
前々回、空冷911、33年間で37万台が製造されたというお話をしました。
平均して、年間1万台ちょっとと言ったところですね。
そして、その7割が、現在も走っているそうで・・・
凄いっちゃ凄いのだけれど、世の中に影響を及ぼすようなものじゃないし、まあ、モノの数ではないと。
一方で、同じポルシェが、2013年の年間販売台数が16万台余りに達したとリリースしています。
911だけでなくドル箱のカイエンも含めた数だけれど、トヨタ・アクア1車種にも遠く及ばないけれど、もう今のポルシェは、今や空冷911をシコシコ製造していた頃とは別のメーカーになってしまったのではないかと。
ところで、年間26万台のアクアを世に送り出すトヨタは、いったい何年くらいクルマをもたせるつもりなんですかねぇ。
前々回も言ったのですが、巨大で裾野の広い自動車産業を支え続けていくためには、やはり一定のサイクルでクルマを買い替えていただく必要があるでしょうね。
アクアを買った人が、全員、20年間維持し続けたりしたら、今以上にアクアだらけになってしまいます。
やはり長くても10年位経過したら、次のモデルに乗り換えて欲しいと言うのが本音なのではないかと。
アクアって、最近モデルチェンジしたのですが、見ていると、極めて自然に世代交代が進んでいるように感じます。
道を行くアクアが急に増えたと言うことではなく、いつの間にか新型に入れ替わっていますね。
プリウスのモデルチェンジの時もそうだったような。
と言うことは、それだけ車輛の更新が進んでいるからではないかと。
今のクルマのメーカーさんは、果たして何年くらいもたせることを想定してクルマを作っているものなんですかねぇ。
話は変わりますが、以前に、木曽の宿場町で買い求めた漆塗りの茶碗、再びそのお店に行った時に「10年使っています」とお店の人に伝えたら・・・
「そんなに使われちゃあ、商売にならないよぉ」
と、冗談とも本気とも取れるような返答が・・・
漆器は大事に使えば一生使えるなんて言うけれど、本当に一生使われたら、作っている人は商売あがったりになってしまいます。
プリウスやアクアが911みたいに30年も40年も使われ続けるかどうかは分かりませんが、本当にそうなったら、きっと困ったことになるでしょうね。
だから、やっぱり3回位車検を取ったあたりで、全体にヤレてきた感じがし始めて、それとなく買い替えを促すようになった方がいいのではないかと。
ポイントは、どこかが急に不具合になるのではなく、全体に少しずつヤレてくると言うこと。
特定の部位の故障であれば、修理してしまいますからね。
万一そうなった場合でもご安心を。
患部の周囲も含めてごっそりと全交換する大手術のプランを提示されれば、嫌が上でも気持ちは買い替えになびいていきます。
くれぐれもアクアやプリウスがどうのこうのって言っているわけではないので、念のため。
ポルシェだって、メルセデスだって、BMWだって、アウディだって、これからはそうなっていくのではないかと。
もちろんプリウスやアクアより高価な分、大切に乗られるかもしれないけど、20年後、現行モデルのどれだけが現役で走っているのか、興味津々です。
でも、そうならないことは、何よりもクルマのメーカーが臨んでいることなのではないのかな。
街の修理屋さんを支えるのではなく、下請け孫請けも含めて、巨大な自動車産業を支えていくことは必要なわけで。
だから、クルマの更新を促すような課税も仕方がないと思うわけです。
でも・・・

それを乗り越えて、30年以上経過したクルマの文化遺産を動態保存してくれる極々僅かで奇特な人達に対しては、税金を上げて意地悪するのではなく、僅かなりとも奨励金を出すくらいの大人の姿勢が欲しいですよね。

クルマの文化というのはそれだけ素晴らしいものだと思うから。
Posted at 2015/05/24 15:34:20 | |
トラックバック(0) |
ポルシェ | クルマ