
ライカの教祖様ような存在であったタナカチョートクさんが「さらばライカ」なんて本を出したのには、もうホント、選挙でトランクさんがクリキントンさんに勝ったよりも驚いたものです。
デジカメなんて、クリエイティブな作品づくりにはちょっと使えたもんじゃないよねぇ…
なんて言っていたのも束の間、高名なネイチャーフォトグラファーもネイチャンフォトグラファーも、銀塩カメラなんて使っている人はもはや絶滅危惧種ですね。
フイルムを入れたり抜いたり、現像に出したりという行為なんて、クルマにガソリンを入れるようなものであって、少し前まではなくなるなんて考えも付きませんでした。
最近の若い世代の皆さんは、たかだか二、三十枚しか写せないフイルムをカメラに入れて、現像から上がるまでは撮ったものが確認できなかったなんて、信じられないでしょう。
そうした中でも、ライカやハッセルなどは、クラカメブームの時と比べたら見る影もないものの、今でもコアなファンはいます。
まあ、エンスーと言われる人たちですね。
M型ライカなんて世の中になくても大多数の人は何も困ることはないけれど、好きな人にとっては、何物にも代えがたいのですよね。
イイねぇ。
最近、ちょっとしたきっかけで万年筆が気になって仕方がないのですが、万年筆だってそう。
インクを吸引して、インクが詰まらないよう使った後に掃除して、たかだか文字を書くだけなのに、こんなに手間がかかる道具なんて、必要ないのに…
万年筆だなんて言っても、万年どころか一日だって使わない、自筆の手紙一枚書かないくせに…
んでも、好きな人にとっては、何はなくても絶対に必要なものなんですよねぇ。
フイルムを入れないカメラやインクを入れない万年筆を後生大事に愛玩するわけです。
イイねぇ。
空冷エンジンなんてのも、それに近いのではないかなぁ。
911はもちろんですが、バイクだってそうです。
気が付けば、ハーレーダビッドソンのVツインエンジンだって水冷になっちゃってます。
M型ライカだってデジタルになっているのですから、そんなの当たり前っちゃ当たり前なわけで…
大気中に伸ばしたフィンを介して、空気でクルマのエンジンを冷却するなんて、もはや銀塩カメラも真っ青の稀少種かもしれませんね。
いやいや、水冷もひっくるめて、「エンジン付き自動車」なんてわざわざ区別して言われる時代がやってくるのもそう遠くはないかもしれません。
そんな時代、見てみたくもあり、見たくなくもあり…
Posted at 2016/11/09 22:12:47 | |
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