
964は、50年前に登場して以来の伝統のスタイルを受け継ぐ最後の911・・・
な~んて思っていたけれど・・・
いかにも911らしいと思っていたのが、実はそうではないと言うことが結構あるものです。
以前に所有していたNEWミニのことで言えば、いかにもミニらしいなぁと思っていた造形や造作が、実はクラッシックミニのどこを見てもなくて、実はNEWミニ固有のスタイルだったりすることがあります。
ミニらしいと思い込んでいただけで、実はそうではない・・・なんてことが結構ある・・・
んじゃあ、両者が全く似ても似つかないのかと言われれば、そうとも言えなくて、並べてみれば全く違うNEWミニとクラッシックミニでも、どことなく似ている部分はあるのであって、そうした微妙な類似点が集合することで、全体として見事にイメージを継承している・・・な~んてことになるわけです。
それで、この964のフロントトランクとバンパーの間に横たわるモールですよ。
先代ライツ号を入手した時には、もともとはゴムだったのが経年変化で硬化したのかなぁと思っていました。
でも、964のそれは、最初から硬い樹脂製のパーツなのですね。
モールの内側では、ちゃんとゴム製のパッキンが水の浸入を防ぐ役割を果たしているので、このモールは装飾的な意味しかないことが分かります。
ちなみに、930(ビッグバンパー)だと、もっと幅が広くて、素材もゴムになっているみたいです。
これはちゃんと機能を果たしているのでしょうか。
そんで、930や964にあるこのモール、ナローにもあるのかと思うと、ないのですよねこれが。
んでも、このモールを取っ払っちゃうと、何か間が抜けた感じになると思いませんか?
これが993になると、フロントスタイルがぐんとモダンになった分、逆にモールがあると違和感を感じる・・・
このモール、水平のラインを強調することで、ボディとバンパーをきっちりと分けて、フロントスタイルを引き締める効果があるように思えるのです。
ナローにこのモールはないけれど、ほら、その代わりにヘッドランプの下にあるメッキあるいは黒いパーツがあるではないですか。
あれがあるために、カエル目のフロントスタイルが引き締まると。
ナローから930になって、あのいかにもクラッシックな感じのするパーツがなくなった時、フロントスタイルを引き締める何かが必要で、その役割を担ったのが水平に走るラインであり、ゴム製あるいは樹脂製のモールだったのではないかと思うのです。
う~ん、考え過ぎかなぁ(笑)
でも、930や964からあの水平に走るラインを抜いたら間抜けな感じになるし、逆に993や996にあの水平ラインを入れたら、やっぱり間が抜けるのではないかと・・・
一般には993と996の間にデザイン上の大きな分岐点があるように言われていますが、964と993の間にも結構な変化があるのではないかと思えたりします。
オリジナル911の伝統的なスタイルから訣別してモダンなスタイルを手に入れた993・・・
でも、完全にモダンなスタイルになり切るのは、996まで待たなければならなかった・・・
964とも996とも違う、993だけのスタイル・・・
911の歴史の中で、しっかりと輝きを放っているのではないかと。
993のオーナーさん、変なこと言ってごめんなさい(笑)
Posted at 2013/11/14 23:05:13 | |
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