
ふと、手に触れているマウスを見ると…
指の当たる部分や、掌が被る部分の塗装が劣化しているのに気付きました。
クリックするたびに指が当たればそこが劣化するのは分かるのですが…
掌が被る部分は、マウスをホールドしても直接掌が触れることはないに…
決してエイリアンのように強い酸の汗をかくわけではないのに(笑)
身の回りにあるプラスチック製品の多くは手触りを良くするために艶消しの仕上げがしてあったり、表面をソフトに仕上げてあったりしますね。
おそらくその多くは、基材の上に何らかの塗装をすることで風合いを出しているのだと思います。
ただ、テカテカに磨き上げられているのと違って、そうした風合いの良い表面は耐久性がイマイチなことが多いようで…
ブツブツと泡立ってきちゃったり、ベタベタしてきちゃったり、かと思えばガサガサになって剥がれちゃったり…
このマウスなんて、そんなに時間が経過しているわけではないのに…
まあ、安い物だから、また買い替えればいいのですけどね(笑)
でも、カメラの表面や、クルマの内装の表面がベタベタになっちゃったりガサガサになっちゃったりしたら、「はいそうですか」とはいかないのであって…
以前もっていたキヤ○ンのコンパクトカメラは、ホールドを良くするためかソフトな手触りを感じさせる表面処理がなされていたのですが、使っているうちにガサガサになって、ちょっと爪を立てると表面に傷が入って、下のプラスチックが出てきて、それが何ともみすぼらしい姿となり、壊れて使えなくなる以前に持って歩く気が失せてしまったのでした。
ああ、これは使い捨てなんだなぁと思いましたよ。
クルマの内装も、イタリアの跳ね馬カーの内装のベタつきの話は良く聞きました。
宿命であるかのように言われていたりしますが、本当にそうなのか…
新しいうちは風合いが良くても、ウッドや本革よりも耐久性がない人工素材って、それでいいのか…
国産車でも、古いわりに外見はきれいでも、内装がびっくりするほど劣化しちゃって、年式相応だなぁと思うことってありますよね。
コストを抑えて内装に高級感を出すことができれば、その時のウケは良いのかもしれないけれど、否応なしに歳月の審判を受けることになると…
コストを気にせず素材を選べたはずのイタリアの超高級ブランドでも、樹脂パーツの経年劣化まで予測することは難しかったわけで…
福野礼一郎さんの本で、ポルシェのダッシュボードって、他のメーカーではあまりやらなくなった製法を採用しているのだと読んだことがあります。
現行モデルがどうなっているのかは分かりませんが。
安易に新製品や新製法に飛び付かずに、確立され定評のあるやり方を守ることが、長い目で見たら正解なのかもしれませんね。
高級素材の代名詞のようになり、高級車の内装に使われるアルカンターラ…
あれって、東レが開発した人工スウェード「エクセーヌ」のことですよね。
改良を重ねて、初期のものよりも本物のスウェードにより近い風合いになっていると思うのですが、今のアルカンターラが30年、40年経ってどうなっているのか…
ボディの鉄板は磨いてワックスをかければ、末永く美しいコンディションを保ってくれるでしょう。
でも、内装を触るたびにベタついたり、ボロボロと消しゴムかすのように剥がれてきたり、一度劣化が始まってしまうと、もはや食い止めることは不可能…
次から次へと発生してくる劣化との、モグラ叩きのような果てしない戦い…
現在のクルマはナローポルシェのように残るのでしょうか…
Posted at 2022/08/20 20:17:54 | |
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