前回で、MT車特有のクラッチとシフトの操作の話はだいたい終わったと思っています。
今回のテーマは、走行ラインの話です。今回は図を書いてみました。
黄色い車が交差点を左折するとき、赤いラインと青いラインのどちらがよいでしょう?
教習所では、急ハンドル禁止なので赤いラインを取らざるを得ません。でも交差点は直近の内側を曲がると教わっています。
私の答えは青いラインです。
その理由は、
1.内輪差を考えると、内側には余裕を持たせたほうが良い。
右側は対向車線なので、原則として運転免許を持った人が運転している車両しかいないので、変な行動をする人は少ない。右側からの歩行者は対向車線の向こう側にいる。
左側は、歩道や路肩の交通法規を知らない歩行者や自転車が居る可能性が高いので、何をしでかすか予想できない。交差点を曲がったところで自転車が車道にはみ出して待っているかもしれない。
2.黄色い車が信号待ちをしていて、青信号で発進して曲がる場合、赤いラインだと、発進後にシフトアップする余裕が少なく、交差点をローギアで曲がることになってしまう。そうすると、曲がった後にシフトアップしてから加速することになってしまい、加速のタイミングが遅くなる。青いラインだと、ハンドルを切る前にセカンドにシフトアップできるので、曲がった後の加速が楽。
3.青信号で直接進入するときには、赤いラインだと、減速もシフトダウンのタイミングも手前になり、余裕が減る。青いラインだと、停止線を過ぎたあたりでセカンドにすれば間に合うので余裕ができる。直前で信号が黄色になっても、曲がる意識を持つはるか手前の単なる減速段階で対処できるので余裕ができ、曲がるタイミングでは交差点の中なので、信号が黄色に変わってもそのまま行くのが正しい行動となる。赤いラインだと、曲がるためのシフトチェンジと信号の変化への対処のタイミングが近くなり難しい。
青いラインは、ハンドルを切るタイミングを1秒遅くして、ほかの操作に時間を振り向けるラインと言うこともできます。遅くしたツケは、ハンドルを切る量と速さに来ます。
車の運転は、早め早めに操作を行うことが必ずしも安全につながるわけではありません。早めで安全なのはヘッドライトの点灯くらいかもしれません。
早過ぎるブレーキも場合によっては追突される原因になるかもしれませんし、渋滞の原因になるかもしれません。
このライン取りの話は、シフトチェンジの余裕を作るための運転テクニックの一例です。運転に慣れると無意識にいろいろやって余裕を作っているのだと思いますが、無意識なんで私には他の例が思い浮かびません。
次回でこのシリーズ最終回とします。
そのあとは、最初にAT車で教えたことを書こうかと思います。
Posted at 2008/04/01 02:32:29 | |
トラックバック(0) |
初心者にMTの運転を教える | 日記