自動でステアリングが切れて走行車線に戻ります。
楽と言えば楽ですが、慣れないうちはハラハラドキドキの方が勝ってしまい、精神的には疲れますね(笑)
「楽」と言うよりは「楽しい」「面白い」と言う感覚が勝ります。
追い越し車線が詰まっていて入る隙がない時は、ある程度で自動でウインカーが切れて追い越しがキャンセルされるのは人が運転しているのと同じです。
カメラでかなり広い範囲を監視しているため、追い越しをしようとした時にすぐ近くで死角に入っていたクルマに気付かずに冷っとするようなことがないので、人が運転するよりも確実と言えるのかもしれません。
こう言うところはコンピューターはミスしないのでね(笑)
深夜や早朝で無謀な走り方をするクルマのいない空いた時間帯であれば、インターに入ってから目的のインターに着くまで、親指一本でクルマを操作し、あとはステアリングに手を添えているだけで済むので、慣れてしまえば楽ですね。
気になったことが二つあります。
一つは、前車を追走する際、前車が急に加減速するとこちらの挙動までぎこちなくなってしまうことで、これはドライバーの操作で一呼吸が入る方がスムーズです。
でも、考えてみればこの一呼吸が、右折信号を曲がり切れなかったり、渋滞が出たりする原因を作っているのかもしれません。
「お~い、早く行けよ~」
二つ目は、車線変更する際のステアリングの動きに節度が感じられることで、これは人がステアリングを操作する際、手を滑らせたりすることで非常にスムーズに曲がり出せるのに対して、コンピューターによる操作はどうしても節度が出てしまうこと…
これはドライバーの感覚的なものであって、パッセンジャーは案外気にしていないかもしれません。
ドライバーにとっては、ここで曲がり始めようと思うポイントがあって、そこから少しでも前後するとどうしても違和感を覚えてしまう…
まだオートパイロットに対する信頼ができていないためと思われますが、時間が経過することで慣れていくのでしょうね。
と言うことで、「オートパイロットに頼っているとボケるのではないか」な~んて言われますが、その逆で、神経が張り詰め、脳が活性化するように感じられたのでした。
まあ、慣れていないせいですかね(笑)