12:00
戦いの火蓋は切って落とされました。
今回の耐久は、夏ということもあり、3時間。
ドライバーは4名の為、各自の持ち時間は45分間となります。
今回の走行順は、
Kダマ → ガーコー → やんかど → むさし屋
で、設定しました。初のアンカー。
やんかど君曰く、アンカーの最後のドキドキ感は是非味わってもらいたい、とのこと。
果たして、チキンハートな僕が、
心臓発作など起こさず、無事に走り終えることが出来るのでしょうか。
第一走者、Kダマ。
前回の参加のとき、安定感ピカ1だったドライバーです。
今回も前回と同様、しっかり安定した走行で、1:40を切るくらいのタイムを連発。
前回走行時と比べ、アイがワイド化されたこともあって、
非常に走りやすそう。
今回は更に、ブーストセッティング他を、気持ちよく走れる方向に振っているため、
燃費は余りよくありませんが、その代わり、ホント、いい感じで走ってます。
そして今回のKダマさんトピック2つ。
1つは、アイで初スピン。
袖ヶ浦の1コーナー、僕らのアイは100キロ程度で進入して、
ノーブレーキでクリアするっていうのが、
現在のECO耐でのコーナリングセオリーになっています。
そこを、105キロだったり、95キロだったり調整しながら走るわけですが、
そのとき、Kダマさんは105キロオーバーで突っ込んでいたようです。
この1コーナー、出口がブラインドなので、結構ノーブレーキで突っ込むのって心臓に悪いんですけど、
Kダマさんは、突っ込み速度を上げていった為に、アイのリアがブレイク。
かといってそこから変な操作をしては、アイは重心が高い為に危険。
おとなしくスピンが終わるまで、身を任せていたそうです。
アイでスピンって、想像できますかね。結構怖いですよ。
僕はそんな状態になるほどの突っ込みは出来ませんでした。
そしてもう1つ。
レース中、
コース上をカルガモの親子が横断していて、それを目撃!
なんというのどかなコース。
幸いにして、誰も轢かなかったようで、次の周ではもういなかったそうです。
よかった~。そして、あぶねーwww
無事に走り終えて、ドライバーチェンジ。
第二走者、ガーコー。
ガーコー君。袖ヶ浦も初。レースも初。
もっといえば、サーキット走行経験も、どちらかといえばまだ初心者クラス。
本人の心境はそりゃもうドキドキだったでしょう。
しかしながら、時折40秒台に入れる、安定した走りで、
燃費も稼いでくれました。
この耐久の面白いところは、一概に速ければいいわけでもなく、
こうした、初心者に近いドライバーでも、しっかりと役割を持てることです。
もちろん、ガーコー君はカート経験がそれなりにあるドライバーなので、
オートマのアイに適したドライバーでもあり、綺麗に走ってくれたということはありますが、
それでなくても、初心者が気軽に参加できるレースの1つであることは、間違いありません。
そんなガーコー君のトピック。
今回は、ハイドロシステムを採用したため、皆、走行中にドリンクをチュウチュウしていたのですが、
ガーコー君は、より飲みやすいスタイルを求めた結果、
普段のフルフェイスではなく、ジェットヘルメットを持参。
結果
ナビタイム ガーコーというあだ名を僕につけられました。
あれ?走行のトピックは、・・・ん~、特にないっす。
僕は彼の走行中、写真を撮るためにずっとみてましたが、ホント、綺麗に走ってた。
そして、ドライバーチェンジ。
第三走者、エースやんかど。
思わず、こいつッ・・出来る・・・!!!
といわざるを得ない、圧巻の走りを見せてくれました。
ベストラップ1'33。
アイで1'33って、相当速いです。多分、燃費を一切意識しなければ、
1'30はいけると思います。
僕も、燃費を意識しなければ、多分1'33は出せると思いますが、
彼の凄いところは、1'33を出すようなハイスピードペースでの走行の割に、
燃費が7前後を推移していたところです。
さすがK4GPで表彰台に立った男、ドライビングセンスはピカ1でした。
とてもじゃないけど、真似できません。
彼の走行も見ていましたが、中速コーナーが続く中盤セクションでは、
上位のマシンや、86、BRZといったこのコースが得意そうな車両にも全く引けをとっておらず、
時折、そのクラスのマシンを煽るアイの姿が。
超攻める男、やんかど。さすがドSです。
あんまり褒めても悔しいので(笑
この辺りでドライバーチェンジ。
彼のドライブがもう少し続くのが理想であったものの
セーフティーカーが入っていたため、数分早く、彼をピットインさせました。
アンカー、むさし屋。
さて、いよいよ僕の出番です。
勢いよく飛び出したいところですが、1周程度走行したところで、
そうもいかない、、僕は既にピンチを迎えていました。
走行スタート時点で、燃料のメモリがデジタル表示であと3つ。
一般的なアナログ燃料メモリでいう、残り1つを切ったくらいだったのですが、
1周を過ぎたくらいで、メモリが残り2つに。
やんかど君が攻めているときに、
ガス欠やべーんじゃねーww的な雑談を外でしていたのですが、
真面目にヤバイ感じです。
それもそのはず、アイのガソリンタンクは満タンで35リットルなんですが、
リッター7で、100周した場合、距離は240キロを走行することになり、
そのときの消費燃料総量は、34.29リットル。
僕らは、104周走行を目指していましたから、
僕へのリレー時点でリッター7前後のアイでは、
そもそも104周、走りきれないのです。
そうこうしている間に、10分程度で数周走り、
アイ標準の燃料計は点滅をはじめ、僕は真面目にガス欠の心配をはじめました。
最初の数周は騙し騙し、1'40ペースで走行していましたが、
ガス欠の心配をし始めてからの5周くらいは、1'50・・・そしてついには2分と、
目に見えてスローダウン。
思えばこのとき僕は軽いパニック状態で、底をついて点滅を繰り返す燃料計と
次々に抜かれているライバル達を追いかけられない焦りで、
とにかく完走を目指すしかない→燃費走行で、という意識しかありませんでした。
とあることに気づき、
この状態から回復できたのは、走行開始から20分ほど経過した、
2時35分くらいのことでした。残り25分。
僕は、この気づきが遅かったことを、実は未だに悔やんでいます。
今までの僕の記載でも、割と詳細な燃費のお話が出ていたのは、皆さんお気づきでしょうか。
これ、何かというと、トラストのインテリジェントインフォメーター(以下燃費計)が
アイには搭載されており、かなり正確な燃費が把握できるからなんです。
それを思い出したのが、残り時間25分の時点でした。
それまでは、漠然と瞬間燃費を良くする方向でしか、燃費計を活用していませんでしたが、
僕は、瞬間燃費ではなく、消費燃料に着目することに気づきました。
消費燃料がどれくらい増えていくか(=どれくらい燃料が減っていくか)、
これによって、今後の対策が出来る。
僕は、その後の数周、消費燃料の増加に注目して走行を行いました。
その結果、どうやら、燃費走行を続ける限り、
1周辺り、0.2~0.3程度、消費しているように見えました。
今計算してみると、1周が2.4キロの袖ヶ浦、
僕が最大の燃費走行(一周2分程度)をしているときに、
1周当たり0.2リットル程度ガソリンを消費していた場合、
そのときの燃費はリッター12程度、
1周辺りの消費が0.3リットルの場合は、
燃費はリッター7.2程度となり、理論上も合っていることがわかります。
この推移を把握できたのが、残り15分の時点。
燃料消費は既に31リットルの表示でした。
もうこの辺りになると、燃料が持たないかも、という心配はどこかに消え、
どれくらいのペースで走れば、燃料を持たせられるか、という計算が優先していました。
単純に、残り4リットルの燃料を、15分で消化しきらなければOK。
15分だと分かりづらいから、16分あると仮定して1リットル辺り4分
1周が1:40と仮定すると、4分では2周半できるから、
1周辺り0.3の消費で押さえれば・・行ける・・・よな。
ここで、行ける!と確信を持てればよかったのですが、
走行中の意識が、そこまでの確信を持たせてくれませんでした。
計算している間にも、周回は重ねられていきます。
残り10分の時点で、燃料はまだ33リットル弱・・
あれ、余るな、燃料。ペースを少しアップ。
ペースアップしていることで、皆が手を振って応援してくれているのが見えます。
残り5分、燃料は33リットル強、
あれ、まだ1.7リットルも残ってる。消費できねーよ、こんなに。
・・でも、燃料系が間違ってたら?車内の時計が間違ってたら!?
もやもやしている間に、残り2分。
燃料は33.6。まだ1.4リットルもあるじゃん!!
といったところで、既にそこまでペースアップ出来る余力も無く、あえなくチェッカー。
結局、チェッカー時、ガソリンは33.9リットル消費していました。
前回のエコ耐、チェッカーを切るアイを見て、ものすごく感動して、少しウルッたむさし屋。
今回、そのチェッカーを受ける立場を譲ってもらったにも関わらず、
ものすごく消化不良で、情けなく感じている自分がそこに居ました。
もっと最初から冷静に燃料の計算を始めていれば、少なくとも1周、
よければ2周程度、周回数を稼げたかもしれません。
もちろん、その分、燃料は消化してしまうので燃費は悪化し、
結果としてはあまり変わらないものだったかもしれません。
が、能動的に計算して得たポイントと、パニクってたまたまのポイントでは、
少なくとも僕にとっては全く違ったので。
ただ、得るものもありました。
1つは、上記のようにアンカーの走り方を知ったこと。
ただただ燃料に翻弄されるのではなく、ペースを計算し、
走行中にいろんな計算をしながら走るの、凄く面白かった。
その間にも、各コーナーを最適な攻め方で走る訓練も行ったりして、
今までで一番頭を使って走ったかもしれません。
これは、非常に為になる経験でした。
これから多くのレースなど経験していきたい僕にとって、
早い段階で知ることができてよかったです。
そしてもう1つは、明らかなドライビングテクニックの向上。
耐久って面白いもので、走ってる最中に、トライアンドエラーを腐るほど試せます。
アイは、軽にしては車重が重いので、
タイトコーナー後の坂が2箇所ある袖ヶ浦は基本的に苦手なコースのようですが、
中速コーナーから高速コーナーは、得意な車だということを知りました。
スピードを乗せたままコーナーをクリアしていけば、
格上の車にも充分ついていけます。
前の車がコーナリング途中でブレーキングしてしまうと
(要はプレーキングポイントが早すぎて2度ブレーキを踏むとか)
その後のリカバリが難しいのでどうしても失速してしまいますが、
1つのコーナーに対してしっかり1つのクリッピングポイントで、
そこに向けてブレーキングし、そこから速度を上げていくコーナリングをする限りにおいては、
全く他の車に引けをとらず、むしろケツをつつくことだって出来ます。
これが、K4GPで2位を取る事ができた秘訣だ、と、
やんかど君は帰りのミーティングで話してくれました。
確かに、アイはある程度コースを選びますが、決して遅い車ではない。
それを、走りながら確信すると共に、
燃費計算しながらよりよい燃費でハイスピードコーナリングを意識していると、
当初、練習走行で結構踏んで、燃費の悪い走行で1'38を出したわけですが、
最終的に、かなり燃費のよい走行方法で、1'40を出せたのでした。
やんかど君には全く及びませんが、
ドライビングの方法によって、燃費も良く、
タイムも上げていくことが出来るということが分かりました。
前回のECO耐の時にも書きましたが、
レーシングECO耐久、
ECOラン要素はほんと少なく、
しっかりレーシングしてます。
走行後、ちょっと元気をなくしてしまった僕ではありましたが、
今思い返しても、どう考えても相当楽しんでるとしかいえません。
結果は25位と振るわず、
アイにも悔しい思いをさせてしまいましたが、
ドライビングテクニックの更なる向上で、もっと上位を狙えるということがわかりました。
1位や2位は無理でも、まずは10位以内を目指して。
次回のECO耐も、きっと参戦することでしょう。我々NOLIMITは。
いつか、アイの頑張りに報いたい。
その為に、もっともっと、上手くなりたいと思ったむさし屋でした。
ただ、大井さん曰く、次回は時間を長く、
ECOじゃなくタイムを競う耐久もやってみたい・・・とのことだったので、
そのときには、アイではなく、別の車両かも・・・??
ってことで、今回の参戦記は終了となります。
ちなみに、当日のブログで書いたとおり、
フロントタイヤが終わりました。
あのタイヤ、耐久4回に、ジムカーナにと、大活躍。
Z2、結構持つな。
限界からブレイクしたときも分かりやすく、
使いやすいタイヤですね。何気にハイグリップの体験ってあまりないので、
いい経験しました。
エンジンオイル、全く問題なし!
ブレーキフルードも、タッチの変化など全く無し!
この暑さのなか、耐久レースやっても安心して踏めるのは良かったことの1つです。
アイ、暑い中ホント頑張ってくれたよ。
ありがとう。
応援してくれた皆さん、
サポート部隊で日焼けした方々、
浴衣&水着で参加してくれたお二人、
差し入れ持ってきてくれたまっき~さん。
みんな、ありがとう!おかげで完走することができました!!
ドライバーのみんな、お疲れ!!!
最高の夏休みだったよ!!!!
