続きです。素人の戯言なので飛ばし読みの方向で御願いします。
■3台の印象
これでサーキット走っているの?乗り込んだ瞬間、違和感に驚きました。例えるならフカフカのカーペットに高級家具にシャンデリア、喧騒が全く聞こえない落ち着いた大人の空間。ヘルメットを被って走るシーンが全く想像できないのです。しかし、走り出して納得。先代のE39をロールゲージで強化したような車体の剛性感とステアの応答性のよさに思ったより車が小さくコンパクトに感じます。ヤル気にさせる乗り味と言うのがわかりました。しかし、誰が乗ってもソコソコ走れてしまう。考えるとそれは結構危険かも、なので純正は乗っていませんが、きっと限界は低く設定されていると推測します。脚周りの変更とセッティングで激変するので、イヂル楽しさがまだまだ残っている車です。
ゆっくりと走り(たぶん2速発進)、本線に入って法定最高速度までアクセルを踏みます。530は数えて3秒。(525は3.半秒くらい)大きな車体をグイグイ引っ張ります。アクセル開度によってエンジン回転がキチンとついてきますし、直進性の良さにもビックリ。変速ショックも驚くほど少ない。「おおっ~」と感心するしかありません。ここまでは3台とも同じ印象です。
■チェック方法
法定速度内で走行が基本。つなぎ目(段差)にあわせてアクセルオフして車線変更。オンのまま車線変更。つなぎ目(段差)にあわせて素早く小さくステアを切り、5センチほど車線内で移動。降り口上り口のコーナーで、全車一定速度で回る。ターンインでブレーキを残して姿勢チェック。旋回中ステアを切り増しチェック。旋回ブレーキのチェック。CP後のアクセル開度のチェック。etcで、低い速度で感じたそれらを、スピードレンジを挙げた時の挙動をイメージしてみます。
■E60-530 2004年式(右)
コンパクトで小回りが効く印象。これは大柄なボディを振り回せて楽しいかもしれません。車体剛性の良さを活かして、ロールを極力控える考えたセッティングかと思いました。くるくるっと車の向きを変えやすい楽しいセットです。
サスはもう少しストロークさせる方向がよいかも。私なら減衰を落とすか、ロールを少し出させるようにしたいです(後はハイグリップタイヤ)。それは、装着タイヤのグリップのよさをもう少し引き出したいからで、ゆっくりと荷重をタイヤに掛けたいのが狙いです。サーキットでは、低速は問題ないですが、高速コーナーは侵入での姿勢作りが難しくなるので、思ったより速度をのせらないかも。V字で走れるセット方向ですが、現状ではU字で丁寧に旋回をするイメージです。車が前を向いていても、車体に横Gが残っているので、アクセルを早く開けられません。それは530のトルクの良さもあるので、CP後に繊細なアクセルワークを意識して少しずつガソリンを送って、リアタイヤに駆動を掛ける事が出来るようになれば、侵入の姿勢も現在より変わってくるかと思います。
■E60-525 2007年式(右)
反則の車です。レーシングカーの様なサスのケース剛性の高さには参りました。コンフォートの5シリーズの脚ではないですよね。ヨーで曲げられます。法定速度だとスピードが足りません。サーキットに持ち込まないと面白く無いと感じました。
しかし、路面に押し付ける力が強いので、タイヤのグリップがすぐ飛んでしまっています。思うより低い速度でしか回れないです。
なのでステアがクイック過ぎになって、車の挙動変化が掴みづらい。ブレーキングでも、反発が強くて荷重抜けがしやすく、折角タイヤに乗った美味しい荷重が抜けて「ズバッ」と一気にグリップが飛んでしまいました。これは法定速度内の事柄なので、サーキットのスピードレンジではもう少しコントロールし乗りやすいかと思いますが、ギクシャク感は残ると思います。でも、ゆっくりステアを切る事が出来ればよく走ります。
全体的に脚を動かして、車の荷重をコントロールしたいです。なので、減衰はソフト方向で。とにかくリアも動かないので、アンダーオーバーの印象がありました。
アクセルのオンオフで、フロントが沈む、リアが沈むと言うのを日頃から感じるトレーニングをして、サスの特性をソフトからハードまで理解していれば、走らせ方の引き出しも増えてくる車でした。セッティングするのが本当に楽しそうですよね。
■E60-525 2006年式(左)
右ハンドル車と左ハンドルの特性の違いが感じられました。(ステアリングギアボックスとエキマニとドライバーのポジション)新しい世代の車なので、昔よりは差はないように感じましたが、スムーズなバランスの良さは乗り比べて分かりました。バネや減衰で、純正は4本バランスを取ってセッティングしてありますが、社外品は4本均一です。なので如実に感じられたのかも知れません。
この車もコンフォートセダンのコーナリングではありません。上記の525と同じような特性を感じましたが、こちらの方がグリップを感じやすいのです(後でお聞きするとタイヤのプレッシャーが高かった。納得)。
フロントの頭の入りやすさは、3台中ベストに感じます。ただリアタイヤのトランクションがかかりづらいです。これでは、サーキットでは、頭が入ってもリアが荷重抜けしてアクセルオンでブレイクしやすいです。なので、中高速コーナーは苦手に感じました。速度を乗せて侵入するのがちょっと怖いかも。なので、侵入前にトランクションがかかるような姿勢を創らないと厳しいです。ステアは、スパッと切らずに、思うより手前から丁寧にゆっくり切り「丁寧に」曲がるのを意識するとタイムアップですよね。
車高を両方少し上げてみたいですね。後は、減衰をソフト方向にしたいです。
■総括
市販の脚周りは、個人的に「硬すぎ」に感じました。変化率も少ないですし、美味しいシーンもピンポイントになって飽きやすいかもと感じました。街乗りセッティングとしては、もっと柔らかくしなやかな方向にしたいです。ロールやピッチングを上手く利用、操作して、日頃から荷重移動を積極的に操れるようになると、街乗りもサーキット走行もドライバースキルの引き出しが増えるかもしれません。
見てみるのと、乗ってみるのではこれほど違うのかと感動しました。
コンフォートセダンでありながら、セットによってサーキットを攻められるセダン。その懐の深さは、さすがBMWといったところでしょうか。E60 5シリーズ。かなり刺激的な車で、昔流行った「羊の皮を被った狼」と言うフレーズを思い出しました。例えると「セダンの皮を被ったTレックス」・・・違うか(^-^ゝ
試乗させて頂いた皆さん、本当に貴重な体験をありがとうございました。
Posted at 2009/07/21 17:42:03 |
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