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ファクトリーお猿のブログ一覧

2020年10月18日 イイね!

プジョーのパワステ配管はキ○ガイ

プジョーのパワステ配管はキ○ガイ


「壊れたから部品買ってきてそのまま取り替える」とか
「修理屋さんに全てお任せ」みたいな人が多い昨今、
こんな記事誰も読まないだろうし、興味の範疇から
大きく外れると思うが、調べたことは忘備録でアップする。



エンジンルームをばらしてみて気づいたのが、

プジョーのパワステ配管はキチガイ・奇天烈

ということ




パワステ配管動画






パワステポンプを出発した高圧パイプは、
真上に立ち上がり、すぐ車体左に90°折れ、
さらに下に90°折れたところで揺れ防止の
ステーがある。
そこから、やや左下に角度をつけながら下降し、
その後水平に左に向かう。
ここで全長約40cmのゴムホース(上流側)に切り替わり
エンジンとラジエターの間のわずかな隙間を
左方へ移動。ここで再度パイプに切り替わり
90°折れて下降する。
5cmくらい下がったところにエンジン本体から伸びた
ステーでパイプの揺れ防止のステーがあり、
オイルパンの下を潜って後方へ移動。

このあと、ゴムホース(下流側)に切り替わり、キツイカーブを
描いて、車体側のパイプに繋がる。
このパイプは、ステアリングラックや、ステアリングの
シャフトを避けながら複雑にうねるようにしてギアボックスに
接続する。


なんと、ポンプからギアボックスに入るまでに
パイプ → ホース → パイプ → ホース → パイプ
と目まぐるしく構造が変更される。
なんだか、キチ○イが引いたようなラインだ。







さて、「プジョー206 パワステフルード 漏れ」 等で検索すると
出るわ出るわ・・・

パワステホース(高圧側)の漏れの事例。

後方排気の2litreも、前方排気の1.6litreも・・・
走行距離が5万kmとか7万km等、大した距離走ってないにも
関わらず、高圧側のエンジン前側のゴムホースが
水平に走っている部分(上流側)のトラブルの多いこと。



GEDC0777
GEDC0777 posted by (C)factoryosaru



ホースの両端がエンジン上に乗っており、
こんな部分、金属管で繋げてしまえば良いのでは?
と思ってしまうくらいだが。





不思議と、オイルパンとステアリングギアボックスの間を
結ぶゴムホース(下流側)での漏れの事例は見当たらない。
ここは全長43センチ程度のゴムホースが、
名阪国道のΩカーブのようなキツイ曲線を描いており、
以下にも無理が掛かっているように見えるのだが・・・


omega_curve
omega_curve posted by (C)factoryosaru


全長43cmのホースが・幅13cmくらいで窮屈なカーブを描く




ここで、考察なのだが、なぜ上流側のホースのトラブルばかりが
目につくのだろうか?
見た目では、下流側のΩカーブのほうが条件が厳しそうに感じるのだが。


一つには、上流側ホースはラジエタの熱の影響を
受けることが考えられるが、もう一つ
上流側のホースが一直線で、パイプ固定用のステーから
程よく離れた部分でパイプと接続しているという
構造が良くないのでは?と、考える。

つまりこのホースは両端ともエンジン上にあり、
単純に考えると、両端は同じ位相で振動するように思うかもしれない。
つまり、ホースに無理がかからないのでは?と感じてしまう。
しかし、先に述べた構造故、ホース取り付け部分の配管はエンジン固有の振動よりも
かなり高い周波数でエネルギーが増幅された状態で振動すると思われる。
しかも、ホースが一文字なので、否応なく伸縮方向に力が加わると思われる。
そのようにして考えると、エンジンが稼働している限り、ホースには
絶えず引きちぎる方向の力が加わっており、、
ネット上に挙げられている、上流側のホースに関して
「ホースのカシメから漏れている」とか「ホースからジワリと漏れてきている」など
という症状が発生するのも頷けるのではなかろうか。


逆に、下流側のΩカーブのホースは、
片側はエンジンでもう片方は車体側なので、一般的な
自動車のパワステ配管と同じで、エンジンと車体間の
振動の位相差を「ホースの撓み」が受け止めているのだ。
故に、数万km程度の走行距離ではトラブルは発生しない。



ホースに加わる力の動画




ここまで考えると、純正配管を取り外し、近所のホース加工会社に
持ち込んでも、数万kmで再発することになるだろう。

腹は決まった・・・


構造改革(DIY)だ。



純正のパワステホースの修理方法に、良い方法が載っていた。

https://www.peugeotforums.com/threads/206cc-power-steering-pipe-help.337922/

純正の配管のホースの前後部分のパイプを切断し、
plumbing fittingを取り付けると、配管を接続できる
ようになるとのこと。


このなかで挙げられているplumbing fittingsは、
compression fittingとも言うらしくて、
こういうものらしい。

https://www.screwfix.com/c/heating-plumbing/pipe-fittings/cat831504?asize=10_mm&pipefittingsystem=compression

素晴らしい、プジョーの配管はAN系(米国army navy)ではなく、
イギリス系のmetricである。

ただ、このサイトの製品って、油圧用なのか?
データシートもないし、ちょっと心配。
同じ規格で水道や食品製造ライン、エアツール用等もあり
対応する圧力の次元が異なる筈だぞ。


もっと安いのを!と、探すと、
eBayのChinaのやつ。

https://www.ebay.co.uk/itm/Fit-10mm-Tube-to-1-2-NPT-Male-304-SS-Pipe-Compression-fitting-Union-Connector/172761347124?_trkparms=aid%3D111001%26algo%3DREC.SEED%26ao%3D1%26asc%3D225114%26meid%3Ddd2afe10fc1b46c1b9148132e0ea50d9%26pid%3D100667%26rk%3D1%26rkt%3D8%26mehot%3Dnone%26sd%3D172761347124%26itm%3D172761347124%26pmt%3D1%26noa%3D1%26pg%3D2334524%26brand%3DUnbranded&_trksid=p2334524.c100667.m2042

これは、耐圧性能が低すぎる357psi (2.5Mpa)
明らかに家庭用かなんかだろう。




因みにパワステ系統の圧力は?

https://www.powersteeringhose.net/technology/faqs-about-power-steering-hose.html

なんと、1500psi(10.34Mpa)!
確かにEarl'sのステンレスメッシュホースも1500psiで設計されている。



ところで上に挙げてきたcompression fittingの

ネジの規格BSP(BSPP)とは?

https://www.tlv.com/ja/contact-us/faq/080000/080000-001/no-60026/

イギリスのパラレルのネジ穴だそうで、
米国のNPTや日本のJISのRcネジとも違うようだ。



hydraulic compression fitting 10mmで検索すると
充分強度があるものを見つけた。

https://hydraulicmegastore.com/product-category/hydraulic-products/tube-and-fittings/compression-fittings/mild-steel-compression-fittings/

データシートでみると、廉価版のLシリーズでも4568psiと充分以上!



あとは、145のパワステホースで作製した時と同様、AN系に
変換するアダプターを噛ませ、2箇所のゴムホースを
ステンメッシュに交換すれば、強化型ホースの完成。


因みに、BSP(BSPP)は日本・中国・米国以外では主流の
配管接続方法のようだが、我々にとっては馴染みが薄いので、
下調べを・・・


https://www.ralstoninst.com/news/story/the-difference-between-npt-bspp-and-bspt-seals


お馴染みのJIS(Rc)やNPTはテーパネジなので、
シールテープを2周巻いて締め込むのに対して、
BSPは平行ねじ。
故に、専用のパッキンを挟んでシールすることになっている。


ということでいつもの猿CADで設計図をこしらえる。







上流側は、撓みを設けたレイアウトに変更。
ついでなので、下流側も高強度のステンレスメッシュに変更。
こうすることで、消耗品のホース部分だけを気楽に交換することが
できるようになるし、言うことナシなのだ。


さて、また部品発注だ・・・



Posted at 2020/10/18 10:16:58 | コメント(1) | トラックバック(0) | プジョー206バン | 日記

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「持病の腰痛が悪化。マジで動けない 休診だ。、」
何シテル?   07/23 09:05
アルファ145、ムルティプラ、プジョー206SW乗りのお猿です。 広島県生まれ東京育ち。 物心ついた頃からクルマ好き。 大学卒業に合わせて、 満員電...
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