ブレーキパッド
色々ありますよね。
メーカーごとに色々な特色を出して
かつ、メーカーのパッドも、細分化されていて、
ためしにエンドレスのサイトを見てみると、なんとパッドだけで18種類。
大手ブレーキメーカーだけで数社、
小さいところもあわせるともっとあるなかで、
自分がどのようなパッドを選んだらいいか、迷うことって絶対にありますよね。
・オイルで悩む
・ブレーキで悩む
・足回りで悩む
このあたりが、スポーツカーに乗っていて悩む3大懸案事項ではないでしょうか?
あ、あとタイヤもか。
僕も、このあたりは、一通り悩んできましたが、
オイルは、自分で使っていて何の不満も無いデルタに、
足回りは、珍しく車のパーツに高いものを奢ったオーリンズが大正解だったので、
もう悩むことはなくなりました。
ただ、ブレーキパッドについては、
今までやはり、よく分かりませんでした。
ま、今も分かっちゃいないんですが、
悩む必要が無いことを頭で理解できたのが、つい先日のことでした。
結論から言えば、
フェードしなけりゃ何でもいいや
となってしまったんですが、
なぜそう思ったか。
今回はそれを書いてみます。
さて、まずは、フェードの話を前段で書いておきます。
僕は、フェードとベーパーロックをよく使い間違えるんで、
改めておさらい。
まず、ベーパーロックは以下。
ベーパーロック現象 (ベーパーロックげんしょう、vapor lock) とは、自動車のフットブレーキが過熱した際、伝達経路である液圧系統内部に蒸気 (=vapor)による気泡が生じ、そのために力が伝わらなくなることをいう。この状態でブレーキペダルを踏んでもブレーキは効かない。「ヴェイパーロック」と表記されることもある。
Wikipediaより。
簡単に言えば、
ブレーキフルードが気化して、ブレーキが利かなくなる、ということですね。
よく、サーキット走行中に、ブレーキがふかふかになってきたからエア抜きしなきゃ
ってやつが、これ。
対策としては、沸点の高いブレーキフルードや、
そもそもブレーキの使用頻度を下げる、など。
で、次にフェード。
フェード現象(フェードげんしょう)は自動車やオートバイでの走行中に摩擦ブレーキを連続使用した結果、ブレーキの効き(制動力)が低下すること。
摩擦ブレーキを使用すると摩擦材が加熱される。下り坂などでブレーキを連続使用すると摩擦材の素材であるゴムや樹脂などが設定された耐熱温度を越えて分解・ガス化し、これがブレーキローターとの間に入り込むとガス膜が潤滑剤のような働きを起こして摩擦係数が低下する。
フェード現象が始まる温度をフェードポイントと呼び、摩擦材の素材によってこの温度は違う。レースなどで使用される製品では樹脂やゴムが少ない・使わない素材を使う場合もある。
こちらも、
Wikipediaより。
なるほど、こちらはパッドの素材が分解して、膜ができて摩擦係数が減るわけですね。
そこから更に温度が上がってしまうと、パッド自体が炭化して使い物にならなくなったり・・・も、
しますよね。
こちらは、対策としてはフェードポイントの高い素材のパッドを使用したり、
ベーパーロックと同じく、ブレーキの使用頻度を下げたりすればよいわけだ。
で、
個人的にブレーキフルードは、DOT5等、沸点の高い(値段も高いし交換頻度もそれなりに高い?)
良質なものを使うのが、安心だと思っています。
そんで、今回はパッドの話なのでそちらに話を移すと、
パッドについては、
自分の走るコースで
強いブレーキングをする場所の中でもっとも高い速度域のコーナーにおいて
フルブレーキングをしたときにロック(=ABS介入)すればなんでもOK。
僕の基準はTC1000なので、TC1000の1コーナー(140キロくらい?)で
ブレーキがロックすればOK。
これって、意外に基準としては低くて、ストリート~ミニサーキット用パッドで充分ロックします。
※タイヤによるけど、多分大体大丈夫でしょう
逆に言うと、それ以上の制動力の強いパッドは無駄。
必要ありません。
なぜかというと、
一番強い制動力を求める場所において、
ブレーキがロックすれば、
他のコーナーでもロックさせることは可能なわけで、
ロック(=ABS介入)させてしまえば、
ブレーキでそれ以上の短い制動力を得ることは不可能だから。
それ以上の制動力を得ようと思えば、
タイヤのコンパウンドをハイグリップに変えるしかないわけで
ブレーキを良いものに換えたから、ストッピングパワーが増すわけではないのです。
逆に、ブレーキが効き過ぎて、
当該コーナーにおいてすぐにロックするような、初期から強いパッドを選択した場合、
ブレーキを踏む足で制動力の微妙なコントロールができなくなる
というマイナス面が大きくなります。
これは簡単な話で、
たとえば、0~10段階のブレーキ踏力があったとして、
フルブレーキしたとき(=10段階の10段目)で初めてロックするようなパッドと
少しブレーキを踏んだだけでロックする(=10段階の1~2段目)ような特性のパッドを比較すると
自分のコントロールできる幅が、後者のほうが圧倒的に少ないことが分かります。
前者は、ブレーキペダルのストローク分だけ、自分で効きをコントロールできますが、
後者は、ちょんっと踏んだだけで効いてしまう・・・つまり、その短いストロークの中で、
効きをコントロールしなければならないので、より自分の車が難しくなってしまうわけですね。
最大のブレーキを必要とするコーナーでそれであれば、
もっと軽いブレーキをしたい低速コーナーなど、よりロックしやすくなってしまうわけで、
単に効きの強いパッドを選ぶことは、完全に間違いだということが分かります。
ということで、
理想は、
一番奥までブレーキを踏んだときにだけロックする、
そんなパッドを選びたいものですが、
とりあえず、ロックさえさせられれば、あとは自分でコントロールすればいいわけで、
そういう意味でなんでもいい、という結論に至りました。
もちろん、タイヤのグリップ力が上がればその分転がり抵抗が増え、
ブレーキも強い力でないとロックさせられなくなる(=タイヤが強い力で転がろうとする)ので、
それに応じてパッド選びも変えてやらなければならないかもしれませんが、
ハイグリで走るサンデードライバー程度であれば、
『サーキット専用!』なんてパッドは、全然必要ないものでしょう。
ただ、中高速サーキットはもちろん、低速サーキットであっても、
何度も強くブレーキを酷使して周回しつづければ、温度は上がるいっぽうで、
フェードもベーパーロックも起きてしまいますので、
適度(TC1000クラスで2~3周程度)にクーリングし、冷やしながら走ることが重要ですね。
それをせずに、パッドがフェードしたから上げる!なんてことは、
自分の首を絞める事になるかも。
ドライビングについても、
ブレーキで止める、ということから、
横グリップを上手くつかってタイヤで止めるということを覚えていくと、
前よりもブレーキ温度が上がらなくなるようになってきました。
走り方でも、全然変わってきますね、このあたり。
あ、
もし、これを見てフルブレーキングでロックするかを試してみたくなった方が居たとしたら、
やる場所は充分気をつけてくださいね。
ロック→コースアウト は避けて欲しいですから^^;