2008年04月02日
初心者にMT車の運転を教える その10
初心者MTのシリーズは今回で終わりにします。
このシリーズは、ATで運転を覚えた人にMTの運転を教えるとい前提で書いてきました。なので、まとめもATとの比較で書いてみます。
一つ目 メカニズム
ATは、タイヤの回転数とエンジンの回転数の差をトルコンが吸収する。
MTは、タイヤの回転数が決まればエンジンの回転数は決まる。ただし半クラのときを除く。タイヤの回転数から決まるエンジンの回転数が、アイドリングの回転数を下回るとエンストする。
二つ目 シートポジション
ATは、アクセルもブレーキも床まで踏み込むことはないし、アクセルの操作は踏む方向だから、椅子が遠くても運転できる。
MTは、微妙なクラッチ操作を足を戻す方向で行うので、シートポジションはシビアに決めなければならない。ATの感覚でポジションを決めると、腰を使ったクラッチ操作になるので腰痛になります。
三つ目 発進
ATは、ブレーキを離すとクリープで発進する。
MTは、半クラで発進する。
つまり、MTの半クラは、ATでのクリープと同じ程度しか使う必要は無い。半クラでタイヤの回転数とエンジンの回転数の差を吸収する。
ローギアで発進すると楽だけど、セカンドでも発進できます。つまり、セカンドは速度0から使えるということ。
四つ目 加速
ATは、アクセルを踏むと、どこまでも加速する。
MTは、アクセルを踏むと、そのギアのレブリミットまで加速する。適当なタイミングでシフトアップしないとエンジンを壊す。目安はタコメーター。コペンだと、4500回転まで回したらいわゆる急加速ができます。街乗りだと3000まで引っ張れば十分だと思います。
五つ目 減速
ATもMTも減速はブレーキで行うのが基本。エンジンブレーキはあくまで補助。
ATは、アクセル離してブレーキで減速するしかない。
MTは、アクセル離してブレーキで減速して、減速した速度に見合ったギアにシフトダウンすると考える。クラッチを繋げばエンブレが効きます。
シフトダウンは、減速のためではなく、後の加速のために行うと考える。
六つ目 曲がるとき
ATは、ブレーキで減速してハンドル切って曲がるだけ。
MTは、ブレーキで減速して、曲がっているときの速度に見合ったギアにして、原則としては、クラッチを繋いだ状態で曲がる。ギアを落としそこなったときとか、進入速度が速すぎたときとかは半クラ使ってエンストを避ける必要があります。
直角に曲がるときは、普通はセカンドに入っていることが多いが交差点の大きさにもよる。大きい交差点では、サードになるかもしれない。ローで曲がるのはたいてい路地くらいだけど、そういうところは一時停止がありますね。
七つ目 片手運転
左手でシフトレバーを操るので、両手でハンドルを持ったらシフトチェンジができません。
教習所では片手運転禁止ですが、MT車は、シフトチェンジのための片手運転は必須です。余裕をもったシフトチェンジのための片手運転をどんどんやりましょう。発進してからサードに入れるまでは
八つ目 坂道発進
単にクラッチを繋ぎながらサイドブレーキを戻すという手順だけではできるようにはなりません。坂道で止まる力を、サイドブレーキから半クラでのエンジンパワーに替えて、そこからアクセルを踏んで発進するイメージ。
九つ目 走行ライン
セオリーや教習所のラインにとらわれず、余裕を持って危険が少なく運転できるラインを覚えましょう。
十 これまでに書いていない細かいこと
・変速時にギアが入りにくかったら、ニュートラルでクラッチを繋いであらためてクラッチを踏んでみましょう。
・発進時にローやバックに入りにくかったら、クラッチを切ったままで一旦他のギアに入れてみましょう。
・緊急事態で急ブレーキを踏んだときには、どんなに上手な人でもエンストするのがあたりまえです。うまい人はめったに緊急事態にならない運転をします。
・上手な運転は、同乗車が車酔いしない運転です。同乗車が車酔いしない運転は、車にも優しいので車が長持ちします。うまい人は、相当速いスピードで曲がっても車を揺らしません。
詳しくは、読みにくくて長いバックナンバーを参照してください。
書き始めてPVレポートを見ると、毎日数十人の人がこの記事を読んでくださっているようです。
読んでくれた方の参考になれば幸いです。
うちのドライバーBは、一人で運転できるようになりました。
明日からは、AT/MTに関係ない運転の話を書きます。でも、ライブで教えているネタではないので、コメントなどでネタだししてくれるととっても助かります。
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初心者にMTの運転を教える | 日記
Posted at
2008/04/02 00:41:21
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