今回は1991年製、NA1型 ホンダ NSX 3.0L 5MT仕様のエンジン出力試験の結果をレポート致します。対象の車は、私のチャンネル動画をご覧になっているご視聴者様のお車になります。NA1型、初代NSXは1990年に販売が開始された本田技研工業のフラッグシップモデルであり、イタリアのスポーツカーフェラーリ328をライバルとして視野に入れ、ホンダが本格的なスポーツカーを目指して開発した車である事は言うまでもありません。世界初のオールアルミモノコックボディーにC30Aと言う、V6 3.0L NAのエンジンユニットをリアに横置き搭載しています。このエンジンにVTEC機構を搭載し高出力を狙っている事は言わずと知れた事となりますが、中回転領域のトルクも増大させるために共鳴チャンバー容量切替えインテークマニホールドシステムと言う機構も装着し常用域でもストレスの無い駆動力を発生しています。エンジンの排気量は2977cc、これにより当時のメーカー公表の最大トルク、及び最高出力は5MT仕様で30.0kgfm@5400rpm、280PS@7300rpmとなっています。今回のお客様のお車は、メーター読みで6.4万kmしか走っていない、この車種としては低走行と言うべき部類の個体となります。このお客様は青年の時からいつかは必ず憧れのスポーツカーを手に入れたいという想いをずっと持っていらっしゃり、様々なスポーツカーの購入を検討されてきました。そして最後に選ばれた車種がこの個体と言う事になります。エンジンは基本的にはノーマル、5MTのモデルとなりますが、ECUデータの方は微小に書き換えがされており、ギア比の方も一部NA2型NSXの物に交換されています。また、マフラーはTAITEC製の物に交換されている他、バンパーやヘッドライトもNA2型NSXの物に換装されているなど、数年前に購入された時には既に現在の姿だったと言う事です。大変大切に扱っていらっしゃいますこの個体ですが、お客様は当然、現在のエンジンの性能がどのようであるかに大変強い関心を持っており、この度このお車が私のガレージに持ち込まれたと言う事になります。計測の結果は動画の中で是非ご確認頂きたく思いますが、今回の結果は以前の別のNA1型 NSXと比較して低~中回転域のトルクに見劣りがありました。いろいろと調べていくとこの領域は吸気の共鳴効果と言う現象を利用してトルクを増大させている事が見えてきますが、今回の固体においてはどうもその効果が狙い通りに出せていないと推測致しました。これをきっかけにこの共鳴効果と言う現象をこの動画の中で解説していきます。本田技研工業のエンジニアが当時、凌ぎを削って駆動力を高めライバルに対して競争力を強めた技がこんな所にも発見できたと言う大変興味深い内容になっております。VTECと並んでかなりの大技となりますので、ホンダファン、NA1型 NSX のファンの方へは元より、エンジンファンの方々には絶対にお勧めしたい内容の動画となります。ホンダ NSX 3.0L NA1 #パワーチェック #エンジン出力試験 共鳴過給の原理を探求し、中間域のトルク増大効果に納得する【Hirota Engineering】62 #nsx #na1 - YouTube