2014年03月04日
試乗記について(メディアレビューとの付き合い方)
みんカラでブログを始めて5年、結構な数の試乗記の蓄積に自己満足。自分にもこれだけの根気があったんだという事にまず驚く。やっぱり車の事が好きなんでしょうね。
試乗記は元々は自分の日記、記録として始めたものですが、自分の拙い文章を読んでいただいた方にほんの少しでも参考になれば有難い限りです。
自分の感想が正しいとは限りません。いや正確に言うと、自分にとっては正しいのですが、他人にとっては正解とは限らないということです。それは別に自動車に限りません。グルメ評価でも、ある人が絶賛する店に行ってみたら自分にとって大した事が無かったということはいくらでもあります。それは映画、本、はたまた異性の好み、人間評価などすべてに当てはまります。そりゃ当然です、人それぞれ価値観、好み、生きてきた環境まったく違いますから評価基準なんて違って当たり前、それが人間の面白いところであるわけです。真理、正解が一つならレビューなんてすべて同じになってしまうわけで。
で本題ですが、同じ事が新車リリースの度にたくさん出てくるモータージャーナリストの方々のレビューについても言えます。われわれ一般の人より車に関する知識は豊富で、試乗した数も圧倒的ですからその車に対する相対評価はわれわれより的確なものになる筈で、的確なものになればなるほど評価は一致していく筈なんですが、それでもやっぱり人によって評価は様々なんですね。評価が180度違う場合すらあります。そこが面白いところです。そういうメディアの試乗記とどう付き合っていくか、自分が今までの経験から得た正しいつきあい方 4箇条を書くことにします。
1.最後は自分の感覚を信じる
いきなり最終結論(笑)。結局は自分が良いと思うかどうかです。自分が気に入れば人が何というと良いわけで。ただし、できるだけたくさんの車に試乗して、あるいはプロを含めたたくさんの人のレビューを読んでたくさんの車を知る方が自分の評価基準を上げる事になり、ひいてはより良い車に出会う確率は高くなると言う事もまた事実。
凄くお気に入りの定食屋があってそこに満足してればそれはそれでいいわけなんですが、他の店をいろいろ知ることでもっと美味しいと思える店を見つけられればさらに幸せなんですから。
2.自分の感覚にあったジャーナリストを見つける
自分が試乗した車の感想を書き留めて、そのあとでメディアレビューを見る。一致点、相違点、まるでテストの点数をつけているように面白いですね。逆にレビューを見た後で試乗、自分の感想はココが違うなとか順序が逆の場合もあります。いずれにしろそれを何度か繰り返していると、自分の感覚にあった評論家の人、あまり自分の感覚とは合わない人がいろいろ分かってきます。例えば各方面で評価の高いゴルフ7、特に比較的辛口評論家で知られるF氏は1.2Lの方を「神」とか「化物」とか評されてこれ以上の無い程の大絶賛ぶりでした。でも自分で試乗してみると、記事にしたように、
1.2コンフォートラインは自分はそこまでの評価では無く先代後期よりむしろ乗り心地が悪化しているとさえ感じました。いろいろ他の方のレビューもみると、Y.K氏のレビューが自分の感想とピッタリなんですね。F氏のその他のレビューをいろいろ見てみましたが、やっぱり自分の感じた事と違う事が多い。これはどちらが正しい、間違いというのではなく結局はその人の感性、あるいは重要視する評価ポイントが自分に合うか合わないかなんですね。F氏のレビューに共感する人もいるわけです。まずはプロのレビューを車選びの参考にされるのならまずいろんな車に乗って、いろんな人のレビューを見て自分に合ったジャーナリストの人を探す事です。自分は2-3人の自分の感想と一致する事の多い評論家の人がいて、試乗せずに決めてしまったキャプチャーも実は決める前にその方々の評価を参考にしました。結果自分の感じた事もぴったりその通りだったわけです。
まあそれでも、じゃあその先生方のレビューすべてが自分の感じた事と一致するかというとそうでは無いのが奥の深いところ。で、結局は1に戻るわけですね(笑)
3.雑誌やWebでのレビューより、ジャーナリストが個人でやってるブログやツイッターでこそ本音が出る
試乗会には必ずスポンサーがいます。またWebでの特集もメーカー自体が企画していることもあります。評論家の先生と言えども良い部分は取り上げやすいが、逆に悪い事は書きにくい。これはある程度仕方が無いことですね。そういう意味ではジャーナリストの人がしがらみ無く個人でこっそりやっているブログやツイッターでのつぶやきの方に本音が出やすい傾向にあります。ぽろっと言いたい事を書き易い、また逆に個人のブログでも褒められていれば本当にその先生のその車への評価が無茶苦茶高かったと言えるでしょう。
ではそういうしがらみの無い事を一つの売りにしているMagXという雑誌の覆面座談会はどうでしょうか?状況的には真理をつき易いレビューの筈なんですが、やっぱり自分の感想と一致することもあり、全然違う事もある。逆に後者の方が多いかも知れません。しがらみが無いから過大に褒める事は無いかわりに過大に貶せる、個人の好き嫌いがより濃く出るということでしょうか? ということで結局ここでも1に戻るわけです(笑)。
4.車発売したて時のレビューよりある程度時間が経った頃のレビュー、あるいは長期レビューを読む
これも3と関係します。発売当初はメーカーや購入者に気を使ってなかなか欠点や気付いた事は書きにくいものです。これも仕方の無いことでしょう。ただし一昔前と違って、最近は結構最初からズバリ短所も書いていただける評論家の方も増えてきているように思いますね。発売と同時に出される「○○のすべて」は昔は褒めることしか書いていませんでしたが、最近はきっちり悪い点を指摘されてたりします。オブラートに包んだような表現で欠点を指摘される方もおられます。いろいろ読んでいると、ああこの方は実は気に入って無いんだとかがわかってきます(笑)
ただし、苦言を呈するとすれば、フィットHVのDCT制御のおかしさなどは素人でも気付くレベルで(エラそうな事を言ってもヴェゼルではまったくわからなかったけれど)、プロならちょっと乗れば分かっていた筈でリコールで問題が表面化する前にもっと指摘なり問題にすべきだったと思いますね。それこそがジャーナリストとしての役目だと思いますし。
あと自分も経験しますが、何度か同じ車に試乗すると次第にその評価が変わって来る場合も結構あります。そういう意味ではその車の持つ信頼性を含めての長期レビューというのが一番メディアにも必要かと思いますが、前にも書いたようにそういうのが日本では意外と少ないんですね。
ということでまとめ
正しい車選び(あれ?ちょとタイトル変わってしまった?)
いろんな車に乗って自分の評価する目を高めた上で、自分の良いと思った車を選ぶ。
メディアのレビューは参考程度に。
結局2行で済んでしまった・・・・
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Posted at
2014/03/04 14:43:13
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