2008年03月28日
初心者にMT車の運転を教える その6
前回予告ではシフトダウンのはずでしたが、半クラとシフトアップの話です。
MT車で発進して微速で動けるようになるのは難しくありません。
半クラの感覚さえつかめばいいだけですし、半クラ自体はクラッチをゆっくり繋いでいけばすぐにわかりますし、このときのお尻の感覚やエンジン音の変化やタコメーターの動きなどで半クラを知ることも比較的容易です。
ただし、このときの左足の使い方に無理があると、クラッチをゆっくり戻すという行為自体が難しいものになってしまいます。
AT車では、足はアクセルとブレーキだけなので深く踏み込む必要がありませんから、シートを遠めにしておいても運転できますし、そもそも足とペダルとの関係はあまりシビアではありません。
MTでは、クラッチ操作のためにシートの位置が極めて重要になります。
ひざの曲げ伸ばしと足首の曲げ伸ばしだけで、腰を動かさずにクラッチの操作ができる距離に座っていないと、クラッチの微妙な操作はできません。またクラッチペダルを左足のどこで踏むかも重要です。
基本は、土踏まずのちょっとつま先よりくらいです。足の指を反らすことで足首を曲げてクラッチを繋いでいくので、指でペダルを踏んではいけません。クラッチを踏む位置がつま先過ぎると、クラッチ操作中に貧乏ゆすり状態になってしまったりします。
クラッチがちゃんと踏める位置にシートをセットすると、AT慣れしている人にはすごく近く感じるはずです。
また、シートには思いっきり深く座って、お尻から背中にかけて完全にシートに密着するようにします。肩もシートに押し付けたままで、両腕を交差してハンドルの上端を持てるくらいの距離になるようリクライニングを調整します。
正しいポジションで、半クラで発進ができるようになったら、加速ができるようにならないと公道は走れません。
加速のポイントは、セカンドで踏み込むということです。ローで引っ張ってもギア比が低すぎで加速しないので、ある程度トルクが得られる回転数であればセカンドで踏んだほうが楽です。しかしそれも一瞬のことで、すぐ3速にしないといけません。そのためには、ローで発進した後、3速に入るまで左手はシフトレバーの上にないと間に合いません。
教習所では、ハンドルを両手で持つことを強く教えますが、マニュアル車ではハンドルを両手で持ったらギアチェンジができませんし、常に速度に見合ったギアを選択しておかないとエンストしますから、ギアチェンジはマニュアル車を運転する上で、危険回避の次に重要な操作です。
したがって、発進時や減速時は右手での片手運転が基本となりますし、速度の変化を予測して左手をシフトレバーに添えるように慣れる必要があります。
初心者は、発進での半クラの難しさから、加速時のシフトアップに際しても半クラにしないとエンストすると思い込んでいるかもしれません。
実際には、シフトアップ時に発生するエンストは、ギアに対して速度が遅すぎることが原因だし、そう思ってしまう原因は教習所でのあまりに遅い速度での練習にあるのかもしれません。
公道の普通に走っている車並みのしっかりした加速を行い、速度に対して適切なギアへのシフトアップであればエンストはありません。このとき、速度が出ていればクラッチをドンと繋いでも全く問題ありません。
初心者へは、シフトアップのタイミングを指示して、このときドンつなぎを体験させるなどしておそれをなくすようにしました。
また、交差点で曲がろうとして信号待ちで停まっていて、そこから発進したときに、停止線から交差点までの距離でセカンドにシフトアップする練習も行います。発進直後は車が遅いので、短い距離でもシフトアップできるということを理解させます。
次回こそシフトダウンです。
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Posted at
2008/03/28 00:15:25
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