
M7からM8へのモデルチェンジによって、M型ライカはフイルムカメラからついにデジタルカメラへと進化したのですね。
この進化を911に置き換えるとして、これまでの911の歴史の中で最も大きな変化であるエンジンの水冷化に相当するものと考えることにしましょう。
本来であれば、内燃機関からEVになることに相当するのかもしれませんが、911はまだEV化されていないし、こうとでも考えないと、そもそもこの話が成立しませんからね(笑)
んで、初のデジタルライカであるM8は、ポルシェで言えば初の水冷エンジン搭載モデルである996と言うことに…
お互いに初の挑戦ですから、色々ありましたよね。
ライカでは、センサーの大きさをフルサイズ、すなわち35ミリ、すなわちライカ判にすることができず、一回り小さいACS-H相当サイズにとどまり、伝統的な布幕横走り式から縦走り式となったメタルシャッターも「音が大きい」と非難されたようで…
ポルシェでも、空冷の3.6リッターから3.4リッターにダウンサイズした水冷エンジンは、いくら馬力がアップされていても色々言われたようですし、初めてカエル目から変更された涙目ヘッドライトも、やはり賛否両論ありましたよねぇ。
そこで、ライカもポルシェも対応策を取ったのですね。
ライカは、シャッターを静音化したM8.2を、ポルシェは空冷エンジンに由来するGT1クランクケースを採用したスパルタンなモデルであるGT3を出しました。
ポルシェはレーシングカーのテイストをロードカーに盛り込むことによって、ライカはブラックペイントの採用やシャッターの静音化と言った感覚的と言うかオタク的なところに訴えることによって、ユーザーのハートを掴むことに成功したのですね。
M8.2は、本当はM9とでもすれば良かったのに、センサーがフルサイズになっていなかったために、8.2なんて中途半端な番号が付きました。
これは、かつてM4でもM4-2と言うのがありましたから、ライカのやり方なのでしょう。
GT3にしてもM8.2にしても、ユーザーのオタク心、いや、マニア心を巧みにくすぐるモデルです。
んで、両者とも、その独自な立ち位置ゆえに、997や991が出ようとM9やM10が出ようと、熱心な愛好者によって、根強い人気を保っていますね。
M8のセンサーは大多数のデジカメが採用するCMOSセンサーではなく、コダック製のCCDセンサー…
信じられないことに、背面の液晶を見ながら構図を決めるライブビューができないんですよ。
それでも、このセンサー、CMOSセンサーよりフイルムに近い画質が得られると言う理由で、いまだにCMOSセンサーを搭載した現行モデルではなく、あえてM8を選ぶユーザーがいるのだそうで…
996とM8…
いずれも歴史の中に埋没してしまうのかと思えば、また輝きを増して浮上してくる…
こう言うクルマやカメラって、日本ではなかなかないですよね。
フイルムカメラならともかく、デジカメなんて…
まあ、やめておきましょうか(笑)
Posted at 2017/11/28 23:03:34 | |
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