2008年04月09日
初心者にMT車の運転を教える その11 悪循環
うちのMT練習中の初心者につきあって発見したことがあるので、シリーズに追加です。
横に乗っていると、信号などの停止で前の車に突っ込みそうで怖いのです。
要するにブレーキが踏めていなくて、先行車との距離が詰まってから強くブレーキを踏んでいるようです。
どうも強く減速するとエンストしそうで怖いらしいのです。
減速するとエンストする→減速が怖い→しっかりブレーキを踏むのが怖い
しっかりブレーキが踏めないと、速く走るのが怖いので加速できない、カーブや交差点で十分減速できないというスパイラルに陥ってるようです。
また、一旦減速すると、加速もうまくできなくなっているみたいです。
もちろんAT車ではどんなに減速してもエンストはしませんから、このような恐怖は無いわけです。
さて、MTは減速するときにどういう操作をすればエンストしないのでしょうか?
答えは簡単で、クラッチを踏んでやればよいのです。
何回も書いているように、クラッチを繋いだら車速がエンジンの回転数を決めるので、その回転数がアイドリングを下回るとエンストするわけですから、クラッチを繋がずに車速と無関係にエンジンが回れるようにすればエンストは避けられるということです。
つまり、減速時にクラッチでエンジンの回転数をコントロールすることができないから、減速すると回転数が落ちすぎてエンストやノッキングになってしまうということになります。
ということは、クラッチの繋ぎ加減で速度をコントロールするという練習が有効であるということになりそうです。
というわけで、ツボその5に書いた、微速で走る練習をします。
コペンのトルクがあって平地であれば全て可能です。アクセルは全く踏みません。全てアイドリングで行います。
1.ローギアでアイドリングで発進する。
2.クラッチを完全に繋いでローのアイドリングの速度で走る。早足で歩くくらい。
3.そこからブレーキとクラッチで速度をコントロールして、ゆっくり歩く速度にする。当然半クラにしないとエンストします。
4.この状態でセカンドにシフトアップする。
5.クラッチをゆっくり繋いで、セカンドのアイドリングの速度で走る。小走りくらいになります。
6.そこからブレーキとクラッチで普通に歩くくらいの速度に減速する。
7.そこからローにシフトダウンし、2に戻る。
これが全てエンストせずにできるようになったら、次のステップとして、セカンドで加速してサードに入れてから減速してセカンドのまま歩く早さで曲がるという操作をくわえます。この段階では、適宜アクセルを踏みます。
できない場合は、もっと慎重にクラッチ操作をしてください。そして、日常の運転でも同様の慎重さでクラッチを操作するようにしましょう。
これができると、まずエンストはしなくなります。
速度に合わせて変えるのはギアだけではありません。低速域では半クラは積極的に使わないと速度のコントロールはできません。上手い人は、どんなときも無駄に回転数をあげずに上手くクラッチを滑らせているのです。
今日の練習でもう2つ気づいたことがあります。
初心者は、シフトチェンジに余裕がないということです。具体的には、シフトチェンジのタイミングになったときに、手がシフトレバーに置かれていません。
シフトチェンジのタイミングは予測可能ですから、早めに手をシフトレバーに置いて、ちょうどのタイミングでシフトチェンジをすれば良いのですが、ちょうどのタイミングで手をハンドルからシフトレバーに移すので、シフトチェンジが遅れます。これは、ローからセカンドに変えるときに顕著です。発進時には両手でハンドルを握るべきなのですが、発進後、ローでクラッチを繫ぎきる前に手はシフトレバーに行って、繋いだかつながらないかというタイミングでシフトアップするとスムーズに加速できます。
もう一つは、曲がる前のシフトダウンのタイミングです。
セカンドで曲がる際には、シフトダウンしてエンジンブレーキが効いて、速度がセカンドのアイドリングになったところでまさに曲がる場所に達するのが良いと思います。このとき、右足はブレーキ、左足はクラッチで、もっと遅くしたければブレーキ踏んでセカンド半クラでも良いのです。ほとんど曲がりきって先の状況が見えたときに右足をアクセルに移せば十分素早い加速ができます。
うちの初心者は、セカンドにするのが早すぎて、曲がる場所のずっと手前で速度が落ちてしまうので、足をアクセルに置いてエンジンを回さないと進入速度が遅すぎになってしまいます。そこからブレーキで減速するので、ブレーキ操作のタイミングは遅れますし、速度のコントロールとハンドルの操作が重なって忙しくなってしまいます。
余裕を持つには、手前の良いタイミングで減速を終わって、そのままの速度で曲がる。このときに右足はブレーキにあるようにすると良いと思います。
私自身は、10代の頃、車を運転する前に50ccの2ストのクラッチのある原付という、おそらく最も低速トルクのない乗り物でクラッチやシフトチェンジの感覚を身につけ、その後シティターボという、初期の1200ccどっかんターボでコペンに比べたら低回転がすかすかなマニュアル車を運転していたので、おそらく低速時のクラッチ操作の感覚が自転車に乗るような感じで身にしみて覚えているのだと思います。なので、逆に重要なことに気づきにくいところもあるかもしれません。
また大切そうなことに気づいたら(気づかされたら)何か書くかもしれません。
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Posted at
2008/04/10 00:05:52
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